工場勤務がおすすめの理由は?年収や福利厚生などの待遇面も解説
工場勤務には、ライン作業や検査、仕分け、梱包、機械オペレーターなど、さまざまな仕事があります。基本的には資格は不要なので、未経験でも始められます。また、家賃補助や昼食補助などの福利厚生、入社祝い金や深夜手当など各種手当が豊富です。本記事を読めば、工場での仕事や、工場勤務の平均年収、メリットなどを把握でき、工場勤務の概要を知ることができます。
工場勤務の主な仕事内容とは?
工場での仕事は、単純作業の繰り返しと思われがちです。しかし、工場の仕事は多岐にわたり、単純作業以外の仕事もあるのです。ここでは、工場勤務の代表的な仕事の内容と、どのような人に向いているかをお伝えします。
ライン作業
ライン作業とは、ライン上を流れてくる製品や部品に対応する仕事です。機械系の工場では、流れてくる製品を組み立てることが多く、食品関係の工場では食材の切り分けや盛り付けなどを行います。扱う部品や製品によっては、重労働になることや、資格が必要なこともありますが、基本的には簡単な作業の繰り返しがほとんどです。
こんな人におすすめ
マニュアルに沿って作業をするので、工場勤務初心者や、未経験者に向いています。また、細かな作業が好きな方や、同じ作業を繰り返す仕事をしたい方におすすめです。
検査
検査は、検品とも呼ばれ、製品に不具合がないかをチェックする仕事です。規定のチェック項目に従い、不良品の有無や異物混入、動作確認を行います。例えば、菓子メーカーでは菓子の形が正常か、欠けていないかなどを確認します。
こんな人におすすめ
不良品を見逃さない、小さな違和感に気付く注意深さがある方におすすめです。また、基本的にマニュアルに沿って検査・検品をしていくので未経験者でも働きやすいでしょう。工場内の他の仕事と比べ、重労働は比較的少なめです。
仕分け・梱包
仕分け・梱包作業は、軽作業の一種で、製品をジャンルごとに分け、梱包していく仕事です。仕分けと梱包を、それぞれ別の人が行うこともあります。仕分けは、出荷の前段階において、その後の作業をスムーズに進める要となる仕事です。梱包は出荷前に製品を箱詰めする作業であり、梱包状態が顧客の企業の信頼にもつながります。
こんな人におすすめ
製品を丁寧に扱う繊細さが求められるため、女性にも向いています。また、一人で黙々と作業ができるので、人と話すことが苦手な方にも向いているでしょう。
ピッキング
ピッキングとは、工場や倉庫内から必要な製品を選び、特定の場所まで運ぶ仕事です。用意されたリストに従い、必要なものをピッキングします。ピッキングする製品によっては高い場所にあったり、重いものだったりすると重労働になることもあります。工場の場合、ピッキングする製品が似通っていることがあるため、注意力が求められます。
こんな人におすすめ
基本的にリストにある製品を取ってくるだけなので、初心者に向いている作業です。また、時間内に必要なものをピッキングするため、効率良く動ける人がよいでしょう。適度に体を動かす仕事をしたいと考える、健康志向の方にもおすすめです。
機械オペレーター
機械オペレーターは、機械を操作し、製品や部品を作る仕事です。機械の操作だけではなく、設定や監視、制御なども機械オペレーターが行います。未経験でも働ける場合が多いのですが、仕事に慣れるにつれ、資格や専門的な知識を求められる可能性があります。
こんな人におすすめ
機械操作が好きな方におすすめです。また、未経験であっても積極的に知識を吸収し、機械について詳しくなろうという向上心があると、なお良いです。
フォークリフト
フォークリフト作業は、運搬用車両であるフォークリフトを操作し、製品や部品、資材などを運ぶ仕事です。運ぶものが高い場所にあったり、重たいものであったりする場合は、フォークリフトを活用します。フォークリフトを操作するには、フォークリフトオペレーター運転特別教育修了証と、フォークリフトオペレーター運転技能講習修了証の2種類の資格が必要です。資格が必要ないフォークリフトもありますが、原則必要になると考えておきましょう。
こんな人におすすめ
フォークリフトの運転が好き、得意であることを前提として、慎重さや丁寧さがある方に向いています。重量があるものを運ぶため、安全に配慮することが重要だからです。
管理業務
管理業務とは、生産管理や工程管理、品質管理、衛生管理など生産効率向上に関わる仕事です。例えば、生産管理では原料の仕入れ度合いや、人員数、人員配置などを計画・管理します。
こんな人におすすめ
仕事の全体から、細部まで気配りができる人が向いています。また管理業務には数値が欠かせませんので、データからの客観的な分析が得意な方も向いているでしょう。しかし、知識・経験が必要なため、正社員が担当することが多いです。アルバイトやパートから正社員を目指すのであれば、管理業務に就くことも可能でしょう。
工場勤務の年収はどれくらい?
