組み込みエンジニアがきついと言われる理由は?転職のメリットや向いている人の特徴
組み込みエンジニアという職業は、高度な技術力が要求される上に、その道のプロフェッショナルとしての自覚が求められます。そのため、この分野が「きつい」「やめとけ」と言われることも少なくありません。
この記事では、組込みエンジニアが「きつい」と言われる理由を詳しく解説し、転職を考える際のメリットや、組み込みエンジニアに向いている人の特徴についても掘り下げていきます。
組み込みエンジニアが「きつい」「やめとけ」と言われる4つの理由
組み込みエンジニアが「きつい」「やめとけ」と言われる理由は、主に以下の4つが要因です。
- 残業や休日出勤が多い
- 仕様変更が多い
- 人手が不足している
- スキルアップのための勉強が欠かせない
残業や休日出勤が多い
組み込みエンジニアの仕事は、プロジェクトの納期に追われることが多く、その結果、残業や休日出勤が増えがちです。実際、dodaのデータによると、回路設計の平均残業時間は28.1時間となっています。
プロジェクトの性質上、一つひとつのタスクが高度な専門知識を要求され、その解決には時間がかかります。このため、想定外のトラブルや細かな調整が必要になった時、時間内に仕事を終えることが困難になるのです。
仕様変更が多い
組み込みシステムの開発は、顧客の要望に応じて頻繁に仕様が変わることがあります。これは、顧客が最終的な製品を想像しにくいため、開発途中での変更要求が多くなるからです。
仕様が変わると、これまでの開発成果を一部または全部見直す必要があり、それに伴う作業量の増加はエンジニアにとって大きな負担となります。
人手が不足している
組み込みエンジニアリングは高度な専門性が求められるため、この分野に精通したエンジニアは常に不足しています。その結果、プロジェクトごとに担当する業務量が多くなりがちで、一人ひとりの負担が増大します。
また、新しい技術を学ぶ必要性も高いため、日々の業務以外にも自己学習に費やす時間が必要です。
スキルアップのための勉強が欠かせない
組み込みエンジニアリングの世界は日進月歩で、新しい技術や言語が次々と登場しています。これらを追い続け、自身のスキルを常にアップデートしていくことは、組み込みエンジニアの仕事において必須です。
しかし、同時に仕事以外の時間も学習に充てなければならないというプレッシャーも感じやすいでしょう。
組み込みエンジニアに転職する5つのメリット
組み込みエンジニアに転職するメリットは、主に以下の5つです。
- 年収が高い
- 将来性が高い
- 市場価値が高い
- 一生モノのスキルを身につけられる
- やりがいや達成感を感じやすい
年収が高い
組み込みエンジニアの年収は、その高度な専門知識と技術力が評価され、一般的なエンジニア職と比較して高水準に設定されています。厚生労働省「jobtag」によると、年収は550.2万円です。
プロジェクトの成功に直結する重要な役割を担うため、その対価としての報酬も十分に期待できます。
将来性が高い
IoTの普及や自動運転技術の発展など、組み込みエンジニアの技術が求められる分野は年々拡大しています。これらの進展は組み込みエンジニアの需要をさらに高め、将来的な職業としての安定性や成長性が期待できるでしょう。
市場価値が高い
組み込みエンジニアとしての経験やスキルは、他の多くの技術職と比較しても特に市場価値が高く評価されます。そのため、転職市場においても有利な立場に立つことができ、キャリアの選択肢が広がります。
一生モノのスキルを身につけられる
組み込みエンジニアリングの知識や技術は、一度身につければ一生役立つものです。新しい技術が登場しても、基礎となる考え方やアプローチ方法は変わらないため、長期的なキャリア形成に非常に有利です。
やりがいや達成感を感じやすい
組み込みエンジニアは、製品の核となるシステムを設計・開発することで、直接的に製品の品質や性能に影響を与えます。そのため、プロジェクトが成功した時の達成感ややりがいは、他の職種にはない大きなものがあるでしょう。
組み込みエンジニアに向いている人の特徴
組み込みエンジニアに向いている人の特徴は、以下の5つです。
- モノづくりに興味がある人
- IoT分野に興味のある人
- 論理的思考力がある人
- コツコツと努力できる人
- コミュニケーションスキルがある人
モノづくりに興味がある人
組み込みエンジニアは、製品を形にするための重要な役割を担います。そのため、モノづくりへの情熱や興味がある人にとって、この職業は非常に魅力的です。
IoT分野に興味のある人
IoT技術の進展により、組み込みエンジニアの役割はさらに重要性を増しています。IoT製品の開発に興味がある人にとって、組み込みエンジニアは理想的なキャリアパスと言えるでしょう。
論理的思考力がある人
組み込みエンジニアは、複雑な問題を解決するための論理的な思考が必要です。
例えば、組み込みソフトウェアはリアルタイムで動作し、高い信頼性が求められます。そのため、開発過程で発生する問題を迅速かつ正確に分析し、解決しなければなりません。論理的思考力があれば、問題の本質を見抜き、適切な解決策を導き出すことができます。
コツコツと努力できる人
新しい技術や知識を習得するための努力や、細かな作業をコツコツとこなすことができる人は、組み込みエンジニアとして成功しやすいです。
組み込みエンジニアは、ソフトウェア開発の基礎知識に加えて、ハードウェアに関する知識やリアルタイム処理に関する知識など、幅広い専門知識・スキルの習得が必要です。これらの知識・スキルは、書籍を読んだり、研修に参加したり、実際に手を動かしてコツコツと学習を重ねることで身につけることができます。
コミュニケーションスキルがある人
組み込みエンジニアは、顧客やチームメンバーとのコミュニケーションが多い職業です。そのため、コミュニケーションスキルがある人は、プロジェクトをスムーズに進行させることができます。
組み込みエンジニアに関するよくある質問
ここからは、組み込みエンジニアに関して、よくある質問に回答していきます。
未経験でも転職は可能?
組み込みエンジニアへの転職は、未経験でも可能です。ただし、基礎知識や技術の習得には時間がかかります。独学や専門の学校での学習を通じて、必要なスキルを身につけることが重要です。
組み込みエンジニアになるための資格はある?
組み込みエンジニアになるための特定の資格はありませんが、関連する技術や知識を証明する資格を取得することは有利です。
例えば、以下のような資格を持っていると有利になる可能性があります。
● ETEC(組込み技術者試験制度)
● エンベデッドシステムスペシャリスト試験
● 基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
● OCRES(OMG認定組込み技術者資格試験)
まとめ
組み込みエンジニアという職業は、高い専門性と技術力を要求される一方で、その分野のプロフェッショナルとして大きなやりがいを感じることができます。「きつい」と言われる理由や、転職する際のメリット、向いている人の特徴を理解することで、自身がこのキャリアパスを追求するべきかどうかを見極めることができるでしょう。組み込みエンジニアは、技術の進化と共にその需要が高まり続ける職種であり、将来性のある選択と言えます。
ワールドインテックのテクノ事業部では、技術者のキャリアアップ支援に取り組み続けることで確立した独自の採用・育成・定着の仕組みをもとに、スキルとマインドセットを持ち合わせた「エンジニア」を創出しています。組み込みエンジニアの仕事に興味のある方は、選択肢の一つとしてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。