食品メーカーの研究職になるには?仕事内容や年収、必要なスキルなど就職するコツを解説
食品メーカーの研究職は、美味しくて安全な食品を開発するために欠かせない存在です。新商品の開発や品質管理、製造プロセスの改善など、幅広い業務を担当します。とはいえ、仕事内容や就職に必要なスキル、キャリアパスなどについては、あまり知らないという方もいるでしょう。
本記事では、食品メーカーの研究職について、具体的な仕事内容や必要なスキル、就職のコツなどを詳しく解説します。食品業界で研究職を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
食品メーカーの研究職とは?仕事内容を解説
食品メーカーの研究職は、主に商品開発と研究開発の2つの業務を担当します。それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。
商品開発
商品開発では、新商品のアイデア出しから製品化までを担当します。消費者ニーズや市場動向を分析し、コンセプトに沿った商品を企画・設計する仕事です。味や食感、パッケージデザインなどの要素を検討し、試作品を作成して評価します。
商品化に向けて、原材料の選定や製造方法の確立、コストの試算なども行います。また、営業部門や生産部門など、社内の様々な部署と連携しながらプロジェクトを進めていくことが必要です。
商品開発には、食品に関する幅広い知識だけでなく、消費者心理を理解する力や、トレンドを先取りする感性も求められます。コミュニケーション能力の高さも欠かせません。
研究開発
研究開発では、新たな食品素材や加工技術の研究を行います。安全性の高い原材料の探索や、健康機能性を持つ食品の開発などが主な業務内容です。大学や研究機関との共同研究に携わることもあります。
研究開発には、食品科学や栄養学などの専門知識が必要不可欠です。実験や分析のスキルも求められます。新たな発見を求めて粘り強く研究を続ける忍耐力と、論理的に思考する力も大切な要素の一つです。
研究開発の成果は、特許出願や学会発表につながることもあります。自分の研究が社会に役立つ喜びを感じられるのが、研究開発の醍醐味だと言えるでしょう。
食品会社の研究職になるには?
食品会社の研究職になるためには、大学や大学院で食品科学や農学、栄養学などを専攻していることが望ましいでしょう。ただし、バイオ系や化学系の学部出身者も、食品業界への就職実績は少なくありません。
大学院へ進学し、より高度な専門知識を身につけることで、就職に有利になるケースもあります。修士号や博士号を取得していれば、即戦力として評価されやすいと言えます。
学部卒でも、インターンシップへの参加や、食品に関する資格の取得などで、自分の専門性をアピールすることが可能です。食品衛生管理者や食品衛生監視員などの資格は、食の安全性に関する知識の高さを示すことができるでしょう。
食品業界の研究職が求められる分野
食品業界の研究職は、以下のような分野で特に需要が高いと言えます。
- 健康食品の開発
- 植物性食品の開発
- 食品ロスの削減
- グローバル展開
健康食品の開発
高齢化社会の進展に伴い、健康維持・増進に役立つ食品への注目が高まっています。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の開発に携わる研究職は、今後ますます重要になるでしょう。
植物性食品の開発
環境問題への関心の高まりから、植物性タンパク質を使用した代替肉など、植物性食品の需要が拡大しています。植物性原料の加工技術や、味や食感を向上させる研究が求められています。
食品ロスの削減
食品ロスが社会問題化する中、食品の長期保存技術や、未利用部位の有効活用法の開発が急務となっています。フードロス削減に貢献する研究にも、大きな可能性があると言えるでしょう。
グローバル展開
海外市場の開拓に力を入れる食品メーカーが増えています。現地の食文化や嗜好に合わせた商品開発を行う研究職は、今後ますます重要になるでしょう。
食品会社の研究として働くために必要なスキル
食品会社の研究職として活躍するには、主に以下のようなスキルが必要とされます。
- 食品に関する専門知識
- 研究分野に関する専門知識
- 実験・分析・データ分析に関するスキル
- 問題解決能力
- 情報収集能力
- コミュニケーション能力
食品に関する専門知識
食品の成分や機能性、加工技術などに関する専門知識は、研究職として働く上で必須と言えます。食品化学や食品工学、栄養学などの知識を幅広く身につけておくことが大切です。
具体的には、以下のような知識があると良いでしょう。
- 食品の成分、構造、機能、加工法、品質管理に関する知識
- 栄養素の働き、食品と健康の関係に関する知識
- 農作物や水産物の栽培・養殖に関する知識
- 食品製造に関わる機械や設備に関する知識
- 食品の品質分析や成分分析に関する知識 など
研究分野に関する専門知識
研究テーマに関連する分野の専門知識も欠かせません。例えば、健康食品の開発であれば、生理学や生化学の知識が必要となるでしょう。
植物性食品の開発では、植物科学や発酵学の知識が求められます。
実験・分析・データ分析に関するスキル
研究開発では、実験や分析を繰り返し行う必要があります。実験器具の使い方や、分析手法に関する知識と経験が求められます。得られたデータを適切に解析し、考察する能力も重要です。
具体的には、以下のようなスキルがあると好ましいです。
- 食品の成分分析、機能分析、官能評価などの実験スキル
- 分析結果の統計処理やデータ解析スキル
- 研究結果を論文や報告書にまとめるスキル など
問題解決能力
研究開発では、様々な問題に直面することが少なくありません。原因を究明し、適切な解決策を立案する能力が求められます。粘り強く課題にアプローチし、結果を出していく力が必要だと言えるでしょう。
情報収集能力
研究開発では、最新の論文や特許情報などを論文や書籍、インターネットなどから収集し、自分の研究に活かしていくことが必要です。最新の研究動向を常に把握し、必要な情報を効率的に収集する能力と、それを適切に判断する力が求められます。
コミュニケーション能力
商品開発では、社内の様々な部署と連携する必要があります。自分の意見を分かりやすく伝える力と、相手の意見を適切に理解する力が求められます。チームワークを大切にする姿勢も欠かせません。
まとめ
本記事では、食品メーカーの研究職について、具体的な仕事内容や必要なスキル、就職のコツなどを解説してきました。食品メーカーの研究職は、美味しくて安全な食品を開発するというやりがいの大きな仕事だと言えます。
食品科学や栄養学などの専門知識を持ち、バランスの取れた研究スキルを身につけることが、就職に有利になるポイントでしょう。商品開発では、消費者目線での発想力とコミュニケーション能力の高さが求められます。
食品業界は、健康志向の高まりや環境問題への関心の高まりなど、様々な変化に直面しています。その中で、新たな価値を生み出す研究職の役割は、ますます重要になっていくでしょう。
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