棚卸に適切な時期っていつ?作業手順や効率化のポイントを紹介!
棚卸は、短期のアルバイトとして人気の仕事です。
これから挑戦したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし常時募集しているわけではないので、なかなか求人を見つけられないという声も耳にします。
棚卸のアルバイトをしたいのであれば、募集のタイミングを抑えておくことが大切です。
この記事では、棚卸が行われる時期や業種別の棚卸の特徴を紹介します。
棚卸を効率化するポイントもまとめているので、参考にしてください。
棚卸とは
棚卸とは、店舗や商品の在庫数を数えて把握するための作業です。
期間限定のアルバイトを募集しているのを、見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。
棚卸のアルバイトは、在庫の数を数えるというシンプルな業務なので、未経験者でも気軽にできるのが魅力です。
ひたすら数を数え続けるという単純作業が続くので、なかには「つまらない」と感じる人もいるでしょう。
在庫の数が多いとその分拘束時間も長くなるので、さらに負担が大きくなります。
棚卸は、企業の損益を把握するために欠かせない業務です。
仕事自体は簡単ですが、素早く正確に数えるスキルが求められます。
コツコツ根気よく作業できる人に向いているでしょう。
棚卸の目的
棚卸の主な目的は以下の通りです。
- 適切な在庫数の管理
- 滞留在庫や不良在庫の確認
- 商品の整理整頓
各項目について詳しく見ていきましょう。
適切な在庫数の管理
棚卸は、在庫管理を適切に行うために必要です。
帳簿の在庫数と実際の在庫数に差異があれば、原因を突き止め修正しなくてはなりません。
在庫管理に問題がある場合は、同じミスが起きないよう業務フローの改善も必要です。
棚卸をすることで在庫数を把握するとともに、在庫管理の仕方が正しいのかを見直すきっかけにもなります。
滞留在庫や不良在庫の確認
棚卸をすることで、いつまでも売れ残っている商品や、不良品の発見に繋がります。
滞留在庫や不良在庫などは、いつの間にか倉庫の奥に追いやられている場合もあるでしょう。
長期間売れ残っている商品であれば、処分も検討しなくてはなりません。
滞留在庫や不良在庫を発見して対処するのも、棚卸を行う目的の一つです。
商品の整理整頓
棚卸をする時は、店頭や倉庫にある在庫を数えやすいように、整理整頓を行います。
定期的な棚卸をすることで、日常的な業務では行き届かない部分も整頓できます。
業種別の棚卸の特徴
棚卸は、業種によってチェックする在庫や大変なポイントが違います。
ここでは、業種別に棚卸の特徴を確認していきましょう。
紹介する業種は以下の通りです。
- アパレル
- 雑貨店
- 薬局
- スポーツ用品店
アパレル
アパレル関係の商品は、流行に左右されやすく、販売期間が短いことが特徴としてあげられます。
売れ残った商品が次のシーズンに売れるということはまずありません。
こまめに棚卸を行い、適切な在庫管理を行うことが重要です。
店舗によって違いはあるものの、多いところでは毎月棚卸をしているところもあります。
売れ残っている商品があれば、セールで売り切るといった対処も必要でしょう。
雑貨店
雑貨店の棚卸は、在庫が多いという特徴があります。
扱っている商品の大きさや材質も様々で、管理が大変です。
店舗によっては、高い場所に商品を置いていたり、独特なディスプレイで数えにくいというケースもあるでしょう。
文房具などの細かいものから、インテリア家具など大きなものまで、網羅的に棚卸する必要があります。
薬局
薬局の棚卸では、薬の在庫を数えるほかに、使用期限を確認しなくてはいけません。
小さな錠剤を数えることにも神経を使いますが、粉薬や軟膏ツボなどは目分量で在庫を判断することもあります。
自信がないときは計りを使いましょう。
ジェネリック薬品が増えていることもあり、似たような薬がたくさんあります。
類似品と間違えないように、集中して作業しなくてはなりません。
スポーツ用品店
スポーツ用品店では、季節によって扱う商品がガラッと変わります。
ゴルフ用品やテニス用品は、オールシーズン販売していますが、冬季限定のスキー用品や夏季限定のマリンスポーツ用品などもあります。
季節限定の商品は、気候による影響が大きいのも特徴です。
たとえば暖冬で雪が少ない年は、ウィンタースポーツ用品の在庫が多くなります。
棚卸に最適な時期って?
