女性が夜勤で体調を崩さないためのポイント|夜勤のメリット・デメリットを理解しよう!
24時間フル稼働している工場では、交替勤務のほかに、日勤専属や夜勤専属といった働き方を選ぶことができます。1999年に改正された労働基準法により、工場での深夜勤務が原則、女性でもできるようになりました。しかし、稼ぎの良い夜勤をやってみたいけど、できるかどうか不安に思う女性も少なくありません。今回は、女性が夜勤で働くメリットとデメリット、体調管理のポイントについて紹介します。
夜勤ってどんなシステム?
一口に夜勤といっても、働き方として2パターンあります。
- 夜の時間帯のみの勤務を担当するパターン(夜勤専属)
- 昼と夜を一定期間ずつ担当するパターン(交替勤務)
夜の時間帯のみを募集している業界として、パンや冷凍食品などの食品関連や、お弁当やお惣菜を作り、スーパーなどに届ける配送業があります。
一方、昼・夜を交替制で行う業界として、介護施設や病院、宿泊施設、コンビニなどがあります。交替勤務の形態として、2交替制と3交替制に分かれます。
2交替制と3交替制の違い
昼と夜を交替制で行うケースでは、さらに2交替制と3交替制に分かれます。
2交替制は24時間の仕事を12時間ごとに分けて働きます。しかし、労働基準法で1日の法定労働時間は8時間と定められているため、1カ月単位もしくは1年単位での変形労働時間制を採用する工場や、労使間で36協定を結んで残業を行う工場もあります。
拘束時間が長くなるものの、その分休憩時間が多くなり、3交替制よりも多く稼げるのが特徴です。2交替制の一般的な勤務時間として、日勤7時~19時、夜勤19時~7時となっています(休憩時間や残業時間を含む)。
3交替制は24時間を8時間ずつ交替して働きます。3交替制の一般的な勤務時間は、日勤8時30分~17時30分、準夜勤は17時~2時、夜勤は1時~9時となっています。3交替制は残業が少なく、2交替制よりも身体への負担も少ないのが特徴です。
休みの切り替えのタイミング
夜勤には3交替と2交替がありますが、休みの切り替えのタイミングはどのようになっているのでしょう。
2日出勤して2日休むローテーションを「2勤2休」、3日出勤して3日休む形態を「3勤3休」といいます。夜勤の後は、必ず24時間以上の休みを入れなければならないため、夜勤の後に日勤が続くことがないように、ローテーションが変わるタイミングで、休日をはさむのが一般的です。
2交替勤務で土日休みの場合、A勤務(日勤)月火水木金 ➡ 土日休み ➡ B勤務(夜勤)月火水木金➡土日休み、となります。
3交替勤務で、3勤務2休だと、a勤務(日勤)月火水 ➡ 木金休み ➡ b勤務(準夜勤)土日月 ➡ c勤務(夜勤)火水木 ➡ 金土休み、となります。
企業によってローテーションの組み方が異なります。
女性が夜勤で働くデメリット
女性が夜勤で働くデメリットから見ていきましょう。昼夜逆転生活となる夜勤のリスクを知っておくと、いろいろと対策ができるようになります。デメリットは以下の通りです。
【女性が夜勤で働くデメリット】
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夜勤を続けると、生活習慣病やがんのリスクが高まります。ホルモンバランスが乱れるため、疲れやすくなり、肥満になりやすくなることも判明しています。友人や家族と生活パターンが異なるため、一緒に過ごす時間が取りにくくなります。
生活習慣病などのリスクが高くなる
週1、2回程度の夜勤なら問題はないのですが、夜勤ばかり長期間続くと、生活習慣病のリスクが高まることが明らかになりました。
日本医療マネジメント学会の「夜勤をする看護職の食習慣と生活習慣の実態調査」によると、夜勤の看護師ほど、早食いが多く、生活リズムの乱れから朝食を摂らずに、夜遅い時間に食べるため肥満者が多い傾向にある、としています。肥満だと、糖尿病やがんなどの生活習慣病になりやすくなるため、注意が必要です。
アメリカの大学や研究機関も同様の報告をしており、夜勤が1、2年間続いた看護師は、日中勤務のみの看護師に比べると、2型糖尿病の発症リスクが上昇することが明らかになりました。
ホルモンバランスが乱れる
人間の身体には「体内時計」があります。「体内時計」は身体のリズムを整えてくれ、日中は心身ともに活動的になり、夜は休息状態になります。体内時計の働きで夜は自然と眠くなるようになっていて、朝日を浴びることでリセットされます。
夜勤は、通常お休みタイムである夜に活動を行うため、体内時計がうまく機能しなくなり、その結果としてホルモンバランスが乱れてしまいます。特に女性の場合、ホルモンバランスが乱れることで、生理不順や肌荒れ、不眠症など、さまざまなリスクを抱えています。
夜勤のトラブル対応
工場では、一般的に課長クラス以上の責任者は日勤となっています。夜勤は責任者が不在なので、トラブルが発生した場合、夜勤スタッフだけで対応しなければなりません。
深夜にトラブルが発生した場合、責任と連絡が取れないことも考えられます。連絡が取れたとしても、責任者がお酒を飲んでいて対応できないケースがあるかもしれません。
自分だけで何とかしなければいけない緊張感から、夜勤で働くことがストレスになることもあります。
友人や家族と時間が合わない
