ライン作業はきつい?仕事内容と慣れるコツ・向き不向きを紹介!
工場のライン作業に興味はあるものの、「しんどいと聞いたことがある」「付いていけるだろうか」と不安を持つ人は多いのではないでしょうか。日常生活では工場に立ち入る機会がなく、仕事の実態がつかめないのも不安要素の一つでしょう。
この記事では、ライン作業で働くことを検討している人に向けて、仕事内容やきついといわれている理由、向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。
ライン作業の仕事内容とは?
ライン作業とは、製品を大量生産するための流れ作業のことを意味します。「ライン生産方式」と呼ばれる大量生産に向いた生産方式です。具体的には、ベルトコンベアから流れてくる部品の組み立てや原材料の加工、不良品の点検などを行います。
食品や化粧品、機械などの業種によって内容はさまざまですが、大きく以下の六つの工程に分けられます。
【ライン作業の主な仕事内容】
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ライン作業では、製造工程ごとに担当者を決め、複数人で一つの製品を作っていくケースが多いです。自分の担当箇所で流れが止まらないよう、一定速度で手を動かし続けることが求められます。
ライン作業はきついといわれる理由
ライン作業について検索すると「地獄」「きつい」などが関連ワードとして表示され、ネガティブなイメージを持つ人が多いことがうかがえます。ライン作業は辛い一面もありますが、楽しいと感じる場面もあります。きついといわれる理由を知り、自分が働けるかどうかを判断する材料にしてみましょう。
【ライン作業はきついと言われる理由】
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上記がライン作業はきついといわれる主な理由です。それぞれの理由について詳しく説明します。
立ち仕事で体力がいる
ライン作業は、基本的に立ち仕事です。工程によっては、同じ場所に長時間立ち続ける必要があり、腰や足に負担を感じる人もいるでしょう。同じ動きを休まずに繰り返すため、肩や腕など身体の一部が痛くなることもあります。場合によっては、重いものを何度も持ち上げるため、体力に自信がないと辛いかもしれません。
また、労働環境が暑かったり、寒かったりすることがあります。夏場の工場は最大で40~45℃まで温度が上昇します。一方で、冷凍庫での作業がある場合は、マイナス15℃の環境でしばらく作業を続けなければなりません。ある程度体力がないと身体が付いていかないでしょう。
スピード感に付いていけない
ラインのスピード感に付いていけないというのもライン作業がきついといわれる理由の一つです。ライン作業は、常にベルトコンベア上に物が流れてきている状態で、一つひとつに多くの時間をかけられません。コンベアの速さよりも自分の作業が遅いと遅れが出てしまい、ラインの流れを止めてしまいます。自分の工程で流れを止めてしまうと、次の工程の人に迷惑がかかるのではないかと不安になり、精神的な負担になります。
ただし、スピード感に付いていけないのは初めだけで、時間が解決してくれることがほとんどです。慣れてくればラインを止めないコツが身に付き、淡々とこなせるようになります。
単純作業で飽きる
単純作業に飽きてしまい、仕事がつまらないと感じてしまうケースもあります。ライン作業は、特にスキルは必要なく、ひたすら同じことを繰り返すのが主な業務です。単調な作業に飽き、時間が過ぎるのが遅く感じることが辛さの要因となっています。
また、作業に飽きると集中力が切れ、ミスにもつながります。単純作業とはいえ、一つのミスが大きな損失につながる可能性があるため、飽きないようにする工夫が必要です。逆に、単純作業を黙々とやるのが好きな人にとっては苦にならないでしょう。
ライン作業で働くメリット
ここまでライン作業の大変な点を挙げてきたため、「自分には無理かも」と感じた人もいるでしょう。しかし、ライン作業はメリットもある仕事です。長年にわたり、楽しく仕事をしている人もたくさんいます。では、ライン作業を仕事にするメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。主なメリットには、次の二つが挙げられます。
【ライン作業を仕事にするメリット】
