新卒が正社員で工場に就職するメリット|向いている人の特徴は?
高校や大学を出て就職先を探すとき、選択肢の一つに挙がるのが工場です。
求人情報でも、新卒者の募集を見かけることがあるのではないのでしょうか。
「高校を卒業してすぐに工場で働けるのだろうか」「大学まで出たのに就職先が工場でいいの?」このようにさまざまな思いがあることでしょう。
工場の仕事にはいろいろなジャンルがあり、働くメリットもあります。
そこでこの記事では、新卒者が工場で働くことのメリットやデメリットを紹介します。
仕事の種類や、工場の仕事に向いている人の特徴もまとめたましたので、参考にしてください。
新卒が正社員で工場に就職するメリット
まずは、新卒で工場に就職することのメリットを見ていきましょう。
給料が比較的高い
工場で働く正社員の給料は、比較的高い傾向になります。
例えば、24時間稼働している工場で深夜に働けば夜勤手当がもらえ、繁忙期などに残業すると残業手当も付きます。
新入社員であっても各種手当が付くことで、同年代の収入よりも高い給料をもらえることもあるでしょう。
福利厚生が充実している
工場の仕事は、福利厚生が充実していることが多いのもメリットの一つです。
働く工場によって差はあるものの、以下のような手当が受けられる企業もあります。
- 入社祝い金
- 住宅手当や家賃補助
- 家族手当
- 健康診断の補助
- スポーツクラブの会員補助
- 結婚祝い金
- 出産祝い金
中には寮や社食を完備しているところもあります。
寮や社食を利用することで、家賃・光熱費・食費を安く抑えることも可能です。
資格取得の支援制度がある会社も
工場によっては、入社してから仕事のために資格や免許を取らなくてはいけないこともあります。
そんなときに役立つのが資格取得支援制度です。
工場では、特殊な技術や知識が必要な仕事も多いので、資格取得支援制度を設けていることもあるでしょう。
資格取得支援制度がある企業なら、資格取得にかかる費用を負担してもらえます。
学歴に関係なく実力次第で出世できる
工場の仕事の多くは、学歴に左右されないことも大きな魅力です。
他業種であれば、学歴によって入社時の待遇から出世にまで影響することもあるでしょう。
工場では実力次第で昇給も出世もかないます。
高卒であっても、頑張り次第で工場長や管理職になることも可能です。
新卒が正社員で工場に就職するデメリット
次に、新卒者が正社員で工場に就職するデメリットを紹介します。
体力が必要
工場の仕事の多くは、体力が必要です。
仕事中は立ちっぱなしで作業することも珍しくありません。
特に若いうちは、仕事を覚えるために現場で働くことも多いので、仕事がハードだと感じることもあるでしょう。
管理職になれば現場で働くことは少なくなりますが、現場で働き続ける場合は、年齢とともに仕事がつらくなる可能性もあります。
残業や休日出勤がある場合も
工場で働く場合、繁忙期になると残業が増えることがあります。
時には休日出勤しなければならないこともあるでしょう。
シフト制勤務の場合は、日によって日勤や夜勤が入れ替わるので、プライベートの予定が立てにくかったり、生活のリズムが崩れやすくなったりします。
大手メーカーであれば残業や休日出勤がないところもありますが、中小企業の場合は、残業や休日出勤の可能性もあると考えておきましょう。
精神的なストレスも多い
工場の正社員は、精神的なストレスも多くなります。
特に新入社員のうちは、パートやアルバイトの人と一緒に現場で働くこともありますが、同じ仕事をしていても正社員の方が責任も重くなります。
現場で働き続けるアパート・アルバイトと、これから出世して人を管理する立場になる可能性のある正社員との違いといえばそれまでですが、責任の重さが負担になってつらいと感じることもあるでしょう。
工場の業種
一言で工場といっても、扱っている商品のジャンルや仕事内容はさまざまです。
ここでは、主な工場の業種について確認していきましょう。
鉄鋼業
鉄鋼業は、建築物や産業機械、家電や自動車などさまざまな産業で使われる鉄鋼の製鉄・製鋼をします。
鉄鉱石とコークスを溶解する高炉メーカーや、屑鉄を電気炉で溶解する電炉メーカー、マンガン・ニッケル・クロムなどを添加した特殊鋼を扱う特殊鋼メーカーなどがあります。
電子部品製造業
電子部品製造業では、半導体・集積回路・液晶パネル・コネクタなどを製造します。
精密機器を扱うこともある電子部品製造工場では、ホコリや帯電を防ぐために、防塵服や防護服を着用してクリーンルームで作業を行います。
機械関連製造業
機械の部品や、部品を作るための金型などの製造を行うのが機械関連製造業です。
機械関連製造業では、取り扱う機械のジャンルも多岐にわたります。
- 工作機械
- 製造装置
- 検査機器
- 運搬機械
- 農機具
- 建設機械 など
輸送機械機器具製造業
輸送機械の製造やそれに付随する機器類を製造するのが、輸送機械機器具製造業です。