夜に仕事をして、昼間に自由時間を持つため、日勤の友人や家族と生活リズムがずれてしまい、時間が合わないことがあります。
休日も必ず土日が休みになるわけではないため、日勤で土日休みの友人と一緒に遊ぶには、前々から調整する必要があります。時間を合わせて家族旅行を予定していたとしても、繁忙期には急きょシフトに入らなければならないこともあります。
友人や恋人、家族との時間が合わないことを理由に夜勤で働くことを諦める女性もいます。
女性が夜勤で働くメリット
女性が夜勤で働くメリットは以下の通りです。
【女性が夜勤で働くメリット】
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何といっても、夜勤の魅力は給与が高いことです。たくさん稼ぎたい人にとって、おすすめの働き方といえます。通勤ラッシュの時間帯に行動する必要がなく、ストレスを感じることもありません。平日の昼間が休みなので、市役所やスポーツクラブ、人気スポットなどに行くときも、あまり混雑していないのがメリットです。
給与が高い
日勤と比べて給与が高い理由として、深夜の割増賃金があります。労働基準法によると、22時~5時の間、賃金が25%増し以上で支払う必要があります。
例えば、時給1,000円で3交替制8時間勤務だと、日給は時給1,000円×8=8,000円となるのに対し、夜勤(22時から6時)だと、時給1,250円×7+1,000=9,750円となり、1日1,750円の差が出ます。単純計算で21日間働くと、36,750円となり、かなりの開きが出ます。
夜勤は日勤よりも、効率的に稼げるため、短期間でたくさん稼ぎたい女性におすすめです。
通勤ラッシュを避けられる
夜勤で働くと、通勤ラッシュ時の混雑を避けることができます。通勤ストレスが解消されることは大きなメリットです。
大半の工場は郊外にあるため、交通渋滞にも巻き込まれることはありません。日勤の人が帰宅する時間帯を過ぎてから通勤することになるため、通勤ラッシュや交通渋滞とは無縁の生活を送ることができます。
通勤ラッシュから解放されたいと、夜勤を希望する女性もいるくらいです。
平日の昼間が使える
平日の昼間が自由に使えることは、生活する上でも大きいメリットがあります。例えば、市役所や病院などへ行くとき、夜勤だと有給休暇を取る必要がなくなります。スポーツクラブも日中割引を使うことができ、人気スポットや観光地も土日と比べるとそんなに混雑していません。
銀行も平日だとすいているので行きやすく、公園、図書館も昼間だとゆっくり使うことができます。さらに、平日の昼間を使って資格取得の勉強もでき、余裕があれば副業をすることだって可能です。
平日の昼間が使えるのは、大きなメリットといえます。
夜勤をする女性の体調管理のポイント
夜勤で働く女性は、体調管理を行うことが重要です。気を抜くと、太りがちになり、慢性的に睡眠不足になってしまいます。体調管理のポイントは以下の通りです。
【体調管理のポイント】
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昼間に眠ることになるため、質の高い睡眠を取ることを心がけてください。規則正しく食事をすることも大切です。仮眠を取る時間にも注意を払いましょう。
質の高い睡眠を取る
夜勤の場合は、午前中に睡眠を取ることが多くなります。質の高い睡眠を取るためには、部屋に光が入るのを遮断する必要があります。遮光効果の高いカーテンを取り付けるのも効果的です。
最近では、安眠できるアイマスクや耳栓、枕なども市販されています。効果的とうたわれている安眠グッズを積極的に活用するのもいいでしょう。
どうしても眠れないときは、ホットミルクなどの温かい飲み物を飲んで、身体を温めてください。アルコールを飲み過ぎると眠りの質が低下します。
午前中しっかり寝て、夜勤に備えましょう。
規則正しい食事をする
夜勤の女性は、生活リズムの乱れによって、体重が増えてしまいがちです。寝る前に食べ過ぎると大変です。夜勤明けで帰宅したときは、野菜や発酵食品を多めに摂り、規則正しい食事をしましょう。
食べてすぐ寝るのも禁物です。少し時間をあけて寝るようにしてください。焼き肉などカロリーが高い、ガッツリ系の食べ物は夜勤が始まる前に食べておき、夜勤の休憩時間は甘いお菓子ではなく、フルーツを摂るようにすると、体重増加を防止できます。
食事の時間を毎日決めておくことも大切です。
夜間の仮眠は15分以内にする
夜勤は身体的につらいといわれますが、夜間に仮眠を取ることで疲労感やストレスは軽減できます。夜間眠くなるのは体温が低下することが原因で、特に深夜3時~6時の間はもっとも眠気を感じ、作業効率が低下するといわれています。
仮眠は60分以上取るのがベストですが、航空整備士を対象とした研究によると、10分程度の仮眠でもパフォーマンステストの反応時間が早くなる、との結果が報告されています。
安全に夜勤を行うためにも、15分以内の仮眠を取るように心がけてください。
まとめ
夜勤で働きたい女性は、メリットとデメリットをしっかり把握した上で検討してください。夜勤で働くと決めた女性は、生活リズムや食生活の乱れによって肥満になったり、ストレスをため込まないように規則正しい食事と適度な運動を行ったり、体調管理に気を配りましょう。体が慣れないうちは大変ですが、工夫次第で快適に夜勤ができるようになります。