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配管工の資格とは|試験の難易度と配管工事の仕事内容や年収も紹介!

目次

配管工とは、さまざまな設備関連の業務を担当する職業です。建築物に電気をつないだり、水が出るようにしたり、空調を整えたりできるのは、全て配管工の職人の技によるもの。求められるスキルも高い配管工ですが、配管工になるにはどうすればいいのでしょうか。また配管工になるために、必要な資格・有利な資格があるのか、まとめています。


配管工とは


配管工とは、家庭の給排水管やガス管など生活に必要なライフラインの設備に関する作業を行う仕事です。これらの配管は目に見えないところに設置されているため、地味な印象を持つ人もいるかもしれませんが、専門的な知識と経験が必要な業務で、需要が高い仕事であるといえます。配管工は建設業に分類されるため、力仕事のイメージから男性の職場と考えがちですが、最近では女性の配管工も増えているようです。


 配管工の仕事内容

配管工の具体的な仕事内容としては以下のようなものが挙げられます。


  • 台所の水道
  • 洗面台・風呂場・トイレの排水
  • ガスの配管
  • エアコンの取り付け
  • マンション全体の空調


これらが正常に作動するように設置したり、日頃のメンテナンスなども行いますが、こうした設備が正常に稼働するためにはミリ単位での調整が必要であったり、個々の現場の状況に応じてさまざまな工夫を凝らす必要があります。そのためいろいろな条件に対応できるよう、広い知識と経験が必要で一筋縄ではいかないことも多いでしょう。


配管工の年収

厚生労働省が行っている調査によると、令和元年の配管工の平均年収は、約434万円です。

しかし配管工の年収は企業の規模や年齢・経験によっても大きく差が出ています。

例えば、経験年数別で年収を見ると以下のようになっています。


  • 経験年数5年:約364万円
  • 経験年数10年:約460万円


5年の経験の差で年収は100万円程度異なることになります。さまざまなケースに対応できる経験豊富な配管工は需要も高く、年収も高くなる傾向があるようです。


参考:政府統計の総合窓口


配管工に向いている人とは

配管工の仕事は、さまざまなスキルが必要となる仕事ですが、どのような人が配管工に向いているのでしょうか。


【配管工に向いている人】

  • 地道に頑張れる人
  • 丁寧に作業と向き合える人
  • 自分のこだわりを持っている人
  • ものを組み立てるのが好きな人


配管工の職人は、さまざまな設備を担当する上、現場によっても条件が異なるため、全て同じようにやればいいわけではありません。個々のケースに応じて、工夫を凝らし設備が正常に稼働するように設置しなければならないため、地道に経験を重ね、丁寧に状況を見極められることが大切でしょう。

またミリ単位のズレでうまく稼働しないということも起こり得る世界なので、ものを組み立てることが苦にならない人の方が向いています。


配管工になるには

配管工になるには特定の学校を卒業することや、特定の資格などは一切不要です。そのため、中学を卒業してすぐ建設会社に就職して配管工を目指す人もいれば、大学卒業後に配管工を目指すことも可能です。ただし多くの場合、自主的に何らかの資格を取って配管工として従事している人が多いでしょう。


配管工事を手掛けている建設会社や設備会社などに就職し、初めは配管工事周りの肉体労働からスタートするケースが多いでしょう。配管工はガスや水道なども扱うため、ミスが許されない高度な現場も少なくありません。いろいろな現場を経験し、資格を取得しながらスキルを少しずつ磨いていく流れが一般的でしょう。

一連の配管工事を経験し、一人で設備・調整ができるようになれば、一人前の配管工といえるでしょう。


 配管工に必要な資格と難易度


配管工が持っておくとよい資格には、以下の三つの国家資格があります。国家資格は国の法律に則って定められる資格なので、社会的な信頼性が高い資格です。


  • 配管技能士
  • 管工事施工管理技士
  • 建築設備士


それぞれの資格について、詳しく見ていきましょう。


配管技能士

配管工として最も一般的な資格が配管技能士でしょう。配管技能士には1〜3級までのレベルがあり、1級が最も上級者向けのレベルです。試験はどのレベルにおいても学科と実技試験があります。


◎配管技能士試験の概要


受験資格
  • 3級:誰でも受験可能
  • 2級:学歴もしくは実務経験
  • 1級:実務が必須
合格率
  • 3級:70.9%
  • 2級:42.2%
  • 1級:42.1%
難易度

