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ロボットエンジニアになるには?仕事内容や向いている人の特徴、必要なスキルを解説

ロボット技術の進歩により、産業用ロボットから家庭用ロボットまで、私たちの生活の様々な場面でロボットが活躍しています。この発展を支えているのが、ロボットエンジニアです。ロボットエンジニアは、機械工学、電気工学、情報工学などの幅広い知識を駆使して、ロボットの設計から開発、実装まで携わる専門家です。
 
本記事では、ロボットエンジニアの仕事内容や、なるために必要なスキル、向いている人の特徴について詳しく解説します。ロボット技術に興味がある方、エンジニアとしてのキャリアを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ロボットエンジニアの仕事内容



ロボットエンジニアの仕事は、単にロボットを作るだけではありません。ロボットの構想段階から実際の運用まで、幅広い業務を担当します。
 
具体的には、以下のような仕事内容が挙げられます。
 

  • ロボットの仕様・用途の策定
  • ロボットの設計・開発
  • ロボットの実験・検証
  • ロボットのメンテナンス

 

ロボットの仕様・用途の策定

ロボットエンジニアの仕事の中でも、特に重要なのが「ロボットの仕様・用途の策定」です。これは、ロボットを開発する上でどのような機能を持たせるのか、どのような課題を解決するために使うのかを明確にする作業です。
 
まず、市場調査を行い、ロボットのターゲットとなる市場やユーザーのニーズを把握します。その上で、クライアントや関係者へのヒアリングを行い、ロボットにどのような機能や性能を求めているのかを具体的に聞き取ります。
 
ヒアリングで得られた情報を基に、ロボットの機能、性能、安全性、コストなどの要件を定義します。この段階では、技術的な実現可能性も考慮しなければなりません。
 
要件定義に基づいて、ロボットの仕様書を作成します。仕様書に記載する内容は、ロボットの外観、動作、制御方法、インターフェース、性能試験方法などです。
 
仕様書を作成したら、クライアントや関係者と協議を行い、内容の妥当性を確認します。必要に応じて、仕様書を修正します。
 

ロボットの設計・開発

仕様書ができたら、ロボットの骨格となるフレームや駆動装置、センサーなどを設計します。
 
3D CADを用いて設計図を作成し、強度や重量、可動範囲などを考慮しながら、ロボットの動きに必要な機構を設計していきます。
 
近年では、軽量で高強度な素材や、省電力で高効率な駆動装置など、新しい技術を取り入れた設計も求められています。
 

ロボットの実験・検証

設計・開発したロボットを実際に動かして、性能や安全性を評価します。動作精度、耐久性、安全性などを確認し、問題があれば修正を行います。
 
また、想定外の状況にも対応できるように、さまざまなテストケースを用意することが必要です。
 

ロボットのメンテナンス

ロボットを納品した後も、定期的なメンテナンスや修理を行います。ロボットが常に正常に動作するように、保守管理業務も行います。


ロボットエンジニアになるには?



ロボットエンジニアになるには、主に以下の2つのルートが考えられます。
 

  • 大学でロボット工学を専攻する
  • ロボットメーカーなどで実務経験を積む

 

大学でロボット工学を専攻する

工学部や情報学部などのある大学では、ロボット工学科を設置していることがあります。ロボット工学科とは、ロボットの設計・開発に必要な専門知識を学べる学科です。また、大学によっては、メカトロニクス学科や情報工学科など、ロボット工学と関連する学科もあります。
 
ロボット工学科では、以下のような科目を学ぶことができます。
 

  • 機械力学
  • 制御工学
  • 情報工学
  • 電気工学
  • 電子工学
  • ロボット工学
  • メカトロニクス
  • 人工知能
  • 画像処理

