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衛生工学衛生管理者とは|資格を取得しておくメリットや試験の条件・難易度を徹底解説!

目次

衛生工学衛生責任者は、有害業務を行う作業場で生きる資格ですが、具体的にどのような資格なのか気になりますよね。また、取得することでどのようなメリットがあるのか、どうすれば取得できるのかも知りたいところです。この記事を読むことで、これらの疑問がすべて解決しますので、ぜひ最後までご覧ください。



衛生工学衛生管理者とは


衛生工学衛生管理者とは、労働基準法によって定められている有害業務が発生する作業場において、衛生工学技術の知識を用いて作業環境の改善や点検、改善指導などを行う衛生工学の専門家のことです。有害業務の例としては、有害ガスや粉塵などを発生させたり、多量の高熱物体を取り扱ったりすることが挙げられます。また衛生工学衛生管理者は、常時50人以上の労働者がいる事業場(企業単位ではなく、店舗や工場ごとに1事業場とする)において、労働者の人数に応じて決まった人数の配置が必要とされています。


衛生工学とは

衛生工学とは、人間の健康の保護と増進を目的として、人間の物理的環境を工学的手段によってコントロールする学問分野のことです。衛生工学の対象には、上下水道処理や放射性排出物管理、有害作業環境除去などに関連する施設の改善などがあります。衛生工学では、これらを実現するために生理学や土木工学、都市計画学などの分野を学びます。


衛生工学衛生管理者の種類

衛生工学衛生管理者には、他に「第1種衛生管理者」と「第2種衛生管理者」を合わせた3種類があります。


第1種衛生管理者とは、衛生工学衛生管理者と同様に、有害業務を含む業種でも衛生管理者として働ける資格です。そのため、建設業やガス業、運送業などでも働けます。有害業務は健康被害や労災を引き起こす可能性が高いため、第1種衛生管理者にはこれらを防ぐために必要な多くの知識が求められます。


一方で第2種衛生管理者は、有害業務とあまり関連のない職場にのみ対応できる衛生管理者のことです。第2種衛生管理者が対応できる業界としては、金融や保険、小売業などが挙げられます。これらの業務では健康被害や労災の危険性は低いですが、従業員のメンタルヘルスに関する問題については注意する必要があり、第2種衛生管理者はメンタルヘルスに関する知識を身に付けることが求められます。


衛生工学衛生管理者と第1種・2種衛生管理者との違い

まず衛生工学衛生管理者と第1種衛生管理者は、どちらも基本的に有害業務の発生する業種に対応できます。ただし第1種衛生管理者に関しては、法定の有害業務のうち一定の業務を行う有害業務事業場について、一部対応できないものもあります。


続いて第2種衛生管理者ですが、衛生工学衛生管理者や第1種衛生管理者とは異なり、有害業務を行う事業場には対応できません。そのため、他の二つと比べると管理者として対応できる業務が限られています。


資格取得方法に関しては、第1種衛生管理者と第2種衛生管理者の場合は、厚生労働大臣の指定を受けている安全衛生技術試験協会で実施される試験に合格する必要があります。その一方で衛生工学衛生管理者は、先述の試験を受ける必要はありませんが、その代わりに厚生労働大臣の定める講習を受けて修了試験に合格しなければなりません。


衛生工学衛生管理者の業務内容


衛生工学衛生管理者の業務内容は、有害業務が発生する作業場での管理業務全般です。具体的には、作業場で発散する有害因子の抑制対策や、労働者の健康状態の把握、作業環境の改善やアドバイスなどがあります。また衛生工学衛生管理者は、週に1回以上のペースで事業場の巡視を行い、労働者の健康を害するような作業内容や設備がないかチェックすることが義務付けられています。


 労働者の人数に応じて衛生工学衛生管理者を配置する必要がある

衛生工学衛生管理者は、事業場の労働者の人数に応じて、一定数配置しなければなりません。事業場の労働者の人数と、それに対応する必要な衛生工学衛生管理者の人数は、下表の通りです。



事業場の労働者の人数

必要な衛生工学衛生管理者の人数

50人以上200人以下

1人以上

200人超500人以下

2人以上

500人超1,000人以下

3人以上

1,000人超2,000人以下

4人以上

2,000人超3,000人以下

5人以上

3,000人超

6人以上


ちなみに衛生工学衛生管理者は、1つの事業場ごとに専属となるため、複数の事業場との兼任はできません。


衛生工学衛生管理者の資格を得るメリット


衛生工学衛生管理者の資格を取得することで得られるメリットは、以下の通りです。


  • 働ける業務の幅が広がる
  • 資格手当など収入の底上げにつながる
  • 転職市場での評価が高まりやすい


では、それぞれについて解説します。


働ける業種の幅が広がる

衛生工学衛生管理者資格を持っていることで、働ける業種の幅が広がります。例えば、農林畜水産業や鉱業、建設業などでも働けるようになります。また、労務管理や設備保守、総務などの職種にも対応できます。そのため、転職活動における選択肢を増やすことが可能です。


