期 間工とはどんな働き方?仕事内容や働くメリットとは?
期間工は、求人の募集でもよく見かける雇用形態です。
「どんな仕事をするのだろう」と疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、期間工の働き方や仕事内容についてまとめました。
期間工として働くメリット・デメリットも紹介しているので、これから期間工の仕事をしたいという人は最後までチェックしてください。
期間工とは
期間工は、あらかじめ決められた期間働く労働者のことです。
期間従業員・季節工・臨時工などと呼ばれることもあり、主に製造業に関わる仕事に従事する場合に使われます。
期間工とは対称的に、製造業で契約期間に定めがない労働者は本工・常用工といわれます。
派遣社員やアルバイトとの違い
期間工と派遣社員はどのように違うのでしょうか。
これは、誰に雇用されているかによって区別されます。
期間工は企業と直接契約しており、雇用主は契約している企業です。
一方派遣社員は派遣会社と契約しており、雇用主は派遣会社です。
給料は雇用主によって払われるので、期間工の給料は契約している企業が、派遣社員の給料は派遣会社が払います。
同様に、期間工は契約している企業の福利厚生を受け、派遣社員は派遣会社の福利厚生を受けることになります。
期間工とアルバイトも混同されがちです。
アルバイトと違う点として、期間工は社員と同等の待遇を受けられることが挙げられます。
またアルバイトが比較的シフトの自由が利くのに対して、期間工は労働時間や休日に制約があるところも違います。
どんな職種がある?
期間工の募集は製造業がほとんどで、勤務場所は主に工場です。
工場の生産ラインで、自分に割り当てられた工程の作業をこなします。
自動車工場や家電工場など大きな製品を製造する工場では体力が必要な場合もありますが、電子部品工場など繊細な製品を扱う工場では、体力よりも手先の器用さが求められます。
期間工の収入相場
期間工は、月収30万円くらいが相場です。
基本給のほかに、一時金や手当などが多いのも期間工の魅力といえるでしょう。
夜勤がある仕事の場合は、深夜手当が付きますし、残業があれば残業手当が付きます。
一時金に関しては勤務先によっても変わりますが、契約期間を満了すると満了金が数万円~100万円程度支給されます。
満了金は契約を継続するごとに高くなる傾向があり、例えば最初の契約満了で9万円、契約を更新して次の契約満了で15万円という感じで増額され、多ければ200万、300万の満了金を支給する企業もあるようです。
企業によっては入社祝いとして数十万円支給することもあるので、満了金と合わせると大きな金額になるでしょう。
期間工として働くメリット
期間工として働くメリットには以下の三つが挙げられます。
- 短期間で稼ぎやすい
- 未経験者でも働きやすい
- 社員登用の可能性がある
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
短期間で稼ぎやすい
期間工は、短期間で稼ぎたい人に向いています。
特に基本給とは別に支給される一時金は、数十万円程度から多ければ数百万円受け取れることもあるでしょう。
さらに寮や社食を完備している企業もたくさんあります。
通常であれば部屋を借りるための家賃や敷金礼金がかかり、引っ越し費用や家具・家電の購入費用も合わせるとかなりの出費になります。
寮や社食を利用して家賃や食費を抑えることで、その分を貯金することも可能です。
未経験者でも働きやすい
製造業は特別な技術が必要だと思われがちですが、期間工の仕事は未経験も可としている求人がたくさんあります。
工場での作業は工程ごとに担当が決まっているライン作業がメインです。
仕事の多くはマニュアル化されており、企業によっては入社後すぐに働けるように研修制度を設けているところもあります。
このように、期間工の仕事は未経験者でも挑戦しやすいのが魅力です。
社員登用の可能性がある
期間工を採用している企業の中には、社員登用制度を設けている場合があります。
期間工は、正社員と比べても入社のハードルが低い傾向があります。
なかなか就職が決まらないという場合は、期間工として働き、社員登用制度を利用して正社員を目指すというのも一つの方法です。
期間工として働くことのデメリット
期間工として働くのであれば、そのデメリットについても覚えておきましょう。
期間工として働くことのデメリットには、以下の三つが挙げられます。
- 配属先を選べないことが多い
- 長く働けない
- 社会的な信用が低い
配属先を選べないことが多い
期間工として契約が決まっても、配属先は基本的に選べません。
企業によっては配属先の希望を出せることがあるものの、どこに配属されるか分からないというケースの方が多いでしょう。
期間工の仕事は、部品の組み立てや加工のほか、溶接や塗装などたくさんの仕事があります。
担当する仕事によって全く違う作業をすることになるので、自分が苦手な仕事や興味のない仕事に配属された場合は、仕事のモチベーションが下がる可能性もあるでしょう。
長く働けない
期間工の契約は更新することもできますが、契約の更新には限度があります。
期間工が同じ職場で働けるのは、最長で3年までと労働基準法で定められており、2年11カ月までを更新の限度としている企業が多いのです。
契約の限度に達した場合は、6カ月のクーリング期間を過ぎれば、また同じ会社で働けるようになります。
クーリング期間は、契約期間の限度である2年11カ月の満了以外に、3カ月や6カ月などの契約満了時に更新しなかった場合もクーリング期間が適用されます。
クーリング期間は働いた期間によって以下のように変わります。
- 契約期間が3カ月:2カ月のクーリング期間
- 契約期間が6カ月:3カ月のクーリング期間
- 契約期間が1年以上:6カ月のクーリング期間
社会的な信用が低い
契約期間が決まっている期間工は、雇用や収入が安定しないと見られ、社会的な信用が低くなりがちです。
住宅ローンなど、高額のローン契約に通りにくい傾向があります。
期間工の契約満了後はどうなる?
