機械エンジニアにおすすめの資格とは?求められる能力や向いている人についても解説
「機械エンジニアの資格は何から勉強すればよい?」「おすすめの資格を知りたい」という方に向けて、機械エンジニアに関連する資格の詳細を解説します。また、機械エンジニアに求められる能力や向いている人の特徴についても紹介するので、ぜひ本記事を参考にしてください。
機械エンジニアの仕事内容
機械エンジニアとは、スマホなどの精密機器から車や飛行機などの重工業まで、幅広い機械の設計・製作・保守管理に携わる仕事です。製造現場の上流から下流まであらゆる場面にかかわるため、機械開発の手綱を握る重要な仕事と言えるでしょう。
企画・構想設計
企画・構想設計の段階では、商品企画によって生まれたコンセプトや自らの企画をもとに製品構造を設計します。一般的には、鉛筆などで書いたポンチ絵を作ることがほとんどですが、より具体的なモデルに仕上げる場合は、CADを利用するケースもあるでしょう。
基本・詳細設計
ある程度構想が固まると、より具体的かつ詳細な構造・仕様の設計に着手します。また、適正なコストであるか、機能性との両立が図れているかといった検討も必要です。
試作・評価
設計完了後、図面をもとに試作品を製作し、以下の項目が要件に対してどれだけ満たされているかをデザインレビューします。
- 機能性
- 安全性
- 操作性
- 耐久性
そして、問題が見つかれば修正するという試行錯誤を繰り返しながら、製品の質を高めていきます。
機械エンジニアに関するおすすめの資格
この章では、機械エンジニアに関するおすすめの資格を紹介します。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験の概要は、以下の通りです。
資格分類 | 民間資格 |
主催 | 一般社団法人 コンピュータ教育振興協会 |
証明できるスキル | 等級別に以下のスキルを有していることを証明する ● CADリテラシー ● 形状認識 ● 2次元図面からのパーツモデリング ● アセンブリモデリング |
受験資格の要件 | 3次元CAD利用技術者試験 ● 2級:要件なし ● 準1級および1級:2級合格者のみ
2次元CAD利用技術者試験 ● 基礎・2級:要件なし ● 1級:2級合格者のみ |
試験には、3次元CADと2次元CADの2種類の受験が可能ですが、機械エンジニアはどちらも利用する機会があるため、両方の取得を目指しましょう。
機械設計技術者
機械設計技術者の概要は、以下の通りです。
資格分類 | 民間資格 |
主催 | 一般社団法人 日本機械設計工業会 |
証明できるスキル | 等級別に以下のスキルを有していることを証明する ● 機械設計 ● 設計管理 ● 環境経営 ● 力学分野 ● 材料・加工分野 ● 環境・安全分野 |
受験資格の要件 | ● 3級:要件なし ● 2級:学歴に応じた実務経験が必要 ※ただし、3級取得者は資格の要件が緩和される ● 1級:学歴に応じた実務経験があるもの、または2級合格者 |
機械設計技術者の資格は、機械エンジニアに必要な知識を幅広い分野で活用できることを証明するものであり、有資格者の需要も高いため、就職・転職に有利に働くでしょう。
機械・プラント製図技能検定
機械・プラント製図技能検定の概要は、以下の通りです。
資格分類 | 国家資格 |
主催 | 中央職業能力開発協会 |
証明できるスキル | 等級別に製図や機械設計に関するスキルを有していることを証明 |
受験資格の要件 | 等級別に規定された実務経験を有する必要がある ※ただし、3級に関しては、検定職種に関連する学科在籍者や職業能力開発施設在籍、修了者などであれば実務経験は免除される |
機械・プラント製図技能検定に合格することで、機械やプラントを設計するために必要な能力を有している証明が可能なので、機械エンジニアを目指すのであれば取得して損はありません。
技術士(機械分野)
技術士(機械分野)の概要は、以下の通りです。
資格分類 | 国家資格 |
主催 | 日本技術士会 |
証明できるスキル | 機械分野で活躍できる高度な科学技術の知識・応用能力・実務経験を有していることを証明できる |
受験資格の要件 | 第1次試験: 要件なし 第2次試験:修習技術者または技術士補としての所定の実務経験を有する者 |
技術士の資格は、機械エンジニアとして高いスキルを有していることを証明できます。しかし、第2次試験を受験するためには、第1次試験の合格か、指定教育機関の課程修了後にある程度の実務経験が要求されるため、技術士の資格までの道のりは長い期間を要することを理解しておきましょう。
機械エンジニアに求められる能力
この章では、機械エンジニアに求められる能力について解説します。
機械工学の知識
機械工学は、機械の設計・製作に必要なスキルや知識を論理的にまとめられています。そのため、機械エンジニアを目指すのであれば、必要な知識と言えるでしょう。
電気工学の知識
現代の機械は、電気を動力として成り立つものばかりです。特に機械設計では、電気工学に関する幅広い知識が求められるため、事前に学習しておきましょう。
制御工学の知識
制御工学の知識も、機械の自律的な制御・動作を実行するためには欠かせません。また、精密機械から重工業で製作される機械まで、幅広く利用されている知識でもあります。
関連する法令への理解
製作した機械を市場で展開するためには、さまざまな法令・規則をクリアしなくてはなりません。そのため、自身が携わりたい分野の法令は必ずチェックしておき、常に最新の情報にアップデートし続ける必要があります。
CAE解析のスキル
商品試作の前段階でCAE解析をすることで、製作予定の製品の設計ミスや致命的な問題点を見つけられるでしょう。また、試作品を製作することなく評価の工程に移れるため、コスト削減や効率アップ、環境保護に役立つスキルです。機械エンジニアとして活躍したいのであれば、CADと並んで優先して取得することをおすすめします。
機械エンジニアに向いている人の特徴
機械エンジニアに向いている人の特徴は、以下の通りです。
学習に意欲的である
先述したように機械エンジニアに求められる能力は多く、新技術や新しい機械が生まれるたびに情報をアップデートする必要があります。そのため、機械に関する高い関心をもち、学んだことを仕事に活かしたいという方には向いている職業です。
発想力がある
ポンチ絵やCADを用いた設計図には、発想力や想像力が必要になります。特に、機械製品は少しの変化を加えるだけで性能が大きく変化するため、柔軟な思考は欠かせないでしょう。
地道な作業が苦にならない
機械エンジニアの仕事の大半は、試行錯誤を繰り返しながら細かい設定を見直したり解析やシミュレーションを行なったりする地味な作業です。粘り強いほか、地道な作業が苦にならずに取り組める方は、機械エンジニアに向いています。
まとめ
今回紹介した機械エンジニアに関するおすすめの資格は、どれも機械に携わる方のスキルを十分証明できるものであり、取得すれば就職・転職で有利に働くでしょう。しかし、機械エンジニアに求められるものは資格だけでなく、幅広い知識や機械への興味、エンジニアとしての適性など数多くあります。そのため、資格取得を学習の一環としながら、広い視野をもつことが大切です。機械エンジニアを目指す方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。