工場のリーダー・班長が辛い原因3つ！辞めたい・疲れたときの対処法を解説

工場のリーダーとはなにか

工場のリーダーは、一般企業の中間管理職にあたります。中間管理職は、ときとして上司と部下の板挟みになる難しい役回りです。

製造ラインで作業をしながらも、作業員の管理や新人の指導育成も任されるリーダー。縦と横両方のつながりを上手に調整していくための、高いコミュニケーション能力が必要とされます。

リーダーになるのは、仕事に向き合う姿勢や態度、対人スキルを見て抜擢される場合がほとんどですが、なかには社歴が長いだけで適任でなくても任命されてしまうケースも珍しくありません。「工場のリーダーが辛い」という悩みには、荷が重すぎたり、適していなかったりすることが影響しているとも考えられるでしょう。

工場のリーダーの仕事4つ 

工場のリーダーにはさまざまな仕事があります。主な仕事は以下の4つです。
 
　●   ラインで働く作業員の管理
　●   人間関係のパイプ役
　●   報告書・対策書・企画書などの書類作成
　●   トラブルへの対応

ラインで働く作業員の管理

工場のリーダーには、主に次の役割があります。

　● 勤怠管理
　● 新人教育
　● 業務の指示

まず、リーダーは作業員全員の勤怠管理を任されます。欠勤、遅刻、早退の連絡を受け、出勤人数に応じて適切な人員配置を行います。急なスケジュール変更でも、製造ラインを止めることなくスムーズに対応しなければなりません。

また、工場に新しく入った作業員の教育も行います。年齢も学歴も職歴も違う初めて会った作業員に、工場の仕事を一から教えるというのは、思っている以上に大変で時間のかかる業務です。

作業員へ的確に業務指示を出すのも、リーダーの重要な仕事です。わかりやすく間違いなく、安全に作業できるよう、自らがお手本となる必要があります。

人間関係のパイプ役

工場のリーダーは、人間関係のパイプ役として重要な役割を果たします。まず、基本的に部下と上司のコミュニケーションにおける架け橋となります。部下からの意見や要望を受け取り、それを上司に伝えたり、反対に上司からの指示や情報を部下に適切に伝えたりしなければなりません。
 
必要に応じて外部業者との打ち合わせや交渉を行います。例えば、原料や資材の調達、機械や設備のメンテナンス、受託生産などの業務において、業者との連絡や調整を行い、スムーズな業務遂行をサポートします。このように、さまざまな人間関係におけるパイ役を任されるのが工場のリーダーです。

報告書・対策書・企画書などの書類作成

勤務表や連絡事項の伝達に必要な書類作成も、リーダーの仕事のひとつです。

業務の効率化やコスト削減を図るため、ペーパーレス化を推進している企業は増えています。しかし、なかにはセキュリティ対策や現行書類の電子化が追いつかず、なかなか浸透しないという企業も少なくありません。

業務連絡に欠かせない書類作成は、製造ラインを滞りなく動かすためにとても大切な仕事です。そのため、リーダーには、わかりやすく正確に情報を伝える文章力も必要とされます。

トラブルへの対応

工場内で起きたさまざまなトラブルに対応するのもリーダーの仕事です。

設備の不具合や故障をはじめ、不良品の発生や納品数の間違いなど、工場は日々たくさんのトラブルに見舞われています。品質面や安全面でのトラブルは、最悪の場合、企業の存続にかかわる恐れもあります。

円滑に業務を進めていくためには、人間関係のトラブルにも上手に対処しなければなりません。あらゆるトラブルに対応し、報告と改善を求められるリーダーには、強いメンタルと前向きな考え方が必要といえるでしょう。

工場のリーダーが辛い原因3つ 

工場のリーダーは「辛い」といわれることも少なくありません。その原因は主に3つあります。

● 上司と部下の間の板挟みが辛い
● リーダーとして責任を取らなければならない
● 手当が十分でないケースがある

上司と部下の間の板挟みが辛い

リーダーは、上司と部下の板挟みになる場面がたくさんあります。製造ラインをとりまとめる立場で、工場長からあらゆる要望を引き受けながら、作業員からの不満にも上手く対応していかなければなりません。

リーダーには、ぶつかり合う意見の調整役として、両方の言い分を伝え合う高い対人スキルが求められるでしょう。板挟みになった結果、作業員にとって不満が残る指示を出さざるを得ない状況となり、嫌われてしまう可能性もあります。

リーダーとして責任を取らなければならない

工場のリーダーは、現場で発生した問題の責任を取らなければなりません。例えば、製造した商品に問題があれば謝罪を行い、対策書を作成する必要があるでしょう。また、機械や設備の故障による出荷の遅延が発生した場合は、関係各所への謝罪や納期の調整、対策書の作成を行います。

作業員が起こすトラブルの解決にも関わる必要があるでしょう。場合によっては休日出勤を行い、仕事の責任を取る可能性もあります。このような点から「辛い」と感じるケースも多いです。

