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SIerの仕事内容とは?SEとの違いをわかりやすく解説

ビジネスにおいてシステム導入は欠かせませんが、その複雑さに頭を悩ませる企業も多いのではないでしょうか。
「どんなシステムが必要か分からない」
「導入後の運用が不安」など、悩みは尽きません。
 
そこで注目されているのがSIer(システムインテグレーター)です。SIerは、システムの提案から開発、運用まで一貫してサポートする会社のことです。本記事では、SIerの役割やSIerに向いている人などについて解説します。

目次

SIer(システム・インテグレーター)とは 



SIer(エスアイヤー)は、System Integratorの略称で、システムの開発や運用を事業サービスとして行う会社のことです。「SI」と略される場合もあります。
 
SIerは、システム導入を検討している企業の課題をヒアリングし、それを解決するためのITシステムを提案し、設計から開発、導入、保守・運用までを一貫して行う企業です。
 
例えば、小売企業の在庫管理をまとめて管理できるシステムを開発したり、製造業の生産ラインを最適化したりするシステムを構築したりします。
 
SIerは、単にシステムを作るだけでなく、クライアントのビジネスや課題を理解し、解決につながるIT戦略を立案する「ITコンサルタント」としての役割も果たします。


SIerの仕事内容や流れ



SIerの仕事は、クライアントの要望を聞き取るところから始まり、システムの設計、開発、導入、そして運用・保守まで多岐にわたります。
 
以下では、具体的な仕事内容やその流れを解説します。
 

要件定義

要件定義は、システム開発のスタート地点であると同時に、最も重要なステップです。クライアントの課題を真に解決できるシステムが開発できるかは、要件定義で決まると言っても過言ではありません。
 
ここでは、クライアントの業務内容や抱えている課題を詳しくヒアリングし、どのようなシステムが必要か、どのような機能が求められているかを明らかにします。
 
例えば、「月次の売上データを自動で集計し、グラフ化してほしい」「社員の勤怠管理をまとめて効率化したい」といったニーズを具体的な機能として定義していきます。
 
もし、要件定義でクライアントのニーズを履き違えたり、システムで実現が難しい機能を盛り込んだりすると、後々トラブルになるかもしれません。SIerは、ITの専門知識を活かしながら「クライアントがやりたいこと」を「システムができること」に翻訳する役割を果たしているのです。
 

システム設計

システム設計は、「要件定義」で定めた機能や条件を、実際のシステムとしてどのように実現するかを決める工程です。
 
まず、基本設計として、システム全体の構造や主な機能を決めましょう。例えば、Webシステムとするか、スマートフォンアプリにするか、どのようなサーバー構成にするかなどを検討します。
 
次に、詳細設計では、各機能の動作や画面遷移、データの流れなどを細かく設計します。また、データベース設計では、必要なデータをどのように保存し、関連付けるかを決めます。
 
ユーザーインターフェース(UI)設計も重要で、実際にシステムを使うユーザーの使いやすさを考慮しながら画面レイアウトを決定します。
 

システム開発

システム開発は、設計書に基づいて実際のシステムを作り上げる工程です。プログラミング、データベース構築、ユーザーインターフェース設計といった作業が行われます。
 
例えば、Webシステムの場合、HTMLやCSSでページのデザインを作り、JavaScriptで動きをつけ、サーバーサイドの言語(PHPやJavaなど)でデータの処理を行います。
 
また、データベースを設計し、必要なデータを保存・取得できるようにします。開発中は定期的にテストを行い、バグ(プログラムの不具合)を見つけて修正することが重要です。
 
大規模なプロジェクトでは、多くのメンバーやチームが同時に動くことになるため、進捗管理や品質管理も欠かせないでしょう。
 

システム導入

システム導入は、開発したシステムをクライアントの環境に実際に組み込み、稼働させるステップです。
 
まず、必要なハードウェア(サーバーやネットワーク機器など)を設置し、開発したソフトウェアをインストールします。次に、既存システムと連携させて、必要なデータを移行します。
 
