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クレーンの免許に種類はあるの?免許の種類やそれぞれの試験内容について徹底解説

目次

建設現場や工場で活躍するクレーン。周知の通り操作するためには免許が求められますが、取得することで業務範囲が広がり、収入ややりがいをアップさせることができます。

ここでは、クレーンとはそもそも何か、またクレーンの免許の種類や取得するメリット、難易度について説明します。クレーンについて興味があるものの、免許について詳しく分からない方はぜひお役立てください。



そもそもクレーンとは?


クレーンとは、動力で荷を吊り上げ、吊り荷を水平に運搬する機械装置のことで、移動式クレーンおよびデリック以外の総称です。


デリックとは

クレーンとデリックでは、荷の吊り上げ方が異なります。クレーンは油圧シリンダーやワイヤーなど使って荷を吊り上げますが、デリックはマストまたはブームを有し、原動機を別置してウインチで操作します。

クレーンに比べて、デリックの数は圧倒的に少なく、現在国内に200台ほどしか存在していません。


5種類のクレーンの免許


一口にクレーンの免許といっても、実は5種類あります。ここでは、それぞれの特徴や試験内容について解説します。


【5種類のクレーン免許】

  •   クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
  •   クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)
  •   クレーン・デリック運転士免許(床上運転式限定)
  •   移動式クレーン運転士免許
  •   揚貨装置運転士


クレーン・デリック運転士免許(限定なし)

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)を取得すれば、吊り上げ荷重が5トン以上の天井クレーン、橋形クレーン、ジブクレーン、ガイデリック、スチフレッグデリック、ジンポールなどの各種クレーン、デリックを運転できるようになります。

端的にいえば、この免許があればすべてのクレーン、デリックを操作できます。


試験について


難易度
合格率65.9%(令和3年)
受験資格

不要。ただし18歳以上になるまで免許は交付されない。

試験内容

・学科(5肢択一、40問/2時間30分)

①    クレーンおよびデリックに関する知識(10問)

②    原動機および電気に関する知識(10問)

③    クレーンの運転のために必要な力学に関する知識(10問)

④    関係法令(10問)

・実技

①    クレーンの運転

②クレーンの運転のための合図

合格基準

・学科

総得点が60%以上の得点率、各科目が40%以上の得点率で合格

・実技

減点の合計が40点以下で合格
試験日程
月1回程度(地域により異なる)
受験料
学科6,800円、実技11,100円



クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)は吊り上げ荷重5トン以上の天井クレーン、橋形クレーンなど各種クレーンを運転できます。クレーン限定のため、デリックの運転や操作はできません。


試験について


難易度

合格率57.7%(令和3年)

受験資格
不要
試験内容

・学科(40問/2時間30分)

①    クレーンに関する知識(10問)

②    原動機および電気に関する知識(10問)

③    クレーンの運転のために必要な力学に関する知識(10問)

④    関係法令(10問)

・実技

①    クレーンの運転

②クレーンの運転のための合図
合格基準

・学科

総得点が60%以上の得点率、各科目が40%以上の得点率で合格

・実技

減点の合計が40点以下で合格

試験日程

月1回程度(地域により異なる)

受験料

学科6,800円、実技11,100円



 クレーン・デリック運転士免許(床上運転式限定)

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式限定)を取得すれば、5トン以上の荷物を床上から操作するクレーンを操作できるようになります。5トン未満の場合はクレーン運転の特別教育を修了すれば操作可能です。


試験について


難易度

合格率45.5%(令和3年)

受験資格
不要
試験内容

・学科(40問/2時間30分)

①    クレーンに関する知識(10問)

②    原動機および電気に関する知識(10問)

③    クレーンの運転のために必要な力学に関する知識(10問)

④    関係法令(10問)

・実技

①    クレーンの運転

②クレーンの運転のための合図
合格基準

・学科

総得点が60%以上の得点率、各科目が40%以上の得点率で合格

・実技

減点の合計が40点以下で合格
試験日程

4月上旬ごろ、10月中旬ごろ(地域により異なる)

受験料

学科6,800円、実技11,100円



移動式クレーン運転士免許

移動式クレーン運転士免許を取得すれば、吊り上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを運転できます。ただし、一般道の通行をする場合には、別途運転免許証が必要です。


試験について


難易度

合格率64.2%(令和3年)

