AIエンジニアの平均年収は？AI人材になるにはどうすればいいのか、仕事内容も解説

AI人材とは

AI人材とは、人工知能（AI）に関する専門知識やスキルを持ち、AIの開発、運用、活用などに携わる人のことです。
近年の急速なデジタル化に伴い、AIは私たちの生活に浸透しつつあります。例えば音声アシスタント機能やお掃除ロボットなどは、AI技術が使われています。 
AI人材は今後も高需要が続くと予想されるため、転職先として目指すと良いでしょう。

AI人材が担う役割

AI人材は職種、役割によって以下に分類されます。

• AIエンジニア：AIのアルゴリズム開発、モデル構築、システム実装などを行う
• データサイエンティスト：大量のデータから有益な情報を抽出し、AIモデルの学習や評価を行う
• AIコンサルタント：企業のAI導入を支援し、戦略策定や課題解決を行う
• AIリサーチャー：AIに関する最先端の研究を行い、新たな技術やアルゴリズムを開発する

AIに携わる点は共通しますが、AIそのものを開発する仕事やAI導入の支援を行う仕事など、内容は職種によって大きく異なります。

AI人材を目指す場合は「開発に関わりたいのか」「AIのスペシャリストとして他社支援をしたいのか」など役割を考えて職種を決めるのがおすすめです。

AI人材が注目されている理由

AI人材が注目されている理由として、以下が挙げられます。

• AI技術の急速な発展と普及
• 少子高齢化による労働力不足
• AI人材の不足

日本政府は令和2年に「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」を決定し、自治体や企業に対してDX化を推進するように通達しました。DX化によってAI技術も急速に発展・普及し、今や私たちの豊かな生活には欠かせないものになりつつあります。

一方で急速に進む少子高齢化により、労働人口が減っている点が問題として挙がっています。さらにAIを扱うには高度なスキルや専門性が求められますが、まだまだ即戦力として活躍できる人は少ないです。

AIの需要増加に対し、供給者である人材が不足しているのが現状です。そのためAI人材の育成は急務とされており、注目度が高まっています。

【あわせて読みたい！】AIエンジニアはやめとけと言われる理由は？働く魅力や年収・資格についても解説

AIエンジニアの仕事内容

AIエンジニアの仕事は、AI技術を活用してさまざまな課題を解決するシステムやサービスの開発です。具体的には以下の5つを担当します。

• AIモデルの開発
• AIシステムの設計・実装
• AIシステムの運用・保守
• データの収集・分析
• AIに関する研究開発

1つずつ解説します。

AIモデルの開発

AIモデルの開発では、まず解決したい課題に対して適切なAIアーキテクチャを選定し、学習用データの収集と前処理を行います。その後、モデルの設計と実装を行い、ハイパーパラメータの調整や性能評価を繰り返しながら精度を向上させていきます。
 
また、実際のサービスへの組み込みを考慮し、モデルの軽量化や推論速度の最適化、さらにはデプロイメントのための環境構築なども重要な業務となります。継続的なモニタリングと改善も欠かせません。

AIシステムの設計・実装

設計・実装は、AI技術を具体的に製品に落とし込む作業です。
設計では、AI技術をどのようにプログラミングするかを要件定義書にまとめます。要件定義書をもとに実際にシステムにAIを搭載していくのが実装です。
AI技術を実装できたら学習を行い、AIに仕事をインプットさせます。テストを繰り返し問題がなければ、製品としてリリースします。

AIシステムの運用・保守

AIシステムの運用・保守は、実際に稼働しているAIモデルやシステムの安定性と性能を維持する重要な業務です。
具体的には、モデルの精度や応答時間などの性能指標のモニタリング、システムの異常検知と対応、定期的なモデルの再学習やパラメータのチューニング、インフラストラクチャの管理とスケーリング、そしてセキュリティアップデートの適用などを行います。

また、システムログの分析やユーザーからのフィードバックを基にした改善提案、運用コストの最適化なども重要な責務となります。

データの収集・分析

今後より良いAI製品を開発するには、データを収集し分析することが重要です。
既存製品の学習状況やパターンなどのデータを集め、良いところや改善点などを分析し、次の製品の開発に活かします。分析で扱うデータは幅広く、音声や文章、画像などの他に、実際に使用した人の行動パターンなども含まれます。

分析段階では、より専門的なスキルを持つデータサイエンティストと協力して仕事を進める場合もあるため、日頃から良好な関係を築いておくと良いでしょう。

AIに関する研究開発

分析結果をもとに、AIに関する研究開発を行います。日本はデジタル化が急速に進んでいますが、まだまだ世界には追いついていません。今後のAI技術の発展のためには、さらなる進化が必要です。
研究開発→実装・学習→分析を繰り返し、より良い製品が生まれます。
 

