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MRとMSの違いとは?それぞれの特徴や必要なスキルを比較紹介

「MRとMSは具体的に何が違うのだろう」
「MRのほうが年収が高いのは本当?」
 
MRとMSは似たような名前で、どちらも営業職のため混乱しがちですが、それぞれ役割が大きく異なります。MRは専門知識が求められる仕事で、MSは医療品の知識以外に営業全般の幅広いスキルが求められます。
 
本記事では、MRとMSの違いやそれぞれの具体的な業務内容を解説したのちに、MRやMSに向いている人の特徴を解説します。

目次

MRとMSの違いは主に3つ 

MRとMSの違いは主に以下の3つです。
 
●   勤務先
●   必要な知識・スキル
●   価格決定権
 
それぞれ詳しく解説します。

勤務先

MRとMSは勤務先が異なります。MRは製薬会社の営業として働くため、主な勤務先は所属している製薬会社です。医療機関などを訪問して、自社商品の売り込みを行います。

対してMSは医薬品卸会社の営業として働くため、主な勤務先は製薬会社と医療機関の仲介をしている医薬品卸会社です。さまざまな医薬品を取り扱い、医療機関や調剤薬局などを訪問して販売交渉や価格交渉を行います。

必要な知識・スキル

MRとMSはどちらも営業の仕事であり、大まかな仕事内容は似ていますが必要な知識やスキルが異なります。

MRは自社の医薬品を売り込むことが主な仕事なので、自社製品に関する知識が必要です。品質の有効性や適切な使用方法を正確に伝えることはもちろん、医療機関における臨床データの情報も把握しておく必要があります。

MSは複数企業の医薬品を売り込むことが主な仕事であり、幅広い医薬品に関する知識が必要です。さらに、医薬品の販売を通して医療機関の経営をサポートする役目もあるため、販売や物流はもちもん、経営をサポートする知識も求められます。

価格決定権

価格決定権の有無も大きな違いの1つです。MRは製薬会社の営業職なので価格決定権がなく、決まった価格で医薬品を販売しなければいけません。
 
一方、MSは価格決定権を持っています。価格交渉も営業の一環であるため、他社の調査や市場動向を把握しておく必要があります。価格が低すぎたら自社の利益にならず、高すぎたら契約に至らないこともあるため、利益を管理しながら価格交渉をしなければなりません。
 
マーケティングの知識も求められますが、最適な医薬品の提案やコスト削減などのアドバイスをすることで経営の支援もできるやりがいがある仕事です。


MRとMSの年収はほとんど変わらない 


MRの方が幅広い知識を求められるため、年収が高いと思われがちですが実際にはMRとMSの年収はほとんど変わりません。
 
厚生労働省の「令和4年賃金機構基礎統計調査」によると、MRの平均年収は約600万円です。MSの年収も企業によりますが、大体600万前後が平均といえるでしょう。
 
企業や経験によっても給料が異なるため、どちらが高いとは一概にはいえません。より良い収入を求める場合は、スキルや資格を取得し、条件の良い会社に転職を検討することがおすすめです。


MR(医療情報担当者)とは? 


ここでは医薬情報担当者と呼ばれるMRについて詳しく解説します。

業務内容

MRはMedical Representativeの略で、業務内容は主に自社製品を営業することです。自社製品を営業するにあたって、品質や安全性・有効性などの情報を把握することが必要です。
 
直接医療従事者に商品を販売するわけではないですが、最適な情報を提供することが求められます。製品の効果・効能や使用上の注意点などを説明したり、医薬品の添付文書が訂正された場合にはすぐに伝えたりする必要があります。

ほかにも医療現場の声を聞き、情報を集めることも重要な仕事です。実際に使われた医薬品がどのような効能をもたらしたのかや、安全性に問題はなかったかといった臨床データを収集することで、自社の製品開発に活用します。そうすることでより安全性の高い医薬品の開発に繋がり、医療に貢献できる製品の提供へと循環します。

必要な資格

MRの仕事に就くうえで必要な資格は特にありません。しかし、MRとして必要な専門知識があることを認める「MR認定証」という資格を取っておくと就職に有利になるといえるでしょう。
 
MR認定証は多くの製薬会社が入社後の取得を義務付けているため、早い段階で学習しておくことで即戦力として現場での活躍が期待されます。医師の信頼を得るためにも重視されている資格で、5年間の有効期限がありますが、継続手続きをすることで更新が可能です。
 
また、日本国内に進出している外資系の企業では、海外の情報を扱うために語学力が問われることもあります。日本企業でも海外の医療データや論文から情報を得ることがあるため、語学力があると就職や転職で役立つ可能性があります。

需要・将来性 

厚生労働省の「職業情報提供サイトjobtag」によると、MRの求人数は増加傾向にあり需要が高まっていることが伺えるでしょう。多くの企業が人材不足の状況で、新卒採用だけでなく、中途採用の求人も増加しています。
 
また、これまでは専門領域の経験や大学病院担当の経験があれば転職に有利とされていましたが、最近ではデジタルツールなどを効果的に用いながら戦略を立てて、クロージングまでできる営業力が重宝される傾向にあります。
 
MRの需要は今後もなくなることはないと予測されているため、専門知識はもちろん、時代や状況に合った営業スキルが求められるでしょう。


MS(医薬品卸販売担当者)とは? 