 
これらの科目を通して、ロボットの構造や機構、制御方法、プログラミング方法などを学びます。
 
さらに研究室に所属することで、実際にロボットを製作したり、研究プロジェクトに参加したりすることができます。研究室での経験は、就職活動で有利に働きます。
 

ロボットメーカーなどで実務経験を積む

大学でロボット工学を専攻しなくても、機械工学や電気電子工学、情報工学など関連する分野の学位を取得した後、ロボットメーカーや関連企業に就職して実務経験を積むことでロボットエンジニアになる道もあります。
 
多くの企業では、新入社員に対して充実した研修プログラムを用意しています。これらの研修を通じて、ロボット開発に必要な専門知識やスキルを習得することが可能です。
 
実務経験を積む中で、以下のようなことを学ぶことができます。
 

  • 実際のロボット開発プロジェクトの流れと各段階での具体的な作業内容
  • チームでの協働作業の進め方やコミュニケーションスキル
  • 顧客ニーズの把握と要求仕様への反映方法
  • 品質管理や安全基準など、製品開発に関する規制や基準の理解
  • 最新のロボット技術トレンドとその応用方法

 
また、多くの企業では社内での技術研修や外部セミナーへの参加を奨励しています。これらを積極的に活用することで、常に最新の知識とスキルを習得し続けることができます。
 
さらに、実務経験を積みながら、ロボット関連の資格取得にチャレンジすることも有効です。後述する「ロボットエンジニアになるために有利な資格」で紹介する資格などを取得することで、より専門性の高いロボットエンジニアとしてのキャリアを築くことができます。


ロボットエンジニアに向いている人の特徴



ロボットエンジニアという職業には、特定の素質や性格が適していると言われています。ここでは、ロボットエンジニアに向いている人の特徴について、具体的に解説します。
 

論理的思考力がある

ロボットエンジニアにとって、論理的思考力は非常に重要な能力です。ロボットの設計や開発には、複雑な問題を体系的に分析し、効率的に解決する能力が求められるからです。
 
例えば、ロボットの動作アルゴリズムを開発する際には、「もし〇〇ならば、××する」といった条件分岐を適切に設定する必要があります。また、問題が発生した際にも、原因を論理的に追及し、効果的な解決策を見出さなくてはなりません。
 
論理的思考力は、ロボットの設計から開発、テスト、デバッグまで、あらゆる場面で活かされます。
 

創造力がある

ロボットエンジニアには、既存の概念にとらわれない柔軟な発想力と創造力も求められます。新しいロボットの開発や、既存のロボットの改良には、独創的なアイデアが不可欠だからです。
 
例えば、人間の動きをより自然に模倣するロボットを開発する際には、生物学や人体構造の知識を応用し、新しい機構を考案する必要があるかもしれません。また、エネルギー効率を高めるために、従来とは全く異なる駆動方式を発明する必要があるかもしれません。
 
創造力は、革新的なロボット技術の開発や、ユーザーニーズに合わせた新しいロボット製品の考案などに活かされます。
 

コミュニケーション能力が高い

ロボットエンジニアは、一人で黙々と作業するイメージがあるかもしれませんが、実際には様々な人と関わりながら仕事を進めていく必要があります。
 
具体的には、以下のような場面でコミュニケーション能力が求められます。
 

  • クライアントとの打ち合わせ
  • チームメンバーとの連携
  • 関係者との調整
  • 学会や展示会での発表

 

向上心がある

ロボット工学は日々進歩しており、新しい技術やノウハウが次々と生まれています。ロボットエンジニアとして活躍するためには、常に最新の情報をキャッチアップし、自身のスキルを磨き続けることが必要です。
 
向上心がないと、時代の変化に取り残され、仕事で競争力を失ってしまう可能性があります。
 

ものづくりが好き

ロボットエンジニアにとってものづくりが好きであることは、大きな強みになります。
 
ロボットエンジニアの仕事は、設計から製造、テストまで、一連のものづくりのプロセスを経験できます。実際に手を動かしながらロボットを製作することで、深い理解と愛着が生まれ、より良いロボットを生み出す原動力となるでしょう。


