フォークリフトの講習内容|資格を持つメリットと取得方法を解説!
国家資格であるフォークリフト免許は、比較的容易に取得可能な上に取得さえすれば一生ものとなる、おすすめの資格です。フォークリフト免許を取得すると、工場や倉庫などでの重量物を扱う仕事に従事できるため仕事の幅が広がります。
この記事では、フォークリフト免許の取得方法や取得のメリットを紹介します。転職を有利に進めたい人や、キャリアアップを目指している人はぜひご覧ください。
フォークリフトの運転に必要な資格
工場・倉庫・空港・港では重量物を運ぶ仕事が多いため、一度に多くの荷物を運べるフォークリフトの需要は高いです。フォークリフトを扱うには普通自動車運転免許とは別に、フォークリフト専用の資格が必要です。
必要な免許の種類は、全部で4種類あります。公道を走る場合に必要な国土交通省が管轄する道路交通法に基づいた免許証が2種類と、事業場内で運転する場合に必要な厚生労働省が管轄する労働安全衛生法に基づいた免許証の2種類です。
このうち一般的に「フォークリフト免許」と呼ばれるのは、厚生労働省が管轄する事業場内において操作する場合に必要な運転資格です。事業所内限定でフォークリフトを扱える資格は、下記の通りとなっています。
免許証明 | 運転できるフォークリフトの種類 |
フォークリフト特別教育修了証 | 最大荷重が1t未満のフォークリフト |
フォークリフト運転技能講習修了証 | 全てのフォークリフト |
公道を走行する場合に必要な国土交通省が管轄する免許は、以下の2種類となっています。公道を走行する場合は、上記の資格を持っているだけでは不可であり、全く異なる免許証が必要です。
免許証名 | 運転できるフォークリフトの種類 |
小型特殊自動車免許あるいは普通自動車免許のいずれか | 小型特殊自動車に該当するフォークリフト |
大型特殊自動車免許 | 大型特殊自動車に分類されるフォークリフト |
フォークリフトを運転または操作する際は、事業場内であっても公道であっても資格または免許が必要であり、それぞれ異なる免許が必要となります。
フォークリフトの操作には資格が必要
事業場内でフォークリフトを運転する場合は、それぞれに必要な特別教育または技能講習を受けなければなりません。
- 特別教育:最大荷重が1t未満のフォークリフトを取り扱う場合
- 運転技能講習:最大荷重が1t以上のフォークリフトを取り扱う場合
特別教育修了者には事業者から「特別教育修了証」が配布され、技能講習修了者には厚生労働大臣が指定する機関から「技能講習修了証」が配布されます。特殊な重量物を扱わない場合は、テストのない1t未満の特別教育でも構いません。受講内容と受講資格は、以下の通りです。
- 18歳以上
- 費用15,000円前後
- 学科6時間
- 実技6時間
運転技能講習を受けテストに合格した人は、全てのフォークリフトを運転できます。運転技能講習の受講資格は18歳以上で、受講内容は申請するときに取得している免許や経験によって変わります。
講習時間 | 免除となる条件 | 必要な費用 |
35時間 | なし | 5万円半ば |
31時間 | 大型特殊自動車(限定)を取得している人 運転免許証(大型・中型・準中型・普通)を取得している人 | 4~5万円 |
15時間 | 特別技能講習を受けた人で、1t未満のフォークリフトの運転経験が6ヵ月以上ある人 | 2万円半ば |
11時間 | カタピラ限定を除く、大型特殊自動車特殊の所有者 | 2万円前後 |
11時間 | 特別技能講習を受けた人で、1t未満のフォークリフトの運転経験が3ヵ月以上の人の中で、大型特殊自動車(限定)か運転免許証(大型・中型・準中型・普通)を所有している人 | 2万円前後 |
「フォークリフトの特別教育を受けているか」「運転免許証を持っているか」「事業所内で操作経験があるか」の3点で免除される受講内容が異なるため、受講期間や費用が変わるのです。また、運転技能講習を実施しているのは、都道府県労働局長登録教習機関のみとなっており、設定しているコースは教習場によって異なります。
公道を走るのであれば特殊免許
公道を走る場合には道路交通法が適用され、上記で説明したフォークリフトの資格だけでは走行できません。公道を走る場合は運転免許証が必要であるとともに、以下の3点の条件が必要です。
- 荷物を積載していないこと
- ナンバープレートの掲示
- 自賠責保険への加入
公道では通常パレットの積載も認められていないため、少しの荷物であっても運搬は控えましょう。公道でフォークリフトの荷役作業を行う場合は、所轄警察署長または道路管理者の道路使用許可が必要です。公道での運転する場合は以下の2種類の免許があり、フォークリフトの種類によって異なります。