棚卸は、年度末に行われる傾向があります。
年度末に棚卸を行うのは、棚卸で確認した在庫を棚卸資産として決算書に記載するためです。
3月が決算であれば3月末、6月が決算であれば6月末に棚卸をします。
このほか業種によっては、毎月棚卸することもあれば、年に数回行うこともあるでしょう。
棚卸には2つの方法がある
棚卸には、主に2種類の方法があります。
- 実地棚卸
- 帳簿棚卸
それぞれの特徴や違いを確認していきましょう。
実地棚卸
実地棚卸は、店舗や倉庫にある商品や材料などの在庫を、実際に数える方法です。
数量のほかに品質のチェックも行います。
商品が売れるたびに在庫の数が変わるので、店舗営業中は棚卸作業ができません。
実地棚卸を行うのは、営業時間外です。
実地棚卸が終わったら、帳簿の在庫数を修正しましょう。そして最終的な在庫価格を決める「在庫単価の評価」を行います。
評価方法には、定価法と原価法があります。
・低価法
取得原価と期末時価の、どちらか低い方の金額で評価するのが低価法です。
取得原価よりも期末の時価が低いときは、評価損となります。
評価損を認識しやすい保守的な会計方法といえるでしょう。
会計作業は複雑ですが、上場企業では原則として低価法を用いることが定められています。
・原価法
取得原価で在庫を評価するのが原価法です。
作業が単純なので会計作業の手間がかからないのがメリットです。
ただし評価損を見逃しやすく、正確な会計評価がしにくい点はデメリットとしてあげられます。
帳簿棚卸
帳簿棚卸は、在庫を出し入れする度に在庫管理表に記入して、帳簿上で在庫数をチェックする方法です。
営業中でも在庫数を把握できる点がメリットとしてあげられます。
また帳簿棚卸であれば、棚卸のために店舗を早く閉めたり、営業時間を短縮する必要がありません。
いっぽうで常に正確な帳簿記入が求められる点はデメリットとしてあげられます。
専属の経理担当がいるのであれば、帳簿棚卸は実行しやすいでしょう。
棚卸を効率化するポイント
棚卸作業は経験の浅いアルバイトに任せることもあるため、企業側は効率化する努力も必要です。
棚卸作業を効率よく行うために以下のポイントがあげられます。
- 監理ラベルにチェックランを設ける
- シールで目印をつける
- 作業マニュアルを作る
- 棚卸終了後は作業手順を見直す
- 在庫管理システムを利用する
各項目の詳細を解説します。
監理ラベルにチェック欄を設ける
棚卸を効率化するために、管理ラベルにチェックできるスペースを設けましょう。
在庫を確認したら、その都度管理ラベルのチェック欄にチェックを入れます。
こうすることで、在庫のチェック漏れを防げます。
数年分のチェック欄を作っておけば、過去分の棚卸も管理できます。
シールで目印をつける
チェック欄を作る代わりに、確認済のシールを貼るのもおすすめです。
1週目の棚卸で目印のシールを貼っておけば、2週目の棚卸ではシールの貼っていない品物だけを探してチェックできます。
最初の年に赤いシールを使ったら次の年は青シールにするなど、シールの色を変えることで、いつの棚卸でチェックされているかも確認できます。
作業マニュアルを作る
業務マニュアルを作成することで、だれが棚卸しても同じ手順で作業できます。
棚卸の規模が大きくなるほど、複数の人が関わることになるため、人による判断基準の差も大きくなります。
作成したマニュアルは、棚卸前に周知させておきましょう。
全員がマニュアル通りに棚卸を行えば、時間のロスやチェック漏れなどのミスも減らせます。
棚卸終了後は作業手順を見直す
棚卸が終わったら、棚卸の運用方法を見直しましょう。
棚卸には、リストの作成からはじまり、実地棚卸作業、結果の集計、台帳への反映といった工程があります。
それぞれの工程ごと手順や運用方法の見直しを行うことで、棚卸作業の改善点が見つかることもあるでしょう。
作業手順や管理方法を見直すことで、次の棚卸作業がよりスムーズに進められるはずです。
在庫管理システムを利用する
在庫管理システムを利用するのも一つの方法です。
棚卸の工程をすべて手作業で進めるのは、負担が大きくミスも増えます。
在庫管理システムである程度自動化することで、棚卸にかかる時間や人件費を大幅に削減可能です。
在庫管理システムには、QRコードやICタグを用いたスマホアプリやクラウドシステムなどもあります。
自社に適したシステムを選びましょう。
まとめ
棚卸が行われる時期は企業によって変わりますが、多くの場合年度末の決算前に行われます。
資産として計上しなくてはならないので、正確な作業が求められます。
これから棚卸のアルバイトをする人は、責任をもって棚卸作業に取り組みましょう。
棚卸を依頼する企業の方は、だれが棚卸をしても同じように作業できるようにマニュアルを作成しておくことも大切です。
今回紹介した「棚卸を効率化するポイント」なども参考にして、スムーズに棚卸を進められるように準備しておきましょう。