受験資格

不要。ただし、18歳以上になるまで免許証は交付されない。

試験内容

・学科(40~50問/2時間30分)

①    移動式クレーンに関する知識(10問)

②    原動機および電気に関する知識(10問)

③    移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識(10問)

④    関係法令(10問)

・実技

①    移動式クレーンの運転

②移動式クレーンの運転のための合図
合格基準

・学科

総得点が60%以上の得点率、各科目が40%以上の得点率で合格

・実技

減点の合計が40点以下で合格
試験日程

2カ月に1回程度

受験料
学科6,800円、実技11,100円



揚貨装置運転士

揚貨装置運転士の免許を取得すれば、制限荷重が5トン以上の揚貨装置(船舶に取り付けられたデリックやクレーン設備)を操作できます。


試験について


難易度

合格率80.5%(令和3年)

受験資格

不要。

試験内容

・学科(40問/2時間30分)

①    揚貨置に関する知識(10問)

②    原動機および電気に関する知識(10問)

③    揚貨運転のために必要な力学に関する知識(10問)

④    関係法令(10問)

・実技

①    揚貨装置の運転

②    揚貨装置の運転のための合図

合格基準

・学科

総得点が60%以上の得点率、各科目が40%以上の得点率で合格

・実技

減点の合計が40点以下で合格
試験認定

年に1~2回(地域により異なる)

受験料
学科6,800円、実技11,100円



技能講習が必要とされるクレーンの資格


免許を取得しなくても、技能講習を受けることで操作できるようになるクレーンの資格もあります。

以下の3種類の資格について、詳述します。


【技能講習が必要とされるクレーンの資格】

  •   小型移動式クレーン資格
  •   床上操作式クレーン資格
  •   玉掛け資格(1トン以上)


小型移動式クレーン資格

小型移動式クレーン資格を取得すれば、吊り上げ荷重が5トン未満の移動式クレーンを操作・運転できるようになります。


小型移動式クレーン資格を取得するための講習は、全国各地の都道府県労働局長登録教習機関などで行われており、取得場所に困ることはほぼありません。


床上操作式クレーン資格

床上操作式クレーン資格を取得すれば、工場などの天井に設置されているようなクレーンを操作できるようになります。ペンダントスイッチで操作できるクレーンのため、操作者が床の上でコントロールすることから床上操作式と呼ばれています。


玉掛け資格(1トン以上)

玉掛け資格(1トン以上)を取得すれば、クレーンのフックに荷を掛けたり、外したりする作業を行えるようになります。1トン未満の場合は、「玉掛け特別教育」の受講終了で玉掛けが可能ですが、1トン以上の場合は「玉掛け技能講習」の受講終了が必要です。


特別教育で取得できるクレーン資格


技能講習ではなく、特別教育を受けることで操作ができるようになるクレーンの資格もあります。

以下の二つの資格について詳述します。


【特別教育で取得できるクレーン資格】

  •   デリック特別教育
  •   跨線テルハ


デリック特別教育

デリック特別教育を受けることで、吊り上げ荷重0.5トン以上5トン未満のデリックの操作や運転ができるようになります。

クレーンに関する資格を保有しているとしても、クレーンとデリックの安全規則は全く異なるものが定義されており、デリックの操作や運転には特別教育による資格取得が必須とされています。


跨線テルハ

跨線テルハとは、荷物を積載した車両などを吊り上げ、線路を超えて運搬するためのクレーンのことです。路線テルハを操作・運転するには、特別教育により資格取得が必要です。


クレーンの免許・資格を取得するメリット


クレーン免許・資格を取得するとさまざまなメリットがあります。

クレーン免許は、工場や建設現場で活用できる資格の中でも比較的安く取得できますが、他の免許と組み合わせることで業務の幅が広がり、収入アップを目指せます。

また、クレーン操作は建設現場の中でも比較的体力が求められない職種です。そのため、体力に自信がない人でも挑戦でき、しかも年齢に左右されずずっと使える資格といえるでしょう。


まとめ


クレーン免許取得の難易度はそれほど高くないため、しっかり勉強すれば比較的短期間で取得することが可能です。資格取得のために多額の費用が求められるわけでもなく、一生使える資格であるため、工場や建設現場で勤務している方、これから働くことを考えている人は免許の取得を考えてみてはいかがでしょうか?




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