輸送機械機器具製造業には、以下のような産業があります。
- 自動車メーカー
- 航空機メーカー
- 造船会社 など
医薬品製造業
医薬品製造業は、医療用の医薬品や一般医薬品などの開発・製造を行います。
医薬品が作られるまでには、基礎研究・非臨床試験・臨床試験・承認申請・審査という工程があり、長い年月がかかる製品もあります。
食品製造業
食品製造業では、食品の加工・調理を行います。
扱っている商品は多岐にわたり、以下はその一例です。
- パン
- お菓子
- 弁当・総菜
- レトルト・インスタント食品
- 缶詰
- 冷凍食品 など
食料品は生活に欠かせないものなので、景気や経済状況に左右されにくい業種といえます。
工場の職種
工場にはさまざまな業種があるとお伝えしましたが、その仕事内容は大きく「製造ライン」「生産管理」「設備管理」の三つに分けられます。
それぞれの仕事内容を確認していきましょう。
製造ライン
製造ラインでは、製品の組み立て・加工・検査・仕分けなど、工程ごとに担当を決めて製品の製造を行います。
仕上がった製品を検査したり、発送できるように梱包したりするのも製造ラインの仕事です。
比較的簡単な作業が多く、作業手順はマニュアル化されているので、未経験者でも取り組みやすいでしょう。
生産管理
生産管理では、製品の製造に必要な部品を供給するのが仕事です。
部品が足りなくなると、製造ラインの流れを止めてしまうので、正確な部品の管理と供給が求められます。
扱う製品によっては、持ち運びが大変な重い部品もあるので、フォークリフトを扱わなければいけないケースもあるでしょう。
設備管理
設備管理は、製造ラインが正常に稼働するように、点検や修理を行います。
製造ラインの設備に不具合が起きたときの対処や日々のメンテナンスなど、特殊な知識や技術が必要です。
そのため、機械保全技能士や電気工事士などの資格が必要な場合もあります。
工場勤務に向いている人
工場の仕事には、向き不向きがあります。
条件面だけで判断して後で悔やまないように、工場の仕事に向いている人の特徴を押さえておきましょう。
ものつくりに興味がある人
ものづくりが好きな人や、ものづくりに興味がある人は、工場の仕事に向いています。
工場で働いていると、自分が携わった製品がかたちとなって仕上がっていく過程を見ることができます。
ものづくりが好きな人であれば、できあがった製品を見ることで、仕事にやりがいや達成感を得られるでしょう。
体力に自信がある人
工場の仕事は立ち仕事が多いので、体力が必要です。
立ちっぱなしの作業ができない人や体力に自信がない人には向きません。
同じ姿勢で作業を続けるので、中には肩こりや腰痛に悩まされる人もいます。
健康面に不安がないことや、自分の体をしっかりメンテナンスできることも重要なポイントです。
コツコツ作業を続けられる人
工場の仕事は、主に単調な作業の繰り返しです。
製造ラインや生産管理の仕事は簡単なものが多く、同じ作業の繰り返しに飽きてしまう人もいるでしょう。
設備管理の場合は、異常がなくても決められた項目の点検を怠らず、メンテナンスを続けなくてはいけません。
こういった作業を日々コツコツ続けることが苦にならないという人は工場の仕事に向いています。
コミュニケーションが不得意な人
工場では、基本的に自分の仕事を淡々とこなすことになります。
黙々と作業したい人や人との関わりが苦手な人でも、他者に煩わされることなく、自分のペースで働けるでしょう。
正社員として管理職を目指すのであれば、ある程度のコミュニケーション能力は必要ですが、まずは現場で工場の仕事や雰囲気に慣れることで、徐々にコミュニケーション能力を鍛えていくことも可能です。
新卒者が工場で働くなら大手のメーカーを狙おう
工場で正社員として働くとはいっても、就職先によって給料や待遇は大きく変わってきます。
せっかく正社員として働くのであれば、できるだけ良い職場で働きたいものです。
新卒で工場の仕事をするのであれば、おすすめなのは大手メーカーの工場です。
大手のメーカーであれば、雇用が安定しているので、将来的に職を失うリスクも低くなります。
また福利厚生が充実していることが多く、働きやすい環境が整っている企業が多いのも大手メーカーでしょう。
「大手であれば絶対に安心」という時代ではありませんが、それでも不要なリスクを避け少しでも良い条件で働くのであれば、大手メーカーの工場を狙う方が得策です。
まとめ
新卒で工場に就職すると、パートやアルバイトの人と一緒に働く中で、精神的なストレスを感じることもあります。
しかし、もらえる給料が高く、福利厚生が充実していて長く働きやすいといったメリットもあります。
工場で扱っている商品にはいろいろなジャンルがあるので、少しでも興味を持てる分野の工場で働けるように努力しましょう。
その際、給料や福利厚生面で優遇されることの多い大手メーカーを狙うのも一つの選択肢として検討してくださいね。