クレーン運転手の仕事内容とは?年収や資格の取得方法を解説
「クレーン運転手の資格ってなにがあるの?」「クレーン運転手の技能講習とは?」という疑問をもつ方に向けて、大型クレーン運転手の資格や小型移動式クレーン運転手の資格に必要な技能講習について解説します。また、クレーン運転手に向いている人の特徴も併せて説明しますので、興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
クレーン運転手の仕事内容
クレーン運転手は、工事現場や建築現場、港湾などでクレーン車を操縦し、人の手では動かせない重たいものを運搬・移動する職業です。また、クレーン車の操縦だけでなく、現地で関係者との打ち合わせや作業指示などの業務もあります。
クレーン運転手の雇用形態
クレーン運転手の雇用形態は、正社員や契約社員、アルバイトとさまざまですが、契約社員やアルバイトの場合でも、契約満了後に正社員として雇われるケースも少なくありません。
求人も週5日勤務から、1週間や1日のみの短期アルバイトまでさまざまな形態があるため、自身の希望に沿ったものを選ぶことができるでしょう。
平均年収・時給
クレーン運転手の仕事の平均年収は正社員で約358万円、月給に置き換えるとおよそ30万円が相場です。また、契約社員の平均時給は1,449円、アルバイトの平均時給は1,002円となっています。
大型クレーン運転手の資格
この章では、大型クレーン運転手の資格について説明します。
資格の種類
大型クレーン運転手の資格は、主に以下の4つの種類に分かれています。
クレーン・デリック運転士免許 【限定なし】
そもそもクレーンとは、「0.5t以上の荷を人力以外の力でつり上げる機械装置」「つり荷を水平に運搬する目的がある」という定義がされており、デリックは「動力を利用して荷をつり上げることを目的とした機械装置」です。クレーン・デリック運転士免許 【限定なし】を取得することで、つり荷の重さが5t以上でもすべてのクレーンとデリックの運転が可能になります。
クレーン・デリック運転士免許 【クレーン限定】
クレーン・デリック運転士免許 【クレーン限定】はその名の通り、つり荷の重さが5t以上でもすべてのクレーンの運転が可能ですが、デリックの運転はできません。
クレーン・デリック運転士免許 【床上運転式クレーン限定】
床上運転式クレーンとは、床上で運転を行いますが、運転者がつり荷と一緒に移動しないクレーンのことです。クレーン・デリック運転士免許 【床上運転式クレーン限定】を取得することで、つり荷の重さが5t以上でも床上運転式クレーンを運転が可能になりますが、無線操作式クレーンの操縦はできません。
移動式クレーン運転士免許
移動式クレーン運転士免許を取得することで、つり荷の重さが5t以上でも移動式クレーンの操作が可能になります。
試験内容
クレーン・デリック運転士免許の試験内容は統一されており、基本的に下記の通りです。
【試験時間】
13時30分~16時00分
1科目免除者:13時30分~15時30分
2科目免除者:13時30分~14時45分
【学科試験】
- クレーンおよびデリックに関する知識:10問(30点)
- 関係法令:10問(20点)
- 原動機および電気に関する知識:10問(30点)
- クレーン運転のために必要な力学に関する知識:10問(20点)
【実技試験】
- クレーンの運転
- クレーン運転の合図
※午前・午後で受験票に分けて記載されています。
また、クレーン・デリック運転士免許は、性別や年齢を問わず本人確認書類さえあれば誰でも受験資格を満たしているため、未経験でも取得が可能な資格です。
クレーン運転手の資格に必要な技能講習
クレーン資格の中でも、技能講習が必要になる3つのクレーンについて解説します。
小型移動式クレーン
小型移動式クレーンとは、つり上げ荷重1t以上5t未満の移動式クレーンのことで、技能講習として学科講習を13時間、実技講習を7時間受ける必要があります。難易度自体はそれほど難しくありませんが、受講費用として3万円程度掛かり、キャンセル待ちが出るほど応募が殺到する地域もあるので、受講する際は注意してください。
床上操作式クレーン
床上操作式クレーンは、工場の天井などに設置されているクレーンのことで、ペンダントスイッチで操作し、つり荷と一緒に運転者が移動する必要があります。
受講費用は所有している資格によって変わりますが、2~3万円程度となる場合が多いでしょう。ただし、床上操作式クレーンの技能講習を修了してもクレーンのつり上げ作業が可能になるだけで、荷物を動かすためには、下記で紹介する玉掛けの資格を取得しなければなりません。
玉掛け(1t以上)
玉掛けとは、クレーンのフックに荷を掛けたり外したりする作業です。玉掛けをする際には専用の用具が必要となり、万が一フックに掛けたつり荷が外れて事故が起きないように、有資格者のみが作業を行うことができます。
受講費用は2万円程度で、2日間の学科講習と1日の実技講習を受けなければなりませんが、クレーン作業には必須の資格であるため、必ず事前に取得しておきましょう。
移動式クレーンの運転にかかわる特別教育
移動式クレーンで重さ1t未満のつり荷を持ち上げるために運転・操作する場合は、「移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育」を修了する必要があります。
特別教育によって操作が可能になるクレーンは以下の通りです。
- 小型移動式クレーン
- クレーン運転特別教育
- デリック特別教育
- 跨線(こせん)テルハ
- 玉掛け(0.5~1tまで)
受講時間は学科・実技の両方で13時間程度となり、受講費用はおよそ12,000円なので、技能講習と比べて時間と経費を掛けずに習得することができるでしょう。
クレーン運転手に向いている人
クレーン運転手の仕事に興味はあるが、向いているか不安という方もいるのではないでしょうか。
この章では、クレーン運転手に向いている人の特徴について解説します。
コミュニケーション能力があり協調性に長けている人
クレーンを運転する際一番気を付けなければならないことは、事故を起こさないことです。そのためには、黙々と作業せず、常に周りを見て仲間とコミュニケーションを取りながら事故を防止する必要があります。
また、事前の打ち合わせや報告もクレーン運転手の重要な業務なので、協調性に長けコミュニケーションが上手な方は、クレーン運転手に向いているでしょう。
我慢強い人
クレーン運転手の業務は基本的につり荷の運搬がメインであり、毎日同じ作業の繰り返しとなることが多い傾向です。しかし、非常に重たいものをつり上げ、移動させることは責任が伴う業務であるため、集中力やストレスに対する我慢強さが求められるでしょう。
まとめ
クレーン運転手の資格は、一般的なクレーン資格から技能講習、特別教育と用途によってさまざまです。そのため、クレーン運転手の資格取得を目指している方は、自身の適性や目的に合わせて必要な資格を選ぶようにしましょう。