★★★

試験内容

【実技試験】

① 製作等作業試験

  • 1級:標準時間3時間30分 打ち切り時間3時50分
  • 2級:標準時間2時間30分 打ち切り時間2時50分

(給水配管図に従い、エルボ、T(チーズ)等の管継手を使用して配管用炭素鋼鋼管、水道用硬質ポリ塩化ビニール管および銅管を組み立てる)


② 計画立案等作業試験(試験時間:2時間)
(配管図から材料を拾い出し、材料表を作成)


【学科試験】
真偽式と多肢択一式(全50問)
公式サイト



 管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は国土交通省管轄の国家資格で、施工計画の作成や安全管理など、管工事全体を管理するのに必要な知識があることを証明できる資格です。レベルは1級と2級があり、受験資格も厳しいため、配管技能士よりもレベルが高い資格といえるでしょう。管工事施工管理技士1級に合格した人は、配管工事を取りまとめる現場監督として働くことができます。



受験資格
  • 2級:満17歳以上、大学や専門学校を卒業後、1~8年の実務経験があることなど
  • 1級:大学や専門学校を卒業後、3~15年の実務経験があることなど
合格率

【2級】

一次:55~69%

二次:40~25%

【1級】

一次:24~49%

二次:52~63%
難易度

★★★~★★★★★

試験内容

一次試験:四肢択一式

二次試験:記述式
公式サイト



建築設備士

建築設備士は、建築士に対してアドバイスをすることができる人です。配管工と関係がないように見えますが、電気や空調など配管系を含む建築設備の専門家のような位置付けです。合格率がとても低く、難易度が高い設備系最高峰の資格といえるでしょう。建築設備士の試験には一次試験のマーク式と二次試験の記述式をクリアしなければなりません。特に一次試験の合格率は20%を切る年もあり、かなり難しいようです。

なかなか建築設備士の資格を持つ配管工は少ないため、この資格を持っているとかなり優秀な配管工として評価されるでしょう。


◎建築設備士試験の概要


受験資格
  • 大学卒業後、実務経験2年以上
  • 短期大学、高等専門学校卒業後、実務経験4年以上
  • 高等学校卒業後、実務経験6年以上
  • 1級建築士、1級電気工事施工管理技士、1級管工事施工管理技士など、実務経験2年以上の資格者
  • 建築設備に関する実務の経験のみの者、実務経験9年以上
合格率

第一次試験: 25~31%

第二次試験:41~54%

難易度

★★★★〜★★★★★★

試験内容

第一次試験:学科(建築一般知識、建築法規および建築設備)

第二次試験:設計製図(建築設備基本計画および建築設備基本設計製図)

公式サイト



配管工の仕事に役立つ資格一覧


これまで紹介した国家資格の他にも、取得することによってスキルアップにつながったり、仕事の幅が広がるきっかけとなったりする資格はたくさんあります。配管工の仕事に役立つ資格は、以下のようなものがあるので参考にしてみてください。


  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者:酸欠や硫化水素中毒の恐れがある業種で安全に作業を行うための知識を有する者
  • 高所作業車運転者(10m未満):10m未満用の高所作業車の運転ができる者
  • 高所作業車運転者(10m以上):10m以上用の高所作業車の運転ができる者
  • 研削砥石取替試運転作業者:労働安全衛生法に定める研削といしの取替え等の業務に係る特別教育を修了した者
  • 職長・安全衛生責任者:現場の安全・品質・人材など総合的な管理をする者
  • フォークリフト運転者:フォークリフトを運転できる者
  •  玉掛作業者:クレーンなどのフックに荷を掛けたり外したりする作業を安全に適切に行う者

配管工はさまざまな知識や技術が必要であるため、ここで紹介したようなスキルも持っていると便利です。

高層マンションなどの配管系であれば高所での作業になりますし、建設現場での事故は死亡事故につながるケースも多いため確実に安全に行えることが最も大切であり、基本です。資格を有することで、体系的に広く知識を得ることができるため、配管工志望・もしくは配管工としてスキルアップしたい方にはおすすめです。


まとめ


配管工の業務は、生活のライフラインとなる要の設備を設置したり、メンテナンスを行ったりする仕事です。ガスなど危険物を扱ったり高所や閉所での作業があったりと、危険と隣り合わせとなる現場もあります。建物や立地条件などによって、設備が正常に稼働させるために工夫を凝らす必要があるなど、一筋縄でいかないことが多いでしょう。そのため、広い知識と豊富な経験が重要視されます。経験に応じて年収も上がっていく傾向があるのはこのためです。資格を有することで、体系的に広く知識を得ることができるため、配管工志望・もしくは配管工としてスキルアップしたい方は、検討してみてはいかがでしょうか。





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