同時に、クライアントの従業員がシステムを使いこなせるよう、マニュアルの作成や導入研修の実施によって、システムの使い方や業務手順の変更点などをわかりやすく説明することも重要です。
 
導入時には思わぬトラブルが起こることも多いため、SIerにはスピーディな対応が求められます。
 

システム運用・保守

運用・保守では、導入したシステムが安定して稼働し続けるようサポートします。
 
システム運用・保守におけるSIerの主な業務は、日々の監視やメンテナンス、トラブル対応、データのバックアップ、セキュリティ面のアップデートなどです。
 
また、クライアントから「この機能を改善してほしい」「新しい機能を追加してほしい」といった声があれば、システムの改修や機能追加も行います。
 
SIerはシステムを導入して終わりではなく、要件定義のときに掲げた課題をクライアントが解決できるまで、伴走していく必要があるでしょう。


SIerとSEの違い 



SIerとよく間違えられるのがSE(システムエンジニア)です。SIerとSEの違いをわかりやすく表にまとめました。

 

SIer

SE

意味

システムインテグレーター(企業)

システムエンジニア(職業)

役割

システム開発プロジェクト全体の統括と管理

システムの設計、開発、テストなどの技術的作業

範囲

要件定義から運用・保守まで幅広く対応

主に技術的な部分に特化

必要なスキル

プロジェクト管理能力、コミュニケーション能力、ビジネス知識、幅広い技術知識

ITに関する専門的な技術力、問題解決能力、論理的思考力、コミュニケーション能力


SEは「職業」を指す言葉で、要件定義やシステムの設計などの上流工程を行う個人のことを指します。つまり、SIerという会社に所属して働いている人がSEであることがあります。
 
SIerはプロジェクト全体を管理し、クライアントに代わってシステムの要件定義から運用・保守まで企業としてすべてを担いますが、SEはそのプロジェクトメンバーとして参画するイメージです。


SIerで働くのが向いている人の特徴



SIerにはどのような人が向いているのでしょうか。いくつか特徴を紹介します。
 

多様な人と関わるのが好きな人

SIerの仕事は、さまざまな人々との関わりの中で進められます。
 
クライアントの経営者や担当者、自社の同僚、協力会社のエンジニアなど、立場や専門性の異なる人々とコミュニケーションを取る機会が多くあります。
 
例えば、チーム内での進捗報告や問題解決のためのディスカッション、協力会社との作業調整など、日々さまざまな対話が必要になります。また、技術的な内容を非エンジニアにもわかりやすく説明できなければなりません。
 
人と話すことが好きで、相手の立場に立って考えられる人は、SIerの仕事を楽しみながら成果を上げられる可能性が高いでしょう。
 

常に新しいことに挑戦したい人

IT業界は技術革新のスピードが速く、SIerの仕事では常に新しい知識やスキルが求められます。例えば、以前まで主流だったオンプレミス(自社でサーバーを保有する)型のシステムが、今ではクラウドへと移行しつつあります。
 
さらに昨今では、AIやIoT(モノのインターネット)など、最新技術を駆使したシステム開発のニーズも生まれてきています。常に知識やスキルをアップデートし続けなければ、対応できないケースが多々あるでしょう。
 
クライアントの要望で、未開拓の分野へのチャレンジをお願いされるかもしれません。こうした変化を楽しみ、新しいことへの挑戦を喜びと感じられる人にとって、SIerの仕事はやりがいのあるものです。
 

チームで仕事をするのが好きな人

SIerの仕事、特に大規模なシステム開発プロジェクトでは、多くの場合チームで作業を進めます。プロジェクトマネージャー、システムアーキテクト、プログラマー、テスターなど、さまざまな役割を持つメンバーが協力し合って一つのシステムを作り上げていきます。
 