国税庁の調査によると、工場勤務(製造業)の平均年収は516万円です。下記で、他業界と比較した際の工場勤務の平均年収や、雇用形態別の給料相場についてお伝えします。
他業界と比べた工場勤務の平均年収
下記は、国税庁の民間給与実態統計調査のうち、「1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与」の平成29年から令和3年をまとめた表です。
年号 | 平均給与(万円) |
平成29年 | 432 |
平成30年 | 441 |
平成31年 | 436 |
令和2年 | 433 |
令和3年 | 443 |
(参照:国税庁発行『令和3年分 民間給与実態統計調査』)
また、同調査の業種別平均年収を見ると、ライフラインに関わる電気・ガス・熱供給・水道業がトップで766万円、次いで金融業・保険業が677万円と平均よりも高めです。しかし、同じく生活を支える仕事である運輸業・郵便業は425万円、医療・福祉は407万円、サービス業は369万円と、平均年収よりも低めです。
一方、工場勤務の平均年収は、516万円であり、平均年収よりも高い傾向にあります。
雇用形態別の給料相場
工場勤務の雇用形態には、正社員、契約社員、アルバイト・パート、期間工があります。
正社員の月収は、30万円前後で、派遣社員は時給1,000円~2,000円、アルバイトやパートの時給は1,000円~1,500円です。また、期間工(短期勤務)は日給1万円前後と、派遣社員やアルバイトなどより給与相場が高くなります。シフトによっては給与相場の金額に夜勤手当が上乗せされ、工場によっては、入社祝い金や契約満了勤など各種手当が用意されています。
工場勤務の待遇はいいの?
待遇差はあるものの、工場勤務は各種手当が充実しています。製造業は慢性的な人手不足であり、一人でも多くの人に長く働いてもらうために、魅力的な待遇が用意されていることが多いです。入社祝い金や契約期間満了金などお金に関する待遇だけではなく、寮費無料や、家賃補助、昼食補助などのサポートも豊富です。下記では、よくある手当内容を解説します。
福利厚生
福利厚生とは、給与や賞与以外の報酬やサービスを指します。ここでは、工場勤務でよくある家賃補助や財形貯蓄制度などを解説します。
家賃補助
家賃の一部を支給する制度です。対象となる社員は、賃貸住宅に住む社員や、配偶者・子どもがいる社員など条件は企業によって異なります。支給額は、企業が抱えている社員数により変わります。厚生労働省の調査によれば、平成27年の平均は17,000円でした。
財形貯蓄制度
毎月、給与から一定額を金融機関に送金し、貯蓄する制度です。社員の貯蓄を補助する制度で、強制的に給与から引かれていくので、貯金が苦手な人にはありがたい制度といえるかもしれません。
借り上げ制度
企業が借りている部屋や社宅を、社員に貸し出す制度です。家賃の一部を企業が補助してくれる上に、家賃の支払先も企業であるため、不動産会社とのやり取りの手間が省けます。引っ越し時に住居を探したり、契約したりする必要もありません。企業側には、遠方に住む優秀な方を雇いやすくなるメリットがあります。
社員割引
社員割引は、自社商品を割引価格で購入できる制度です。対象商品やサービスなどは、企業によってさまざまです。割引率も企業によって異なり、例えば菓子であれば業務スーパーより安い値段で購入できるなど、社員にとっては大きなメリットといえるでしょう。
