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臨床開発職に向いている人とは?製薬会社の開発職に必要な能力や多い出身学部を解説

製薬会社の臨床開発職は、新薬開発において重要な役割を担っています。医薬品の安全性と有効性を確認するために欠かせない仕事ですが、その仕事内容や求められる能力、向いている人の特徴などについては、あまり知られていないのが現状です。
 
本記事では、臨床開発職の仕事内容や必要なスキル、向いている人の特徴などを詳しく解説します。臨床開発職を目指す方や、製薬業界に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

目次

臨床開発職とは?仕事内容を解説



臨床開発職は、新薬の開発プロセスにおいて重要な役割です。
 
医薬品の安全性と有効性を確認するための臨床試験を計画・実施し、得られたデータを解析・評価して、承認申請に必要な資料を作成します。以下、具体的な仕事内容を見ていきましょう。
 

治験計画の作成・立案

新薬の開発には、綿密な計画が必要不可欠です。
 
臨床開発職は、非臨床試験の結果や関連する文献などを踏まえて、治験の目的や対象患者、投与量、投与期間、評価項目などを決定し、治験実施計画書を作成します。また、治験に必要な予算や人員、スケジュールなども検討し、社内外の関係者と調整を行います。
 
治験計画の立案には、医学・薬学の専門知識だけでなく、統計学やプロジェクトマネジメントのスキルも必要です。治験の成否を左右する重要な業務であり、高い責任感と論理的思考力が必要とされます。
 

治験の実施

治験実施計画書に基づいて、実際に治験を実施するのも臨床開発職の仕事です。治験は、全国の医療機関で行われるため、臨床開発職は医師や看護師、臨床検査技師など、様々な医療関係者と連携しながら業務を進めていきます。
 
治験の実施には、GCP(医薬品の臨床試験の実施に関する基準)をはじめとする各種規制の遵守が求められます。
 
また、被験者の安全性を最優先に考え、倫理的な配慮を欠かすことはできません。コミュニケーション能力と倫理観の高さが求められる仕事だと言えるでしょう。
 

治験データの解析・評価

治験で得られたデータは、統計学的な手法を用いて解析されます。臨床開発職は、解析結果を評価し、医薬品の有効性と安全性を検証します。予期せぬ有害事象が見られた場合には、原因究明と対策立案にも携わります。
 
データ解析には、統計学の知識と経験が必要不可欠です。また、複雑な解析結果を分かりやすくまとめ、関係者に説明する能力も求められます。論理的思考力とプレゼンテーション能力の高さが求められる業務だと言えます。
 

承認申請

治験の結果、新薬の有効性と安全性が確認されれば、いよいよ承認申請です。

臨床開発職は、申請に必要な資料を作成し、規制当局への提出・説明を行います。承認申請資料の作成には、医薬品の開発プロセス全体を俯瞰する能力が求められます。
 
また、規制当局とのコミュニケーションには、高度な交渉力とプレゼンテーション能力が必要とされます。英語力の高さも重要な要素の一つです。承認を得るために、様々な角度から新薬の価値を訴求していかなければなりません。


臨床開発職に向いている人の特徴



臨床開発職は、医薬品の安全性と有効性を確保するという重大な責任を負っています。そのため、以下のような特徴を持つ人が向いていると言えるでしょう。

  • 医薬品や医療機器に関心がある
  • 責任感が強い
  • 倫理観が高い

 

医薬品や医療機器に関心がある

臨床開発職として活躍するには、医薬品や医療機器に対する強い興味・関心が欠かせません。常に最新の医学・薬学の知見をアップデートし、新薬開発の可能性を探っていく姿勢が求められます。
 
単なる仕事としてではなく、医療の発展に貢献したいという情熱を持つことが大切だと言えます。
 

責任感が強い

臨床開発職は、多くの患者さんの命を預かる仕事です。新薬の安全性と有効性を確認するという重大な責任を負っているため、強い責任感とコンプライアンス意識が求められます。
 
また、治験のスケジュールや予算を管理する上でも、高い責任感が必要不可欠です。
 

倫理観が高い

治験は、健康な人や患者さんの協力なしでは成立しません。臨床開発職には、被験者の人権を尊重し、安全性を最優先する高い倫理観が求められます。利益よりも倫理を優先する姿勢を持つことが大切だと言えるでしょう。


