生産管理事務とはどんな仕事?必要なスキルや資格、向いている人の特徴を紹介
生産管理にもさまざまな職種が含まれます。生産管理を技術的な観点から設計・マネジメントする仕事もあれば、現場で実際に製造に携わる業務もあります。ここでは、生産管理の裏方でありながら、非常に重要度の高い仕事である生産管理の事務について取り上げます。職探しで事務を志望している方は選択肢の一つとして、ぜひ参考にしてください。
生産管理事務の仕事 内容
ここでは、生産管理事務について知るため、生産管理とはそもそもどんな仕事なのか、その中で事務はどのような位置づけにあるのかを説明します。
生産管理はどのような仕事か
生産管理とは、製造業における受注から納品までを含む業務を管理する仕事です。生産管理は「品質」「コスト」「納期」を管理します。いくら品質が高くても納期に間に合わなければ意味がありませんし、納期には間に合っても膨大なコストがかかるようなら検討が必要です。品質、コスト、納期を最適化するのが生産管理の仕事であるといえるでしょう。
生産管理での事務はどのような仕事か
生産管理事務とは、受注から納品までの流れで生じるデータを入力したり、伝票や請求書などの書類を作成したりする仕事です。品質、コスト、納期を分析しながら、各要素のバランスを保つためには、信頼できる正確なデータが不可欠です。
仕事に必要なスキル
生産管理での事務にはどんなスキルが必要でしょうか?ここでは、三つのスキルについて説明します。
- Office関連スキル
- 生産状況の全体を把握する
- 出荷量や販売数を予測する
Office関連スキル
生産管理での事務に必要な一つ目のスキルはパソコンのアプリケーションであるOffice関連のスキルです。
生産管理での事務は、さまざまな種類の書類作成を含みます。そのため、Wordでスピーディーに見やすい文書を作成する能力は必須です。また、生産管理状況や入出金管理、在庫状況管理は主にExcelで行います。
Officeを前職などでも使った経験は大きなアドバンテージになるはずです。また、「Microsoft Office」の検定もあるため、資格を取得することで自分の能力をアピールするのも一つの方法です。
生産状況の全体を把握する
生産管理での事務に必要な二つ目のスキルは、生産状況の全体を把握することです。
事務といってもただ漫然とデータを入力するだけではありません。生産管理の事務で扱うデータは幅広く、生産から品質管理にまで及びます。より分かりやすく、使いやすいデータにするためには、工程全体を把握する必要があります。
出荷量や販売数を予測する
生産管理での事務に必要な三つ目のスキルは、出荷量や販売数を予測することです。データを管理する目的は過去の実績などを数字として記録しておくだけでなく、将来に向けた人員配置や設備投資を決定するためです。実際の経営判断は事務が行うことはありませんが、予測して仕事をすることで他部署との連携を図ることができ、円滑なコミュニケーションを促進できます。
仕事に役に立つ資格
ここでは、生産管理での事務に役に立つ資格について説明します。
- 生産管理オペレーション
- 生産管理プランニング
以下、一つずつ説明します。
生産管理オペレーション
生産管理オペレーションとは、生産管理に特化したスキルを習得するための民間資格です。生産管理の中でも、生産システムの運用業務を対象にしています。
生産管理オペレーションは、ビジネス・キャリア検定の「生産管理」分野の2級、3級に該当します。2級はすでに係長や現場のリーダーとして活躍している人を対象にしています。一般的に5年以上の実務経験が必要です。
難易度に関していえば、3級の合格率は50~60%程度であり、2級は30~40%程度といわれています。
生産管理プランニン グ
生産管理プランニングは、生産システムの設計・計画に特化したスキルを習得するための民間資格です。生産管理オペレーションと同じく、ビジネス・キャリア検定の一種です。
生産管理オペレーションと同じく、2級を受験するためには製造業にて5年程度の実務経験が求められます。3級は3年程度の実務経験がある人を対象にしており、若手社員でも受験が可能です。3級が「製品企画・設計管理」「生産システム・生産計画」「品質管理」「原価管理」「納期管理」「安全衛生管理」「環境管理」を幅広く、基礎的な知識を身に付けるのに対し、2級はより専門的な知識を有することが求められます。
生産管理事務に向いている人の特徴
ここでは、生産管理の事務に向いている人の特徴について、以下の2点について説明します。
- ものづくりに興味がある人
- 広い視野を持てる人
ものづくりに興味がある人
生産管理での事務に向いている人の一つ目の特徴は、ものづくりに興味がある人です。生産管理という仕事自体、ものづくりといえるでしょう。そのため、ものづくりに興味がなければ、生産管理の事務を担うのも難しいでしょう。
逆にものづくりに興味があれば、たとえ裏方の事務であっても、やりがいも感じやすいはずです。
広い視野がもてる人
生産管理での事務に向いている人の二つ目の特徴は、広い視野が持てる人であることです。生産管理の業務自体が受注から納品まで製造の全工程に関わることから、全体を俯瞰的に見ることができる人が望ましいといえます。また、生産管理では長期的な視点でマネジメントやプランニングが必要であり、広い視野で焦らず課題に取り組めるかどうかが大切です。
まとめ
生産管理はものづくりに直接関われる仕事です。生産管理の事務は、現場を陰ながら支える大切な仕事です。興味がある人は資格試験の受験を検討するか、実際の現場に飛び込んで経験を積んでみてはいかがでしょうか?