ロボットエンジニアに必要なスキル



ロボットエンジニアに必要なスキルは、主に以下の4つです。
 

  • ロボット工学に関する専門知識

機械工学、電気工学、情報工学、制御工学、メカトロニクス、人工知能、画像処理など、ロボット工学を構成する様々な分野の知識が必要です。
 

  • プログラミング能力

ロボットを動かすためのソフトウェアを開発する能力が必要です。C言語、C++、Java、Pythonなど、様々なプログラミング言語を使いこなせることが望ましいです。
 

  • 3D CAD

ロボットの設計図を作成するために、3D CADソフトを使用する必要があります。AutoCAD、SolidWorks、Fusion 360など、代表的な3D CADソフトを使いこなせることが望ましいです。
 

  • 英語力

海外の文献を読んだり、海外の研究者と交流したりするために、英語力が必要です。
 
これらのスキルを磨き、ロボット工学の進歩に貢献できる人材を目指しましょう。


ロボットエンジニアになるために有利な資格



ロボットエンジニアになるために、必須の資格はありません。とはいえ、以下の資格を所有していると就職やキャリアアップにおいて有利になります。
 

  • 情報処理技術者試験:情報処理技術者試験は、情報処理技術に関する専門知識と技能を評価する国家試験
  • 機械設計技術者試験:機械の設計に必要な専門知識と技能を評価する国家試験
  • 電気主任技術者試験:電気事業における電気工作物の設計、製作、保全、試験、操作等に必要な専門知識と技能を評価する国家試験
  • CAD利用技術者試験:2次元CAD及び3次元CADの操作技術を評価する試験
  • 技術英語能力検定:科学技術分野における英語の読解力、聴解力、英作文力を評価する試験



ロボットエンジニアについてよくある質問



ここからは、ロボットエンジニアについてよくある質問に回答していきます。
 

ロボットエンジニアの給料はいくら?

ロボットエンジニアの平均年収は、厚生労働省「jobtag」によると612.4万円です。
 
一方で国税庁が公表した「国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は458万円でした。
 
そのため、ロボットエンジニアの年収は一般的な年収よりも高いことがわかります。
 

ロボットエンジニアがしんどいと言われるのはなぜ?

ロボット開発は、複雑な設計や高度なプログラミングなど、多くの時間と労力を必要とする作業です。そのため、残業や休日出勤が多くなる傾向があり、しんどいと言われることがあります。
 
ロボット開発は、クライアントからの納期に間に合わせる必要があり、常に時間との戦いです。そのため、プレッシャーを感じやすく、精神的な負担が大きくなります。またロボット開発は、常に新しい技術が求められる分野です。そのため、常に勉強し続けなければならず、技術的な壁にぶつかることも少なくありません。
 

ロボットエンジニアはどこで働く?

ロボットエンジニアは、様々な場所で働いています。代表的な勤務先としては、以下のようなものが挙げられます。
 

  • 自動車メーカーや電機メーカー、重機メーカーなどの製造業
  • システムインテグレータ
  • 大学や国立研究開発法人、民間企業の研究開発部門などの研究開発期間



まとめ



ロボットエンジニアは、機械工学、電気工学、情報工学などの幅広い知識を駆使して、ロボットの設計から開発、実装まで携わる専門家です。主な仕事内容には、ロボットの仕様・用途の策定、設計・開発、実験・検証、メンテナンスが含まれます。
 
ロボットエンジニアになるには、大学でロボット工学を専攻するか、関連分野の学位取得後にロボットメーカーなどで実務経験を積む方法があります。
 
ワールドインテックのテクノ事業では、ロボットエンジニアをはじめ、ものづくり産業におけるエンジニアに多くの選択肢を提供しています。未経験のポテンシャル人材からキャリアアップを目指すスペシャリストまで、レベルに合わせて成長できる環境を用意しています。
 
ロボットエンジニア職に関心のある方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
 

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