品質管理検定(QC検定)の難易度は?階級別の合格率と出題範囲を解説
品質管理検定(QC検定)とは、製品・サービスの品質管理知識や手法が身に付いているかを測る検定です。4級~1級まであり、4級の合格率は85%前後ですが、1級は5%程度と、級が上がるにつれ難易度がアップしています。本記事でそれぞれの級の出題内容や、合格率に基づいた難易度を把握しましょう。
品質管理検定(QC検定)とは
品質管理検定とは
品質管理検定とは、製品やサービスの品質管理の知識や手法を問う検定です。Quality Control(品質管理)を省略して、QC検定とも呼ばれています。検定の勉強を通じて、品質管理に必要な知識や用語、データ分析方法、品質管理手法が学べます。
品質管理検定の概要
品質管理検定の試験日や、受験料など概要を下表にまとめました。
受験資格 | なし。誰でも受験可能 |
設定級 | 4級~1級 |
受験料 | 4級:3,960円 3級:5,170円 2級:6,380円 1級:11,000円 ※団体割引や、併願受験料の設定があります。 |
試験方式 | 4級~2級はマークシート、1級のみマークシートと論述 |
試験日程 | 毎年9月と3月(第35回は2023年3月19日(日)、第36回は2023年9月3日(日)) |
試験会場 | 札幌市、苫小牧市、青森県、宮城県、秋田県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京23区、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡市、浜松市、豊橋市、西三河、名古屋市、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県、沖縄県 |
合格基準 | 1級:総合得点が概ね70%以上、手法分野と実務分野の得点がそれぞれ50%以上、論述方式の二次試験の得点が概ね70%以上の三つの条件をすべて満たす 2級・3級:総合得点が概ね70%以上、および手法分野と実務分野の得点がそれぞれ50%以上 4級:総合得点が概ね70%以上 |
品質管理検定4級の難易度
品質管理の入門編|品質管理検定4級
4級は初めて品質管理を学ぶ新入社員や、派遣社員、学生に向けた試験です。組織内における品質管理の基本をはじめ、社会人として最低限知っておくべき仕事の進め方や、品質管理用語を理解していることが求められます。
品質管理検定4級の出題範囲
品質試験管理4級では、企業活動の基本知識を問われます。具体的には、品質管理や改善、標準化、データ、検査、QC七つ道具などです。QC七つ道具とは、品質管理に用いる全7種類のグラフや表のことをいいます。また、4級に限り、品質管理検定4級の手引きから出題されます。手引きは公式サイトにて、無料でダウンロードできます。
合格率から見る品質管理検定4級の難易度
4級の合格率は、85%前後です。難易度はそれほど高くありません。出題範囲も限られていますので、手引きの内容をしっかり確認し、重要事項を覚えておきましょう。
品質管理検定3級の難易度
実務経験が必要|品質管理検定3級
品質管理検定3級は、職場の問題解決にあたる社員や、品質管理を学ぶ学生が対象です。4級で学んだQC七つ道具を用い、他者の支援を受けながら品質管理問題を解決できるレベルを目指しています。
品質管理検定3級の出題範囲
3級は4級よりも出題範囲が広がり、品質管理に関するデータの取り方やまとめ方、QC七つ道具の利用方法、品質管理の改善の進め方、問題解決手法などが問われます。過去問を利用し、出題傾向をつかみましょう。
合格率から見る品質管理検定3級の難易度
品質管理検定3級の合格率は、約50%です。4級よりも難易度が高くなっており、試験対策をしないと合格できないでしょう。また、3級では、出題分野を手法分野と実務分野に分け、ともに得点が50%以上でなければ合格できません。
品質管理検定2級の難易度
実践に活かせるレベルかどうか問われる|品質管理検定2級
2級は、品質管理において社員を導く立場の方が対象です。品質管理に関わる部署の管理職や、自部門の品質管理改善をリードする社員などが想定されています。自ら品質改善に取り組み、QC七つ道具と新QC七つ道具を含めた統計的手法を用いて、問題解決を図れることが目標です。
品質管理検定2級の出題範囲
3級と比べると、データ分析問題がより多く出されます。データの相関分析や回帰分析、統計的プロセス管理などが出題され、計算問題も多いです。必ず過去問で問題に慣れておきましょう。
合格率から見る品質管理検定2級の難易度
合格率は2019年、2020年は25%前後でしたが、2021年は46.7%と伸びています。しかし、いずれにしても合格率は50%を切っており、決して簡単な試験ではありません。また、3級と同様に、出題分野を手法分野と実務分野に分け、ともに得点が50%以上必要なため、2級の難易度は高いといえるでしょう。
品質管理検定1級の難易度
リーダーとして活躍できる|品質管理検定1級
品質管理検定1級では、会社における品質管理の指導者が対象です。品質管理のリーダーとして、複数部門に関わる品質問題をクリアできることや、専門分野において問題解決方法の方向性を見出せることを目指しています。
品質管理検定1級の出題範囲
品質管理に関わる、手法・実務知識の全般が問われます。一次試験と二次試験があり、一次試験は他の級と同様マークシート式の試験で、二次試験は論述方式での筆記試験です。論述の試験では、品質トラブルへの対処方法や、改善方法を回答する問題などが出されます。
合格率から見る品質管理検定1級の難易度
1級の合格率は年度によって幅があるものの、5%前後と非常に低いです。2019年は5%、2020年は8.1%、2021年は10.5%でした。品質管理の経験者にとっても、難易度の高い試験といえます。なお、合格条件も厳しく、2級・3級と同じくマークシートでは、各分野の得点が50%以上、論述式の二次試験は70%以上の得点が求められます。
品質管理検定の勉強方法
品質管理検定(QC検定)の試験勉強の一例を、下記に紹介します。
- 過去問を繰り返し解く
- 隙間時間を活用して用語を覚える
- 通信教育講座を活用する
特に3級以上の級では、過去問で出題傾向を把握することが重要です。計算問題が苦手な方は、徹底的に練習しておきましょう。最初は解くのに時間がかかるかもしれませんが、繰り返し練習することで、コツをつかめるようになります。単語の暗記も、単語カードを作ったり、赤シートを利用したり、暗記アプリを活用したりと、隙間時間をうまく使いましょう。
また、独学ではわかりにくい部分があれば、通信教育講座を活用するのもよいでしょう。時間のないなか勉強するのであれば、投資して、効率よく試験対策を進めるのもポイントです。
まとめ
品質管理検定(QC検定)は、企業・工場内での品質管理知識・手法を問う検定です。4級~1級まであり、勉強の過程で品質管理に必要な知識や用語、データ分析方法、品質管理手法を会得できます。4級・3級は学生や新入社員向けで試験の難易度はあまり高くありませんが、2級・1級は実際に企業内で品質管理を担当している人が対象のため、難易度が高めです。級によって品質管理検定の難易度は大きく異なるので、過去問を繰り返し解き、問題の傾向を把握しましょう。