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研究者になるには?就職先や仕事内容、必要なスキル・学歴について解説

研究者になるには何から始めればいいのか、どのような資格や称号を取得すればいいのか、研究者を目指すにあたってわからない人もいるでしょう。新しい知識や技術を発見する研究者になるためにも、事前に押さえておきたいポイントをチェックしておきましょう。

本記事では、研究者へのステップや主な就職先、必要なスキルなどについて詳しく説明します。
 

目次

研究者になるには大学院で博士号を取得するのが望ましい



ある分野の研究を極める研究者になるには、大学院で博士号を取得するのがベストです。専門的な技術や知識が必要になるため、大学や大学院で研究したい分野についての知識を深める必要があります。
 
高専卒または大卒でも企業の研究者として働いている方はいますが、国や大学の専門機関で働く場合は高度な知識や技術を身につける必要があるので博士号の取得が必須です。
 
なお、文部科学省「学校基本調査-令和3年度 結果の概要-」から算出した学歴別の研究者への就職率は、以下のとおりとなっています。

  • 学部卒業:0.12%
  • 修士課程終了:6.2%
  • 博士過程終了:43.6%

※出典:文部科学省「学校基本調査-令和3年度 結果の概要-」
 
上記の数字を見てもわかるように、研究者への就職は狭き門です。とはいえ、研究内容も多岐にわたるので、多様なバックグラウンドを持つ人が研究者として活躍しています。
 
学歴に捉われず、どのような分野を研究したいのか、その分野に対する知識の深さや好奇心の強さが重要です。


研究者の主な就職先



研究者の主な就職先には、以下の4つがあります。

  • 公的研究機関
  • 民間企業
  • 大学
  • 海外の研究所や企業

それぞれ、具体的にどのような仕事をするのか詳しく見ていきましょう。
 

公的研究機関

研究者の主な就職先として、省庁や地方自治体の研究所があります。たとえば、国立医薬品食品衛生研究所、動物医薬品研究所、科捜研(科学捜査研究所)、科警研(化学警察研究所)などです。公的研究機関で働く場合は、仮説や理論を形成したり、新たな知識を獲得したりする基礎研究がメインとなります。
 
ただし、公的研究機関で働くには、博士号の取得を前提としているケースがほとんどです。また、公務員扱いとなるため、採用試験に合格する必要があります。研究者の中でも、最もハードルが高い就職先といえるでしょう。
 

民間企業

民間企業で研究者として働く場合は、学部・修士でも就職できる可能性があるので、必ずしも博士号を取得する必要はありません。民間企業の研究者は基礎研究ではなく、応用研究や開発研究がメインとなります。
 
ただし、民間企業における研究はあくまでもビジネスなので、利益にならない研究はできません。また、研究内容や成果によっては途中で中止になる可能性もあります。
 

大学

公的研究機関と同じく、大学の研究室で働く場合も博士号の取得を条件としているところがほとんどです。大学で働く研究者は研究だけでなく、教授として学生への抗議も行うという特徴があります。学生たちに講義を行いながら、自分の研究も進めていくところは、他の就職先との大きな違いです。
 
なお、大学の研究者は専門的な分野を研究することになるため、これまでの経験や専攻とマッチしているかをじっくりと見極める「ポスドク」という制度が設けられています。この制度は公的研究機関も採用しているところが多く、ポスドクからキャリアアップしていくのが一般的です。
 

海外の研究所や企業

海外の研究所や企業に就職して、研究者としてのキャリアを積むこともできます。海外の研究所や企業で研究者として働く場合は、英語によるコミュニケーションが必要不可欠です。専門用語を用いて論文を書いたり、同僚や上司とやり取りしたりすることになるため、英語力が重要となります。
 
海外の研究所や企業へ就職するには、まず大学でポスドクとして働き、キャリアアップをするのが一般的です。また、人脈を通して海外の研究所を紹介されるケースもあります。


研究者の平均年収は約385.5万円



研究者として働く場合、平均年収はいくらぐらいになるのか気になっている方は多いでしょう。前述したように、研究者といっても就職先はさまざまなので給与も異なりますが、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」のデータを見ると、「学術研究,専門・技術サービス業」の平均年収は約385.5万円です。
 
