安全性情報管理(PV)が難しいと言われる理由は?やりがいや向いている人の特徴も解説
医薬品の安全性を守るための重要な業務である安全性情報管理(PV)は、専門知識や医療従事経験、英語力が必要とされ、その複雑さと重要性が相まって「難しい」と言われることがあります。
この記事では、安全性情報管理の仕事内容や難しさ、やりがいと向いている人の特徴について詳しく解説します。
安全性情報管理(PV)の仕事内容
安全性情報管理はファーマコヴィジランス(PV)とも呼ばれ、医薬品の安全性に関する情報を収集、分析、評価し、適切な対応を取ることで、患者さんの安全を守る重要な役割です。
具体的には、医療機関からの症例報告書や臨床試験データ、患者からの報告などをもとに有害事象情報(副作用情報)の収集し、医学的・科学的に評価したうえで医薬品医療機器総合機構(PMDA)などの規制当局へ定期的に報告します。
安全性情報管理(PV)が難しいと言われる理由
安全性情報管理の仕事が難しいと言われる主な理由は、以下の2点です。
専門知識や医療従事経験が求められるから
安全性情報管理の仕事は、医学や薬学に関する深い知識が必要です。医薬品の副作用や有害事象に対する正確な理解、個々の症例の評価、そして治験や市販後の安全性情報を専門的に扱うためには、医薬系の学部を卒業したり、薬剤師などの資格を持っていたりする人が有利です。
また、患者の状態や添付文書の情報を読み取る能力も求められます。
英語力が必要だから
安全性情報管理では、海外の医薬品情報を扱うこともあるため、英語力が求められます。海外の研究論文や報告書を読み解く能力は、国際的な医薬品市場での業務において不可欠です。日常的に英語を使用するため、英語力の高い人材ほど活躍が期待できます。
医薬品開発業務に必要な英語スキルの向上を目的とした、国際共同治験等の実務上の英語力の指標となる治験実務英語検定試験などの合格を目指して勉強すると良いでしょう。受験目安としては、BasicはTOEIC400点以上、AdvancedはTOEIC600点以上となります。
参考:薬事日報 薬学生版|【日本CRO協会】CROは医薬品開発に不可欠‐パートナーとしてメーカーに提案
参考:一般社団法人 日本CRO協会|治験実務英語検定について
安全性情報管理(PV)のやりがい
- 安全性情報管理の仕事のやりがいは、主に以下の通りです。
- 患者の健康を守れる
- 英語や薬学のスキルが身につく
患者の健康を守れる
安全性情報管理の最大のやりがいは、患者の健康と安全を守ることに貢献できる点です。医薬品の安全性を監視し、リスクを最小限に抑えることで、より安全な医療環境の提供に寄与することができます。
間違いが許されないためプレッシャーは大きいものの、その分やりがいも大きいといえます。
英語や薬学のスキルが身につく
この職種では、英語や薬学に関する専門知識が自然と身につきます。日常的に英語の文献を読み、国際的な基準に基づいて業務を行うため、英語力の向上はもちろん、医薬品に関する深い知識や専門性が磨かれます。
英語や薬学のスキルはPVの仕事でより高度な業務に携わるために役立つため、身につけたスキルを磨くことでキャリアアップも図れるでしょう。専門性として評価され、収入アップにつながる可能性があります。
安全性情報管理(PV)に向いている人の特徴
安全性情報管理の仕事に向いている人の特徴は、以下の4つです。
- 理系の知識を持っている人
- 英語力がある人
- スピード感を持って正確に業務を行える人
- 勉強熱心な人
理系の知識を持っている人
医学、薬学、生物学などの理系分野の知識を持っている人は、安全性情報管理の仕事に向いています。
具体的には、以下のような理系の知識があると良いです。
- 生物学・薬学:有害事象情報の評価や分析、医薬品の安全性プロファイルの理解に役立ちます
- 統計学・疫学:収集した有害事象情報から統計的に有意な情報を見つけ出し、医薬品の安全性に関する結論を導き出すために役立ちます
- 化学:医薬品の製造過程や品質管理、有害事象の分析に役立ちます
- 数学:統計計算やプログラミングなどデータ分析や安全性情報の管理に役立ちます
- 情報科学:安全性情報の収集、分析、管理に役立ちます
医薬品の安全性を評価し、リスク管理のためには不可欠な知識です。
英語力がある人
国際的な医薬品市場での業務において、英語力は重要なスキルです。特に英語でのコミュニケーション能力が高い人は、活躍が期待できるでしょう。
英語力を向上させるために、日々の学習を怠らないことが重要です。
スピード感を持って正確に業務を行える人
情報を素早く整理し、期限内に処理を完了できる能力のある人は安全性情報管理の仕事に向いています。安全性情報管理の仕事では、重篤な有害事象が発生した場合に迅速な対応が求められます。
また、規制当局への報告は、法令に基づき期限内に完了しなければなりません。何よりも、医療従事者や患者さんの不安を解消するためにいち早く、かつ正確に業務を進める必要があります。
勉強熱心な人
安全性情報管理は、常に最新の医薬品情報や規制に対応する必要があるため、学習意欲の高い人が向いています。
安全性情報管理(PV)の仕事は、医薬品の安全性に関する情報の収集、分析、評価、対応を行う重要な業務です。日々新しい情報が発信されるため、常に最新の知識を学び続ける必要があります。新しい知識を習得し、業務に活かすことができる人は、この分野でのキャリアを築きやすいです。
まとめ
安全性情報管理(PV)は、医薬品の安全性を守るために不可欠な重要な業務です。専門知識や医療従事経験、英語力が求められることから「難しい」と言われることもありますが、その分やりがいは大きく、多くの人々の健康と安全を守ることに直接貢献できる仕事です。
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