例えば、あるメンバーが設計した機能を別のメンバーが実装し、また別のメンバーがテストするといった具合に、それぞれの専門性を活かしながら連携して作業を進めます。
 
そのため、他のメンバーと協調して働けることが重要です。また、問題が発生した際には、チーム全体で解決策を考えたり、互いにサポートし合ったりすることも多くあるでしょう。
 
自分の担当範囲だけでなく、プロジェクト全体の成功を目指して行動できる人、他者の意見を尊重しながら自分の考えもうまく主張できる人など、チームワークを大切にできる人がSIerの仕事に向いていると言えます。
 

問題解決が好きで、論理的な思考ができる人

SIerの仕事は、問題解決の連続です。クライアントの抱える業務上の課題をシステムで解決したり、開発中に発生する技術的なトラブルを克服したりと、常に何らかの課題に直面します。
 
例えば、「大量のデータを高速に処理したい」という要望に対して、適切なアルゴリズムやデータベース設計を考案したり、「システムの応答が遅い」という問題に対して、ボトルネックを特定し改善策を講じたりします。
 
こうした問題解決には、論理的な思考力が欠かせません。問題の本質を見極め、原因を分析し、解決策を導き出す能力が求められるのです。
 
難しい問題に直面しても粘り強く取り組み、解決策を見出すことにやりがいを感じられる人は、SIerで活躍できるでしょう。


SIerになるには?就活に有利なスキル



SIerになるためには、技術面とビジネス面の両方でスキルを磨くことが重要です。
 

技術面のスキル

まず、技術面では次のようなスキルが求められます。
 

  • プログラミングスキル
  • データベーススキル
  • ネットワークスキル
  • インフラスキル
  • クラウド技術

 
まず基本となるのがプログラミングスキルです。Java、C#、Pythonなどの言語を習得し、実際にプログラムを書ける力が必要です。
 
次にデータベーススキルも重要で、SQLを使ってデータの操作ができることが求められます。ネットワークスキルも欠かせません。TCP/IPの仕組みやセキュリティの基礎知識などが必要です。
 
また、サーバーやストレージなどのインフラに関する知識も欠かせません。近年では、AWSやAzureなどのクラウド技術も必須となってきています。
 
ただし、これらすべてを完璧に習得する必要はありません。基本的な知識を幅広く持ち、得意分野を1つか2つ持っていれば十分と言えます。(※就職するSIerによって求められるスキルは異なります)
 
重要なのは、新しい技術に対する学習のモチベーションと、実際にシステムを作り上げる経験を積むことです。大学でのプログラミングの授業や、個人でのアプリ開発など、実践経験を積むことが就活では評価されるでしょう。
 

ビジネス面のスキル

SIerの仕事では、技術面のスキルだけでなく、ビジネス面のスキルも非常に重要です。
 

  • コミュニケーションスキル
  • プレゼンテーションスキル
  • ドキュメンテーションスキル
  • プロジェクトマネジメントスキル

 
コミュニケーションスキルはもちろん、プレゼンテーションスキルも重要です。システムの提案や進捗報告など、人前で説明する機会が多いためです。
 
また、ドキュメンテーションスキル、つまり文書を作成する能力も必要です。要件定義書や設計書など、いくつもの文書を作成する必要があるからです。
 
さらに、プロジェクトマネジメントスキルも欠かせません。大規模なプロジェクトでは、進捗管理やリスク管理、チームメンバーのタスク配分などが必要になります。
 
こうしたスキルは、大学でのグループワークやサークル活動、アルバイトなどの経験を通じて磨くことができます。また、インターンシップに参加することで、ビジネス現場でスキルを身につけられるかもしれません。


まとめ



SIerは、企業の課題をシステム面から解決するプロフェッショナルです。要件定義から設計、開発、導入、運用・保守まで一貫してサポートし、クライアントのビジネス成功に貢献します。
 
SIerで働く人には技術力とコミュニケーション能力、問題解決能力が求められる仕事であり、常に新しい技術とビジネストレンドへの適応が必要です。企業がデジタル化を進める現代では、SIerの存在はますます重要になっています。
 
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