長期休暇
年次有給休暇とは別途に長期休暇を取れる制度で、夏季休暇や、お盆休暇などと組み合わせて長期休暇を取得できます。実際に求人情報を見ると、5日以上の連続休暇制度があることや、長期休暇の取りやすさをアピールしている工場もあります。工場では長期休暇取得時期をずらし、作業人員を確保しているようです。
昼食補助
企業が昼食代を補助する制度を、昼食補助制度といいます。社員食堂があったり、配送サービスを利用できるようにしたりするなど、補助内容は企業により違います。工場の立地によっては、最寄りの飲食店やコンビニまで距離があり、昼食をとるのが難しいこともあります。そのような立地の工場では、昼食補助制度が大きな利点となるでしょう。企業側にとっても、社員の健康増進につながるメリットがあります。
社員旅行
社員同士の交流と、モチベーションアップのために社員旅行を取り入れている工場もあります。社員旅行費として給与から天引きされるものの、企業側の補助があるため個人旅行よりが安く行けるのがメリットです。また、旅行先は海外という工場もあり、社員のやる気アップに一役買っています。
その他各種手当金
上記以外にも、下記のような手当金があります。
- 入社祝い
- 夜勤手当
- 残業手当
- 資格手当
- 休日出勤手当
その他に、期間工のような契約期間が決まっている雇用形態では、契約満了金や皆勤手当などが支給されることが多いです。工場勤務は各種手当金が手厚く、その分年収を高く見込めるのがポイントです。
未経験でもOK!メリットの多い工場勤務
引っ越し先で新しい就職先を探している方や、転職先を探している方に工場勤務はおすすめです。下記で、工場で働くメリットを三つお伝えします。
メリット1:未経験者も働きやすい
工場の仕事は、初心者や未経験者問わず求人情報が出されていることが多く、誰でも働きやすいです。また、仕事内容もマニュアル化されており、仕事を覚えやすいことが特徴です。特別な資格や経験が求められることも少ないため、初めて働くのでちゃんと仕事ができるのか不安な人や、学歴がネックで働く場所が絞られるという場合にも、工場勤務はおすすめです。
メリット2:年齢問わず活躍できる
工場勤務の仕事は、軽作業から体を動かすことが中心のものまで、さまざまです。そのため、年齢問わず活躍できます。工場の仕事は重労働、体力がいると思われがちですが、検品や梱包などの軽作業もあります。実際に、定年退職後の仕事として工場勤務を選んだ方や、副業として勤務しているサラリーマン、短時間だけ働く主婦や学生など、幅広い年齢層の方が働いています。
メリット3:プライベートを充実させやすい
シフトがしっかりと決まっており、残業が少ない工場もあるため、プライベートと仕事のメリハリをつけやすいです。一般企業では、家に仕事を持ち帰って作業する、急な休日対応の仕事があるなど、休みと仕事が判然としないことも多々あります。しかし、工場勤務は持ち帰り仕事も、急な休日対応の仕事もほぼありません。また、給与が他業種より高いので、プライベートにお金をかけて充実させることもできます。
まとめ
工場勤務には、ライン作業や検査、仕分けなどさまざまな仕事があり、重労働ばかりではなく軽作業もあります。基本的に、特別な資格は必要なく、初心者や工場勤務未経験者でも取り組めるため、転職先や副業先を探している方にもおすすめです。また、給与も平均年収より高く、福利厚生、各種手当金も多いので安心して働くことができるでしょう。