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半導体業界の年収ランキング!平均年収や業界動向、就職するコツも解説

数年前から世界規模で半導体不足が続いていましたが、現在は少しずつ解消傾向にあり、売上高も増加しています。今後はスマホの高機能化やIoTの普及などで、さらに半導体の需要が高まるといわれていますが、半導体業界に将来性はあるのでしょうか。

本記事では、半導体業界の平均年収や就職するコツなどを解説します。

目次

半導体業界の年収ランキング



前述したように、半導体の需要は高まってきているため、半導体業界の年収も上昇傾向にあります。具体的に、どのようなメーカーでいくらぐらいの年収が得られるのでしょうか。
 
まずは、半導体業界の年収ランキングをチェックしていきましょう。
 

年収ランキング

半導体業界の企業上位10社ごとの平均年収をランキング化しました。ぜひ参考にしてください。

企業名

平均年収(万円)

都道府県

三菱商事

1,678

東京都

レーザーテック

1,310

神奈川県

東京エレクトロン

1,179

東京都

ソニーグループ

1,044

東京都

岩谷産業

896

大阪府

ヤマハ

885

静岡県

三機工業

875

東京都

東芝

866

東京都

第一実業

853

東京都

新日本空調

853

東京都


あくまで独自の調査ですので変動する場合もありますが、国税庁が発表している日本の平均給与は約461万円ですので、半導体業界の年収はかなり高い水準といえます。
 
※参考:東洋経済ONLINE|平均年収「全国トップ500社」最新ランキング
※参考:国税庁|平均給与


半導体業界の年収が高い理由



では、半導体業界の年収はなぜ高いのか、その理由を明らかにしていきましょう。
 

業界の景気が良い

半導体業界の景気が良いことが、年収が高い1番の理由です。新型コロナ感染症の影響によって、さまざまな業界が大打撃を受けましたが、半導体業界はリモートワークの需要によってパソコンやタブレットといった電子機器の使用が増え、半導体の需要も高まりました。
 
米国の調査会社「Garther」によると、2023年の世界半導体売上高は前年度と比べて10.9%減少していますが、2024年は同16.8%増と大きく回復する見込みだと発表しています。
 
なお、半導体業界は、好況と不況が3〜4年程度で周期的に訪れるという「シリコンサイクル」も大きな特徴です。これは、半導体の工場建設に1年かかり、製造には材料を強いれてから完成まで数ヶ月を要するという製造サイクルの長さが関係しています。
 
※参考:EE Times Japan|24年の世界半導体売上高は2桁成長、6240億ドルで過去最高を更新へ
※参考:日本経済新聞|半導体市場とは
 

高い利益率を誇る

高い利益率を誇っているのも、半導体業界の年収が高い理由となります。半導体業界の利益率がなぜ高いかというと、技術力の高い製品が作れるからです。良い製品であれば、高い金額を出してでも購入したいという人は一定います。
 
ただし、技術力の高い製品を作るには、研究や開発に投資したり、技術を有している優秀な人材を確保したりする必要があります。つまり、利益率が高い=開発費を投資し、社員に回せるお金があるということです。
 
なお、製造業における平均営業利益率は4.6%ほどで、20%以上は超優秀企業といわれています。日本の有名な半導体メーカーをみるとレーザーテックの営業利益率は40.8%、アドバンテストは29.9%となっており、高い利益率を誇っていることが分かります。(※2023年3〜6月時点)
 
※参考:パフェット・コード|レーザーテックの業績・財務
※参考:パフェット・コード|アドバンテストの業績・財務
 

優秀な人材を確保している

半導体業界の年収が高い理由として、優秀な人材を確保しているという点があります。前述したように、良い製品を作るためには、技術を持っている優秀な人材が必要不可欠です。
 
半導体の設計や開発におけるプロセスなど、半導体に対する専門的な知識を持ち、組織のあらゆる階層で活躍できる人材を求める企業が増えています。特に、近年は、半導体業界全体が人材育成に力を入れている状況です。
 
高学歴を持っている人ほど企業からの信用度が高く、採用されるメリットはありますが、若手から人材育成を行っている企業もたくさんあります。必ずしも高学歴でなければ半導体業界に就職できないというわけではないので、「学歴がないから」と不安になる必要はありません。


半導体業界の現状と将来性



それでは、半導体業界の現状はどのようになっているのでしょうか。日本と世界の現状を押さえつつ、今度の見通しについても詳しく説明します。
 

日本の現状

テレワークやデジタル化の急速な成長により、電子機器やデジタルインフラの基幹部品となる半導体の需要も大きく拡大し、2021年の半導体市場は約61兆円となりました。
 
今後も右肩上がりで成長していき、2023年には100兆円を超えると予想されていますが、現在は戦争や自然災害などの影響から半導体不足の状況が続いています。半導体は私たちの生活に身近な電子機器はもちろん、自動車や医療機器の製造にも必要不可欠な部品です。
 
いかに、半導体の安定供給を確保するかどうかが、日本の半導体業界が抱えている課題といえます。
※参考:経済産業省|METI Journal ONLINE
 
また、参考として、半導体業界の売上高ランキング【国内】(2021〜2022年)を下記にまとめました。

企業名

売上高(億円)

キオクシアHD

1,5265

ルネサスエレクトロニクス

9,944

ソニーグループ

9,922

東芝

8,529

ローム

4,521

三菱電機

1,940

サンケン電気

1,756

富士電機

1,742

ソシオネクスト

991

メガチップス

752


あくまで独自の調査による売上高ランキングですので多少前後する可能性もありますが、上位3企業は1兆円ほどの売り上げを得ていることが分かります。
 

世界の現状

半導体業界を世界でみると、2023年の世界半導体市場規模は2022年比10.3%減の5150億9500万米ドルで、2019年以来4年ぶりのマイナス成長になる見込みです。しかし、WSRS(世界半導体市場統計)によると、2024年には2023年比11.8%増に再拡大すると発表しています。
 