期間工として働き、契約期間を満了した後は、どのような道があるのでしょうか。
ここでは、下記三つの方法を紹介します。
- 契約を更新する
- 別の仕事を探す
- 正社員を目指す
契約を更新する
契約期間の満了後は、多くの企業で契約の更新を受け付けています。
同じ会社で引き続き働きたい場合は、契約の更新を希望しましょう。
契約を更新することで、基本給が高くなることもあります。
別の仕事を探す
期間工の契約満了後は、別の仕事を探すのも選択肢の一つです。
別の会社で期間工として働く場合でも、経験者として好条件で採用される可能性もあります。
これまでと違う会社で働きたい場合や、契約の更新ができなかった場合は、別の会社で働くことも視野に入れておくとよいでしょう。
正社員を目指す
正社員登用制度を設けている会社であれば、契約満了後に正社員を目指すことも可能です。
採用試験に合格すれば、正社員として契約期間を心配することなく長く働けます。
一定期間の勤務実績や上司の推薦を条件としていることが多いので、日ごろの勤務態度や従業員同士のコミュニケーションを大事にしておきましょう。
期間工の面接で押さえておくポイント
これから期間工として働きたいと考えているのであれば、避けて通れないのが面接です。
期間工の面接では「志望動機」「服装」「健康診断」の三つが合否を分ける重要なポイントとなります。
三つのポイントを押さえて、面接で合格を勝ち取りましょう。
志望動機
面接で合否を左右する決め手にもなりえるのが志望動機です。
企業側が期間工に求めるポイントは以下の三つです。
- 健康状態に問題がないか
- 契約満了まで働けるか
- 仕事に対して真面目に取り組めるか
一般的な面接のように、企業の魅力や思い入れを熱弁する必要はありません。
ただし、「お金を稼ぎたい」という動機をストレートに伝えるのは問題です。
動機がお金を稼ぐことであれば、なぜお金が必要なのかも合わせて伝えましょう。
「独立資金を貯めたい」「資格取得の費用を貯めたい」など、お金を稼ぎたい目的も話すことで、真面目さや熱意が伝わります。
スポーツの経験があれば、体力をアピールすることもできます。
体力に自信がない場合は、「体力を付けるために毎日筋トレをしている」といった、前向きな取り組みをアピールするとよいでしょう。
服装
面接の服装は、スーツが基本です。
ただし仕事でスーツを着ることがない期間工の場合は、わざわざ買ってまでスーツを着たくないという人も多く、私服で面接に臨む人も多いようです。
できればスーツを着たいところですが、私服で面接を受ける場合は、清潔感のある落ち着いた服装で面接を受けましょう。
健康診断
期間工の仕事は、体力が必要だったり危険が伴ったりすることもあるため、契約するときに健康診断を行う企業もあります。とはいえ異常があるから即不採用ということはありません。
持病があっても、適切な治療を行っていて日常生活に支障ないようであれば問題ないケースがほとんどです。
不採用になるのではないかと心配して持病を隠したり健康診断の結果を偽ったりすると、後々大きな問題になる可能性もあるので、自分の健康状態は正直に伝えましょう。
まとめ
期間工は、未経験者でも短期間で効率良くお金を稼げます。
満了金などの一時金によって収入が大きく変わるので、期間工の仕事を探すときは、一時金や福利厚生など、基本給以外のポイントにも注目しておきましょう。
ただし契約更新の最長期間が決まっているので、契約が満了したらどうするのかも考えておく必要があります。
これから期間工を目指すのであれば、今回紹介した期間工のメリットやデメリットも参考にしながら検討してくださいね。