対象 | 小型特殊自動車に該当する フォークリフト | 大型特殊自動車に該当する フォークリフト |
要件 | 全長:4.7m以下 全幅:1.7m以下 全高:ヘッドガード等を含めた高さ2.8m以下、ヘッドガードを除いた高さ2.0m以下: 時速15kmを超えない車両 | 小型特殊自動車に該当しない車両 |
必要な免許 | 小型特殊自動車免許or普通自動車免許 | 大型特殊自動車免許 |
フォークリフトの資格の講習内容と取得方法
フォークリフト免許に必要な講習には、フォークリフト運転業務に係る特別教育・フォークリフト運転技能講習ともに学科教育と実技教育の2種類あり、それぞれに受講する必要があります。それぞれ免許の合格率は99%と高く、まじめに講習を受けていれば問題なく合格できるレベルです。
フォークリフト運転技能講習の場合は、試験が終了するとすぐに採点され結果が伝えられます。不合格の場合は補習を行い再試験となるため、やる気さえあれば不合格のまま終わることはほぼありません。
また、フォークリフトの資格を取得するまでの手順は次の三つです。
1. 申し込み・予約をする
2. 学科講習と学科試験を受講する
3. フォークリフト実技講習を受講する
フォークリフト講習は、各都道府県の労働局に登録された教育機関のみで受講が可能です、まずは申し込みをして予約をしましょう。労働局のホームページからフォークリフト講習を受けられる場所を確認できるため、場所が分からない場合は確認してください。
フォークリフト運転特別教育修了証(積載量1t未満)
実際の業務では荷重1t未満の場合が多いため、工場内での重量物の運搬や倉庫での荷物運搬などの多くの業務は、フォークリフト運転特別教育修了証を取得していれば行えます。
資格名 | フォークリフト運転業務に係る特別教育 |
受講資格 | 18歳以上 |
費用 | 1万5,000円前後 |
試験・講習内容 | 最短2日間 <学科教育>6時間 走行に関係するフォークリフトの装置の構造と取り扱い方法 荷役に関係するフォークリフトの装置の構造と取り扱い方法 運転に必要な力学に関する知識 関係法令(労働安全衛生法等) 修了試験なし <実技教育>6時間 走行の操作 荷役の操作 ※修了試験なし |
合格率 | 99% |
フォークリフト運転技能講習修了証(積載量1t以上)
実際の業務で1t以上の荷物を運ぶ印象が薄いことから、免許取得者は1t未満のフォークリフトに比べて少ないです。
世界最大のフォークリフトには60tクラスのものもありますが、特別教育を受けている場合は60tクラスを含む全てのフォークリフトが扱えるようになります。特殊な工事現場や工場の業務では必要としている職場も多くあるため、取得しておきたい免許の一つであるといえます。
資格名 | フォークリフト運転技能講習 |
受講資格 | 18歳以上 |
費用 | 2万円から5万5,000円 (取得している免許によって異なる) |
試験・講習 | 最短2日から最長5日 実技と学科合わせて最大35時間 <実技教育> 走行に関係するフォークリフトの装置の構造と取り扱い方法 荷役に関係するフォークリフトの装置の構造と取り扱い方法 運転に必要な力学に関する知識 関係法令(労働安全衛生法等) 修了試験あり <実技教育> 走行の操作 荷役の操作 修了試験あり ※取得している免許によって異なる |
合格率 | 99% |
フォークリフトの資格を取得するメリット
フォークリフトの資格を取得するメリットは、以下の通りです。
- 仕事の幅が広がる
- キャリアアップや資格手当の可能性がある
- 更新の必要がないので一度取得すれば一生使える資格
- 合格率99%と取得しやすい
- 仕事の需要がある
- あまり腕力を必要としない
フォークリフト免許を持っている人は「大量の荷物を扱う物流業界」や「機械や大きな部品の運搬が必要な建築業」をはじめ、空港や港の運搬業務など、需要が大きいです。
また、フォークリフト免許を取得しておくと、キャリアアップや転職を考えたときに有利に働くケースがあります。企業によっては資格手当が付くこともあるため、取得して損はしない、必要性の高い免許です。
さらに、フォークリフトオペレーターはそれほど腕力を必要としないことから、腕力に自信にない人や体力が衰えてきた年配の人でも無理なく取り組める業務の一つです。
まとめ
一般的に、フォークリフト免許には、1t未満のフォークリフトが取り扱える「フォークリフト特別教育修了証」と、全てのフォークリフトが取り扱える「フォークリフト運転技能講習修了証」があります。
資格取得には、2~5日間かかり、費用は2~5万円ほど要します、一度取得すると更新の必要がなく、一生ものとなる免許です。多くの荷物を運ぶ際に必要な需要の高い免許であるため、転職やキャリアアップに関心のある人は取得してみてはいかがでしょうか。