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それぞれのメリットについて詳しく紹介します。
作業が簡単なので未経験者も働きやすい
ライン作業を仕事にするメリットには、作業が簡単な点があります。ライン作業の内容はシンプルで、特別な資格もいりません。誰でもできるようにマニュアルや教え方も整っているため、未経験者でも働きやすい仕事です。中にはスピードに付いていけるか不安に感じる人もいるでしょう。最初のうちは慣れない作業で時間がかかっても、同じ作業を繰り返すうちにスピードも速くなってくるため業務も楽にこなせるようになります。
また、アルバイトや派遣などの雇用形態で入ったとしても、仕事を続けているうちに正社員を目指せる場合があります。現場リーダーやマネジメントなど、未経験からキャリアアップを見込める点もメリットででしょう。
製品の知識が身に付く
製品の知識が身に付くこともライン作業のメリットです。工場によっては、日や週ごとに作業場所を交代することがあります。複数箇所を経験すれば、全体像を把握しやすくなります。製品が完成するまでの一連の流れを理解すれば、ライン作業者の管理を行うポジションへキャリアアップも目指せるでしょう。
他にも多くの経験を積めば、身に付けた製造技術を他社へ展開できるため、転職もチャレンジできます。ライン作業は、スキルの幅を広げられるやりがいのある仕事です。
ライン作業のきつい点を楽にするコツ
きついといわれているものの、ライン作業にはメリットも多いです。楽に作業できるコツがあれば、ライン作業が仕事の選択肢に入ってくる人もいるのではないでしょうか。ここでは、ライン作業を楽にするコツを3点紹介します。体力やスピードに不安があり、仕事に選ぼうか悩んでいる人は参考にしてみてください。
【ライン作業のきつい点を楽にするコツ】
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それぞれのコツについて、詳しく説明していきます。
無駄な動きをしない
まずはラインのスピード感に慣れ、付いていくことが仕事を楽にするポイントです。そのためには、無駄がないよう最小限の動きを心がけるとよいでしょう。例えば、作業の範囲をできるだけ狭くして手を伸ばす時間を減らしたり、材料の容器を斜めにして重力で常に手前にくるようにしたりと、さまざまな工夫で無駄を省くことができます。
最初のうちは無駄のない動き方が分からないと思うため、作業スピードの速い先輩の動きを真似しながら、効率的な動きを身に付けるのもよいでしょう。無駄な動きがなくなれば、体力も温存できるはずです。
自分なりの工夫を凝らす
単純作業が好きな人でも、長時間同じ作業を続けるには忍耐が必要になります。長時間の単純作業を乗り切るため、自分なりの工夫を凝らして楽しむことも大切な要素です。
例えば、もっと効率的に作業できないかを考え続けるのがおすすめです。作業者ならではの目線で気づきを提案すれば、現場リーダーや他の作業者からも喜ばれます。他の方法としては、楽しいことを考えるのもよいでしょう。次の休みの予定を考えたり、好きなことに思考をめぐらせたりしていれば、時間は早く過ぎていくはずです。
完璧を目指さない
100%を目指さず、多少のズレは気にしないこともポイントです。もちろんミスなく正確に作業をこなすことは大切ですが、わずかなズレを気にするあまり修正に時間を取られると、ラインに遅れが出てしまいます。他の作業者にも迷惑がかかるため、ほどよいバランス感覚でこなすことも重要な要素です。後の工程では検品もあるため、そこで問題がなければよしとする方が楽にライン作業に取り組めます。完璧を求めてしまう人は、意識しておくとよいでしょう。
ライン作業が向いている人の特徴
ライン作業には、向き不向きがあります。どのような人がライン作業に向いているのでしょうか。ここでは、ライン作業が向いている人の特徴を四つ取り上げます。
【ライン作業が向いている人】
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上記の特徴に当てはまる人は、ライン作業に辛さを感じにくく、楽しく働ける可能性が高いでしょう。それぞれの特徴について詳しく説明していきます。
単純作業が苦にならない人