臨床開発職に必要な能力



臨床開発職として活躍するには、以下のような能力が必要とされます。

  • 医薬品・医療機器に関する知識
  • 治験に関する知識・経験
  • データ分析・統計解析能力
  • コミュニケーション能力
  • 問題解決能力
  • 英語力

 

医薬品・医療機器に関する知識

臨床開発職には、医薬品や医療機器に関する幅広い知識が求められます。特に、薬理学、薬物動態学、臨床薬理学などの知識は必須と言えるでしょう。
 
関連する法規制や倫理指針についての理解も欠かせません。常に最新の知見をアップデートしていく姿勢が大切です。
 

治験に関する知識・経験

治験の計画立案から実施、データ解析まで、一連の流れを理解している必要があります。
 
GCPをはじめとする治験関連の規制や手順についての知識も求められます。治験業務に携わった経験があれば、より実践的なスキルを身につけられるでしょう。
 

データ分析・統計解析能力

治験で得られたデータを適切に解析し、評価する能力が求められます。
 
統計学の知識と経験が必須ですが、データの特性を見抜く洞察力も重要です。解析ソフトの使い方など、実務に即したスキルを身につけておくと良いでしょう。
 

コミュニケーション能力

臨床開発職は、社内外の様々な関係者と連携しながら業務を進めていきます。特に治験の実施では、医療機関のスタッフとの円滑なコミュニケーションが欠かせません。
 
自分の意見を分かりやすく伝えるスキルと、相手の意見を適切に理解する力の両方が求められます。
 

問題解決能力

治験の実施には、様々な問題がつきものです。臨床開発職には、問題の原因を究明し、適切な解決策を立案する能力が求められます。
 
複雑な事象をシステマティックに捉え、論理的に思考していく力が重要だと言えるでしょう。
 

英語力

治験の計画立案や承認申請の場面では、英語力の高さが求められることが多いです。
 
海外の規制当局とのやり取りや、国際共同治験への参画などでは、ビジネスレベルの英語力が必要不可欠です。TOEIC800点以上のスコアを目指すと良いでしょう。


臨床開発職になるには?製薬会社で働く人の出身学部の傾向



臨床開発職になるためには、医学・薬学系の大学や大学院を卒業していることが望ましいでしょう。ただし、理系の学部であれば、専攻学科を問わずに製薬会社に就職するケースも少なくありません。
 
実際に製薬会社で働く人の出身学部を見ると、薬学部が最も多いですが、理学部、農学部、工学部出身者も一定数存在します。医学・薬学の知識は、入社後の研修等で補うことができるため、必ずしも専門知識がなくても臨床開発職への道は開かれていると言えます。
 
大切なのは、医薬品開発への強い興味・関心と、高い倫理観を持っていることでしょう。専門知識だけでなく、論理的思考力やコミュニケーション能力の高さもアピールできると、就職に有利になります。
 
なお、製薬会社への就職については以下の記事もご参考ください。
関連記事:製薬会社で働くには?就職対策・年収・向いている人の特徴を紹介


臨床開発職の仕事の魅力



臨床開発職は、やりがいの大きな仕事だと言えます。新薬の開発に携わることで、多くの患者さんのQOL向上に貢献できるのが大きな魅力の一つです。
 
また、最先端の医学・薬学の知見に触れられるのも、臨床開発職ならではの醍醐味でしょう。日々進歩する医療の世界で、常に新しい知識や技術を吸収できる環境は、学び続けたい人にとって魅力的だと言えます。
 
他にも、プロジェクトマネジメントの経験を積めたり、国内外の様々な関係者と交流できたりと、キャリアアップにつながる機会が多いのが特徴です。自分の可能性を広げたい人にとって、臨床開発職はうってつけの仕事だと言えるでしょう。


まとめ



本記事では、製薬会社の臨床開発職について、仕事内容や必要な能力、向いている人の特徴などを解説してきました。臨床開発職は、医薬品の安全性と有効性を確保するという重大な責任を負う仕事ですが、その分、やりがいも大きいと言えるでしょう。
 
医薬品開発に興味があり、高い倫理観とコミュニケーション能力を持つ人は、ぜひ臨床開発職への道を検討してみてください。専門知識の有無に関わらず、チャレンジする機会は十分にあります。臨床開発職として活躍することで、医療の発展に貢献し、多くの患者さんの笑顔につながる仕事ができるはずです。
 
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