国税庁が発表している日本の平均年収が461万ですので平均よりも低い額ではありますが、年齢や実績を重ねるほどに約500万円以上の収入が得られる見込みはあります。
 
また、就職先や研究分野によっても給与は異なるため、就職先を見つける際は求人内容をしっかりとチェックしてください。


研究者に必要なスキル・資質



研究者は研究分野の知識だけ身につけておけば良いと思われがちですが、さまざまなスキル・資質が必要です。
 
研究者に必要なスキル・資質としては、主に以下のようなものがあります。

  • 好奇心
  • 論理的思考力
  • 分析力
  • 英語力
  • 忍耐力

すべてを完璧に身につける必要はありませんが、ある程度のスキルを持っていたほうが研究者としてやりがいのある研究を続けることができます。それぞれどのようなスキルなのか、具体的に見ていきましょう。

好奇心

研究者において、好奇心は必要不可欠な要素と言っても過言ではありません。研究者は、さまざまな知識や情報を得ようと自ら行動を起こすことが求められます。
 
自分の専門分野はもちろんのこと、他の分野にも興味を示し、「もっと知りたい」という気持ちが、研究に対するモチベーションを高める要素となります。また、好奇心だけでなく、どれだけ強い探求心を持っているかも必要です。
 

論理的思考力

論理的に考えることが好きな研究者は分析能力が高く、根拠と結論をしっかりと繋いで研究を進められます。論理的思考力を身につけておけば、一つひとつの論理や数式をチェックしながら論文を読むことができるので致命的な間違いにも気づきやすくなるでしょう。
 
また、論文を書いたり、研究結果を周囲へ伝えたりする際も、根拠と結論が論理的に繋がっているので説得力が増します。
 

分析力

学び、観察し、分析することは研究者にとって必須なスキルです。分析力を兼ね備えている研究者は、点と点を繋いで線にすることで研究の全体像を掴み、結果からさまざまな結論を導き出すことができます。
 
目の前の研究や課題から結果を得るだけでなく、その結果を分析し、どのような結論を導き出せるかどうかが研究者の腕の見せどころです。
 

英語力

必須ではありませんが、英語力を身につけていたほうが研究者として活躍の幅や可能性を広げることができるでしょう。
 
国内の研究所や企業に就職したとしても、海外の研究者が執筆した論文を読んだり、コミュニケーションを取ったりすることもあります。特に、海外に拠点を持つ企業で研究者として働く場合は、一定の英語力が求められるでしょう。
 

忍耐力

研究者は、忍耐力を必要とする職種です。研究内容や求める結果によっては、およそ10〜20年など、長い時間をかけて研究を行うことがあります。何年もかけて導き出した偉大な発見の背景には、研究者たちの強い忍耐力と諦めない気持ちが存在しています。たとえ課題が出てきたりトラブルが発生したりしても、乗り越えるための努力を続けられる忍耐力が必要です。


研究者に関してよくある質問



研究者に関する質問と回答をいくつかピックアップしましたので、ぜひ参考にしてください。
 

研究者と技術者の違いは?

研究者は研究所や企業の研究部門で研究の設計図を考えるのが主な仕事で、その研究の設計図に基づいて実践するのが技術者です。
 
研究者は特定の分野に対する専門的な知識を有しているのに対し、技術者はその分野の専門的な技術を持っている点も違いといえます。どちらも新しい知識と技術を生み出す際には欠かせない存在であり、研究者と技術者の協力によって、生活が豊かになる技術が開発されているのです。
 

研究者になるには何学部に行くべき?

研究者になるには、理系の学部に進むのが一般的です。たとえば、以下のような学部が該当します。

  • 理学部
  • 工学部
  • 薬学部
  • 農学部
  • 獣医学部など

何を研究したいのか、どのような分野を専門的に学びたいのか、など研究したい内容や目標によって選択すべき学部は異なります。すでに研究したい内容がある場合は、その分野に合った大学の学部を選ぶといいでしょう。
 
どの学部を選べばいいのかわからない方は、興味のある学部や自分が得意な分野が学べる大学を選んでみてください。自分が研究者として何をしたいのか、目的を明確にすることが大切なポイントです。


まとめ



新しい知識や技術を見つける研究者の主な就職先としては、公的研究機関・民間企業・大学・海外の研究所や企業があります。学部・修士でも働ける場所はありますが、公的研究機関や大学は専門的な知識が必要になるため、博士号の取得が必須です。また研究者になるには、好奇心・探求心・論理的思考力・分析力などのスキルも必要となります。
 
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