単純作業が苦にならない人は、ライン作業に向いています。ライン作業は、同じことを何時間も繰り返す仕事です。単調な作業を辛いと感じる人もいる中、苦痛にならない人は向いているでしょう。また、同じ作業の繰り返しの中でどうすれば作業スピードを上げられるか、後工程で役に立てることはないかなど改善点を考えるのが得意であれば、同じ作業も単調ではなくなります。そのような工夫ができる人にも向いている仕事でしょう。
集中力がある人
ライン作業に向いている人として、集中力がある人が挙げられます。集中力がないと作業に遅れが出てしまい、ライン全体の流れを止めることも起こりえます。また、不良品を見逃す可能性があり、そのままお客様のもとに届いてしまうと会社の信用を下げることにもつながります。
一方で、集中力を維持できる人であれば安心して仕事を任せられるため、簡単な場所から責任のある場所まで多くの作業を経験することもできるでしょう。
一人の作業が好きな人
一人の作業が好きな人にも、ライン作業は向いています。ライン作業は、周りの人とコミュニケーションを取りながら進めることもありますが、それぞれの持ち場で黙々と作業することがほとんどです。ライン作業では、ミスしないことに加え、スピード感も求められます。そのため、仕事中は作業に集中する必要があり、基本的に他の人と話しません。沈黙が苦手な人にとっては辛い仕事ですが、自分の作業に没頭できる人には向いている仕事です。
要領よく作業ができる人
要領よく作業ができることもライン作業に向いている人の特徴です。ライン作業では、スピードが求められるため、いかに無駄なく効率的に取り組めるかが重要です。効率的に取り組むには、作業を改善できる部分がないか考え、工夫を重ねる必要があります。作業効率が上がれば、工場全体の生産性も上がり、感謝や評価もされやすいでしょう。改善点を考えるのが得意な人には、その姿勢が評価される環境であるため、向いています。
また、完璧にこだわりすぎるとライン作業を遅らせる原因になってしまいます。どれくらいで検品が通るかを見極め、ほどよいバランス感覚で取り組める人にも向いているでしょう。
ライン作業に向いていない人の特徴
ここまでライン作業に向いている人の特徴を取り上げてきました。一方、ライン作業に向いていない人にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは次の二つを取り上げます。
【ライン作業が向いていない人】
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上記の特徴に当てはまる人は、ライン作業に向いていない可能性が高いです。向いていない仕事を選ぶとやりがいを感じられず、ストレスがたまりやすくなります。無駄なストレスを避けるためにも向いていない人の特徴を把握しておくことは大切でしょう。それぞれの特徴について、具体的に解説していきます。
単純作業が苦手な人
単純作業が苦手な人は、ライン作業に向いていません。ライン作業は内容がシンプルで仕事を覚えやすい点がメリットですが、その分作業が単純です。現状よりも効率的に仕事を進める方法を探し、工夫しながら取り組める人でなければすぐに飽きてしまいます。慣れてしまえば新しいことを覚えなくてもよいメリットはありますが、逆に言えば新しいスキルを身に付ける機会が少ない仕事です。新しいことをどんどん覚えていきたい人にとっては満足できないでしょう。
体力に自信がない人
体力に自信がない人もライン作業に向いていません。「身体を動かす仕事をしたい」という理由でライン作業を仕事に選ぶ人もいるほど、ライン作業は体力を使います。作業場所によっては体を動かさないこともありますが、同じ場所を何度も往復したり、ライン作業で長時間手を動かしたりなどと身体を動かすことがほとんどです。体力に自信がなく、テキパキ動いたり、動きっぱなしを求められたりすることが苦手な人には辛いと感じるでしょう。
まとめ
ライン作業は、慣れるまでは辛いと感じることもあるかもしれません。しかし、身体の使い方のコツをつかんでくれば、ラインのスピードにも対応できるようになり、体力も消耗しづらくなります。何より未経験から挑戦でき、キャリアアップを目指せるのは大きなメリットです。
特に単純作業が苦にならない人や集中力がある人、一人の作業が好きな人はやりがいを持って働けるでしょう。きついといわれるライン作業も、向いている人には楽しい仕事です。興味のある人は、ぜひチャレンジしてみてください。