ロシアとウクライナによる戦争や世界的なインフレによって半導体業界は影響を受けましたが、電動化が進んでいる自動車や再生エネルギー関連用途、生成AIの需要向上が一部のロジック半導体需要を押し上げるだろうと予想されているからです。
※参考:EE Times Japan|2023年世界半導体市場は前年比10.3%減、WSTS予測
 
それでは、半導体業界の売上高ランキング【海外】(2021年)を見ていきましょう。

企業名

売上高(億円)

Intel

76,569

Samsung Electronics

75,208

SK Hynix

36,778

Qualcomm

29,333

Micron Technology

28,879

Broadcom Limited

21,041

nVidia

20,566

Media Tek

17,464

Texas Instruments

17,101

Advanced Micro Devices(AMD)

16,154


あくまで独自の調査によるものですが、やはり世界規模ということで日本企業の売上高ランキングとは大きな差があります。特に、1位を獲得したIntelは、その年の全半導体収益の13%を占める形となりました。
 
※参考:Omdia|2021年第4四半期半導体市場分析でサムスンがトップの座を維持
 

今後の見通し

国内と海外の売上高ランキングでも説明したように、2024年は2023年比11.8%増の5759億9700万米ドルに市場が再拡大する予測です。
 
地震や寒波などの自然災害、ロシアとウクライナの戦争、火災などの影響によって世界的に半導体不足へ陥ってしまいました。
 
だからこそ、半導体の重要性が世界で再認識されるようになり、半導体業界独自のシリコンサイクルを踏まえた上で、2024年以降は世界景気も回復に向かい、半導体の供給と需要も安定する可能性があります。


半導体業界に就職するためのコツ



半導体業界で働くには専門的な知識が必要になりますが、未経験者でも就職できる可能性はあります。ここでは、半導体業界に就職するためのコツを紹介するので、ぜひチェックしてください。
 

資格を取得する

半導体業界は特に必要な資格もないので、未経験者でも働くことができます。ただし、資格を取得しておけば、採用される可能性が高くなり、即戦力がアピールできるでしょう。なお、半導体業界でおすすめの資格は、半導体製品製造技能士・半導体技術者検定・ディジタル技術検定・CAD利用技術者試験、機械保全技能検定などです。
 

必要なスキルを身に付ける

半導体業界で必要なスキルを身につけることも、この業界に就職するためのコツです。半導体に関する知識はもちろんのこと、半導体業界で求められているのは素早い環境の変化にも対応できる順応性と忍耐力です。
 
半導体業界は常に最新技術を取り入れているため、逐一変わる環境に対応していかなければなりません。また、責任感が強く、最後までやり遂げられるか否かも大切なポイントとなります。
 

半導体業界に必要な知識を身につける

電子工学、数学や物理、EMC、ソフトウェアの操作スキルなど、半導体業界に必要な知識はたくさんあります。
 
どのようにして知識を身につければいいのか悩みがちですが、まずは電子工学と情報通信工学を学ぶのがおすすめです。通信講座で学ぶこともできますが、不安な方は人材育成に力を入れている企業を就職先に選ぶといいでしょう。
 

海外の文献を読み込む

半導体業界で長く居続けるために、海外の文献を読み込みましょう。海外の文献を読むことで、日本における半導体業界がどのようになっているのかを客観的に理解でき、今後の取り組みについて深く考えられるからです。なお、海外の文献は、特許番号から探して手に入れることができます。
 

優良企業を見分ける

優良企業を見分けることで、働きやすい環境の中で仕事ができます。社員の評価が悪い企業は労働環境が整っていなかったり、スキルアップやキャリアアップが目指せなかったりする可能性があるので注意が必要です。優良企業を見分けるためにも、社員がどのように評価しているのか、口コミや評判をチェックしてみてください。


半導体業界で年収を上げる方法



ここでは、半導体業界で年収を上げる方法について詳しく説明します。キャリアアップ、スキルアップを目指したい方は必読です。
 

常に技術力を磨く

年収アップのためには、何よりも技術力を磨くことが大切な要素となります。前述したように、半導体業界全体が優秀な人材を確保するために翻弄しているからです。常に技術力を磨くために、資格を取得したり、いろいろな海外の文献を読み込んだりすることで、自由に就職先が選択できるようになり、可能性が広がります。
 

さまざまな分野の技術や知識を学ぶ

さまざまな分野の技術や知識を学ぶことも、半導体業界で活躍し、年収を上げるコツです。1つの分野を極めたら終わりではなく、幅広い分野の知識を身につけておくと応用力が身につきます。半導体業界は複数の分野で成り立っているので、最新技術の情報にも意識を傾けるといいでしょう。
 

語学力を身につける

知識や技術とともに、語学力も身につけていきましょう。なぜなら、半導体の最新情報やトレンドはアメリカからの発信が多いからです。英語力を高めておけば最新情報に乗り遅れることなく、英語の論文もスムーズに読み込むことができます。


まとめ



半導体業界は戦争や自然災害などによって半導体不足に陥っていますが、2024年以降は供給と需要が安定すると予想されています。半導体業界で働くための資格は必要ないので未経験者でも就職できますが、半導体に関する知識を身につけ、資格を取得するのがおすすめです。また、半導体業界で活躍し続けるために、語学力を習得し、さまざまな分野や技術を学ぶ姿勢も必要となります。


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