次に、医薬品卸販売担当者と呼ばれるMSの仕事について詳しく解説します。

業務内容

MSとはMarketing Specialistの略で、業務内容は主に複数企業における医薬品の営業活動です。医療用医薬品や一般用医薬品など医薬品のほかにも、医療用材料や医療機器などを取り扱っています。中立的な立場で、病院や調剤薬局などに安定的に供給することが求められます。
 
それぞれの現場で求められているものは何かヒアリングを行い、ニーズに合わせた商品を提供することが重要です。メーカーの性能や特徴の把握、医療制度なども把握しておく必要があるため、幅広い知識が求められる仕事です。
 
また、MSは価格交渉も業務の一環であるため、原価や利益に関する情報も必要です。医療の発展を担う大事な役目でもあるため、やりがいのある仕事といえるでしょう。

必要な資格

MSの仕事に就く上で特に必要な資格はありません。しかし、MSの仕事は医薬品に関しての知識や医療従事者とのコミュニケーションが求められるため、薬学部や医学部出身の方が重宝される傾向にあります。

また、MRと同様に「MS認定資格制度」という資格があります。MS認定制度を取得することで、医薬品の情報提供に関するスキルや医療経営のコンサルティングに関する知識を習得できるため、キャリアアップにつながる可能性があるでしょう。

需要・将来性

日本医薬品卸売業連合会」のデータによると、MSの人数は2006年以降、毎年減少している傾向にあります。令和3年と令和4年を比べても約1400人程度減少しており、人手不足である状況は否めません。
 
MRと比べるとMSの求人や需要は多くないですが、AIやロボットの発展に伴い、より生産性の高い仕事が求められるでしょう。


MRとMSはどちらが向いている?


MRとMSは求められるスキルや知識が異なるため、どちらの仕事に向いているのか見極める必要があります。
 
ここでは、MRとMSそれぞれに向いている人の特徴を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

MRに向いている人の特徴 

MRに向いている人の特徴は主に以下の3つです。
 
●   コミュニケーションスキルに自信がある人
●   スケジュール管理やタスク遂行が得意な人
●   医療に関心を持ち、学習意欲がある人
 
MRの仕事は、医療従事者にいかにわかりやすく正確に伝えられるかが重要です。コミュニケーションが円滑にできなければ、企業の信頼を損ないかねません。良好な対人スキルを持ち、論理的な説明で説得力のあるコミュニケーション能力が求められます。
 
営業職とはいえ医療現場に出入りするため、スケジュール管理をしっかり行い、責任を持って仕事をこなすことが大切です。また、医療への関心や想いを持ち、日々、現場とのコミュニケーションや知識を得る努力をできる人が向いています。

MSに向いている人の特徴 

MSに向いている人の特徴は主に以下の3つです。

● データ分析や洞察が得意な人
● 協調性やコミュニケーション能力がある人
● プレゼン能力が高く、創造的なアイデアや斬新な視点を持てる人

MSの仕事もコミュニケーション能力が必要になりますが、データを分析する能力や数値に基づく意思決定能力も求められます。そのため、物事を多角的に分析することが得意な人に向いているといえるでしょう。

複数企業の製品を取り扱うため、製品を比較できる知識はもちろん、魅力を端的に伝えられるプレゼン能力も求められます。MRよりもより一般的な営業職に近いため、前職で営業をしていた人も活かせるスキルは多いです。

創造的なアイディアや斬新な視点を取り入れて、他者との差別化に繋がるマーケティング戦略やキャンペーンを実行できる人もMSに向いています。


MRとMSは連携し支え合う関係 


MRとMSの仕事には明確な違いがあるものの、どちらも医療業界を支えるための仕事であることに変わりはありません。そのため、ライバルではなく連携して支え合う関係にあります。
 
MRはMSに製品の情報や営業活動に必要な知識を提供し、MSはMRに日頃の医師や薬剤師から得たフィードバックの共有などを行います。
 
連携して協力し合うことで医療業界の発展にも繋がるため、お互いにそれぞれの仕事の理解を深めることが大切です。場合によっては、MRとMS合同で医療に関する研修会なども開催されます。


まとめ


MRとMSは営業職という同じ業種ではありますが、製薬会社として自社商品を営業するか、医薬品卸会社として複数企業の製品を営業するかという違いがあります。対立関係にあるわけではなく、お互いがそれぞれの役割を果たし協力しながら活動します。
 
それぞれの職種で必要とされる知識やスキルが異なるため、これからMRやMSを目指す方は違いを把握しておきましょう。どちらの仕事も、医療を支えるための重要な役割を果たします。


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