手当が十分でないケースがある

工場のリーダーは業務量が多く、人間関係の調整を行うなど、負担が大きいとされています。一方、管理職の中では地位が低く、手当が十分にもらえない可能性があります。
 
報酬が仕事量に見合わず、辛く感じる可能性もあるでしょう。

工場のリーダーの負担を軽くする心構え3つ

工場のリーダーの負担を軽くするためには、日頃の心構えが大切です。意識すべき心構えは以下の3つです。

　● 完璧なリーダーを目指さない
　● すべて自分で背負い込まない
　● 悩みすぎないようにする

完璧なリーダーを目指さない

工場のリーダーの負担を軽くするためには、完璧なリーダーを目指さず、自分自身に過度のプレッシャーをかけないことが重要です。

失敗を素直に認め、周りからのフォローを受けながら成長する気持ちを大切にしましょう。自己の限界を認識し、周囲のチームメンバーやサポート体制を活用しながら柔軟な対応力を身につけることがリーダーの負担軽減につながります。

すべて自分で背負い込まない

リーダーは、問題や悩みを1人で抱え込まないように注意が必要です。

「リーダーだからやらなきゃ」「リーダーなら頑張るべき」といった、強迫観念は静かに心を蝕んでいきます。責任感が強く、真面目で完璧主義な人ほど周りに相談できず、ネガティブな思考に陥りやすいといえます。

上司や同僚ときには部下に対してでも、辛いと声を上げ、助けを求めることはとても大切です。「リーダーが辛い」と感じたときこそ、早めにSOSを出しましょう。

悩みすぎないようにする

悩みすぎないようにすることも工場のリーダーの負担を軽くするうえで重要です。自分の気持ちとどう向き合うかを大切にしましょう。過度に悩まず、自分がやるべきことはやったという自己評価を認めることが必要です。

達成できなかったことや起こった問題に対して、反省と改善を行いながら前に進む姿勢を持つことが負担を軽減するポイントです。

工場のリーダーに疲れたときの対処法4つ

工場のリーダーに疲れた場合、対処法はいくつかあります。おすすめは以下の4つです。

● 終業後に好きなことをして過ごす
● 適度に持ち場から離れる
● 部署異動の相談をする
● 転職を考える

終業後に好きなことをして過ごす

工場のリーダーが疲れたときの対処法として、終業後に好きなことをして過ごすことが有効です。仕事が終わった後は、仕事のことを忘れられる趣味や活動に打ち込み、心身の疲れを癒しましょう。

例えば食事でお気に入りの料理を楽しんだり、ジムに行って運動したりするなど、プライベートな時間を充実させることも大切です。うまくリフレッシュできれば、仕事とプライベートのバランスを取りながら疲れを癒していくことができるでしょう。

適度に持ち場から離れる

長時間ラインに立ち続けると、リーダー業務に追われて疲れてしまいます。そのため、トイレなど理由をつけて適度に現場を離れ、心を休めることが重要です。

少しの時間でもリフレッシュできる場所に移動し、深呼吸をしたり、ゆっくりしたりすることで気分をリセットしましょう。このような小さな休息がリーダーの疲労を軽減し、より効果的に業務に取り組むことができるでしょう。

部署異動の相談をする 

上司にリーダー業務が辛いと感じていることや仕事を辞めたいと思うほど悩んでいることを相談し、担当部署の異動を願い出る方法があります。部署を移動することで、リーダーの責任や負担から解放される可能性があるでしょう。

相談する際は、上司とのコミュニケーションを通じて、状況や要望を適切に伝えることが重要です。部署異動は組織の事情や要件によって制約がある場合もありますが、適切な相談と調整によって、リーダーの負担を軽減できる可能性があるでしょう。

転職を考える 

仕事が辛く心を病む前に、自身の状況を冷静に振り返り、転職を検討することが重要です。同じ工場でも職場環境は異なりますので、転職によって自分に合う仕事と出会える可能性があります。

また、新たな環境やチャレンジによって、仕事に対するモチベーションややりがいを取り戻すことができる場合もあるでしょう。転職を検討する際には、経験やスキルを活かせる職場かどうか、環境面で自分に合った条件かどうかを重視することが大切です。

まとめ

作業員に比べ業務量が多く、責任も重い工場のリーダー職は、辛い仕事として知られています。「自分には適していない」「辛すぎて辞めたい」と思ったときは、まず辛い理由を書き出してみるのがおすすめです。冷静になって頭の中を整理することで、自分でも気づいていなかった問題点が見えてくることもあります。
 
それでも「工場のリーダーが辛い」と感じたら、今回紹介した対処法を意識して、周囲へ助けを求めてください。リーダーの日頃の頑張りを間近で見ている仲間は、きっとやさしく手を差し伸べてくれるでしょう。

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