資格手当など収入の底上げにつながる

企業によっては、衛生工学衛生管理者に対して資格手当を支給していることもあります。なぜ手当がもらえるのかというと、先述の通り衛生工学衛生管理者は事業所の人数に応じて配置が義務付けられており、企業としては十分な人数を確保したいためです。もし資格手当がもらえれば、収入の底上げができます。


転職市場での評価が高まりやすい

衛生工学衛生管理者資格を持っていると、転職市場の評価が高まりやすいです。その理由は資格手当の箇所でもお話ししましたが、有害業務を行う業界の企業の場合、衛生工学衛生管理者をある程度の人数を確保する必要があるためです。さらに、衛生工学衛生管理者資格を保有している人材の人数は限られるため、採用倍率も低くなります。特に、企業のコンプライアンスが重視されている現代では、人材の安全や健康に関わる衛生工学衛生管理者の価値が高まっています。


衛生工学衛生管理者の取得条件 


衛生工学衛生管理者の免許を取得するには、厚生労働大臣の定める講習を受ける必要があります。そしてこの講習には、5日コース・4日コース・2日コースがあります。それぞれのコースの受講条件は、次の表の通りです。


講習のコース

受講条件

5日コース

下記のいずれかを満たしていること

・学校教育法による大学または高等専門学校において、工学または理学に関する課程を修めて卒業した者

・大学改革支援・学位授与機構により学士(工学または理学)の学位を授与された者(当該課程を修めた者に限る)、もしくはこれと同等以上の学力を有すると認められた者または当該課程を修めて専門職大学前期課程を修了した者

4日コース

下記のいずれかを満たしていること

・第1種衛生管理者免許試験に合格した者(保健師・薬剤師の資格による免許取得者は対象外)

・学校教育法による指定大学において保健衛生に関する学科を専攻して卒業した者であって、労働衛生に関する講座または科目を修めた者

・労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)に合格した者

2日コース

下記のいずれかを満たしていること

・作業環境測定士となる資格を有する者

・労働衛生コンサルタント試験(労働衛生工学)に合格した者


講習を受講したら、最終日に筆記試験を受け、合格すれば資格取得ができます。


衛生工学衛生管理者の試験の難易度


衛生工学衛生管理者資格の難易度についてですが、受験者数や合格率は非公開です。ただし、講習最終日の筆記試験の難易度は低く、講習を真面目に受けていれば問題なく合格できます。受験資格によって、講習科目が減ったり試験内容が変わったりするため、自分はどのパターンに当てはまるのか事前に確認しておきましょう。


申し込み方法

衛生工学衛生管理者講習の申し込み方法は、以下の二つから選べます。


  • 受講申込書を中央労働災害防止協会のWebサイトからダウンロードし送付する
  • 東京安全衛生教育センターで直接申し込む


申し込みの受け付けは先着順であるため、なるべく早く申し込んだほうがよいでしょう。申し込みが受理されたら、受験票と振込用紙が届くのを待ちます。受験票と振込用紙が届くのは、講座開始日の約1カ月前です。


受験票と振込用紙が届いたら、受験料を指定口座に振り込みましょう。これで申し込み手続きは完了です。


衛生工学衛生管理者として転職を成功させるには


衛生工学衛生管理者として転職を成功させたい場合は、工場や製造業に強い求人サイトを利用しましょう。なぜなら衛生工学衛生管理者は、有害業務を行う工場で勤務する機会が多いためです。工場や製造業に強い求人サイトの中でも、次の二つの条件を満たしているものがおすすめです。


  • 求人数が多く、全国に対応している
  • サポートが充実している


まず選択肢を広げるために、求人数が多く、かつ全国対応の転職サイトを選びましょう。そのほうが、自分が住んでいる地域の求人を見つけやすいです。特に地方に住んでいる人は、全国対応の転職サイトを選ぶことが必須です。


次に、サポートの手厚さも重要です。サポートの内容としては、例えば書類作成やスケジュール調整、面接練習などが挙げられます。これらが充実している転職サイトを選ぶことで、転職活動を有利に進められます。特に転職活動に慣れていない人は、サポートの手厚さを重視しましょう。


まとめ


衛生工学衛生管理者資格を取得することで、転職がしやすくなったり、収入がアップしたりするというメリットがあります。また、衛生工学衛生管理者資格の取得難易度はあまり高くないため、講習の受講資格さえ満たしていればそれほど苦労せずに取得できます。もし興味がある場合は、ぜひ取得を検討してみましょう。





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