AIエンジニアの平均年収は558.3万円

厚生労働省のデータによると、AIエンジニアの平均年収は558.3万円です。国税庁発表の日本の平均年収461万円と比較すると、年収は高いといえます。

とはいえAIエンジニアの年収は、経験年数や保有スキルによって大きく変わります。スキル別給与データの場合、未経験者・初心者に当たるITSSレベル1〜2の年収は420万円と平均年収よりも低いです。
一方ITSSレベル５以上は最低でも600万円以上というデータが出ており、最高年収は950万円です。
AIエンジニアで高年収を目指すなら、スキルを身につける必要があると覚えておきましょう。
 
参考：厚生労働省「jobtag」
国税庁｜1　平均給与

AIエンジニアなどAI人材になるには？

未経験者がAI人材になるには、以下4つの方法があります。

• 大学や専門学校で学ぶ
• AI専門のスクールに通う
• オンライン学習プラットフォームを利用する
• 独学で学ぶ

AI人材は需要が高いため、安定して雇用が期待できるでしょう。またスキルを身につければ、日本の平均年収以上稼げるチャンスがあります。

大学や専門学校で学ぶ

大学や専門学校でAI技術について学ぶのが、最初の選択肢です。AI関連の学科やコースがある学校では、AIの基礎知識やプログラミング、データサイエンスなどを学べます。情報科学、統計学、数学などを専攻するのも良いでしょう。
 
大学・専門学校で学ぶメリットは、基礎から体系的に学習できたり最新の研究に触れられたりする点です。一方費用がかかるため、学費を捻出できるかどうかがポイントになります。
 
また大学は4年間、専門学校は1〜2年ほどの在籍が必要です。卒業後に就職する点を考えると、最低でも2〜3年かかるため時間的余裕があるかも考慮して判断しましょう。

AI専門のスクールに通う

近年の需要増加に伴い、AI専門のスクールが新設されています。プログラミング、機械学習、ディープラーニングなど学べる内容は多岐に渡るため、身につけたいスキルやキャリアプランなどに合ったコースを選択するのがおすすめです。

専門スクールは短期間で実践的なスキルを習得でき、現社会人で時間がない人でも通いやすい点が魅力です。しかし短期間で集中的に学ぶため、受講費用が高い可能性があります。
金額はスクールや受講コースによって異なるので、入学前に費用面は必ず確認しましょう。

オンライン学習プラットフォームを利用する

オフラインの専門スクールに通うのが難しい人は、オンライン学習プラットフォームを利用するのもおすすめです。Coursera、Udacity、edXなど、オンラインでAI関連のコースを受講できます。

オンライン学習プラットフォームは、パソコンがあれば受講が可能で、自分のペースで学べる点がメリットです。そのため仕事が忙しい人でも土日にまとめて学習できます。また費用が比較的安い点もポイントです。
しかし専門学校やスクールのように講師がマンツーマンで教えてくれるわけではないため、自分でコツコツと学習しなければスキルは得られません。
また学校のように切磋琢磨できる仲間がいない点も懸念点です。一緒に頑張れる仲間がいないと、モチベーションが下がってしまう人もいます。

独学で学ぶ

書籍やオンライン教材などを活用して、独学でAI知識を習得する方法もあります。
独学のメリットは費用が安い点です。書籍代やオンライン教材代はかかりますが、スクールなどに通うよりは格段に費用を抑えられます。また自分のペースで学べるため、仕事が忙しい人にもおすすめです。
 
しかし独学は学習方法が確立されていないとかえって非効率になり、スキル習得に時間がかかってしまいます。また「半年後に勉強を完了させて資格試験に合格する」など、自分で目標を立てて勉強しないといつまで経っても勉強が進みません。
 
【あわせて読みたい！】AIエンジニアになるには？3つの方法や必要なスキルについて解説

なおワールドインテックのテクノ事業部では、独自の技術研修や400を超えるe-learningを提供しているため、働きながらスキルの習得が可能です。まずは就職し、働きながらスキルを身につけられる環境で成長していくのもおすすめです。
 

AIエンジニアは年収1000万円以上も目指せる！

AIエンジニアの平均年収は約558万円ですが、年収1,000万円以上も可能です。年収1,000万円を目指すなら、以下の取り組みを行いましょう。

• 基礎スキルを徹底的に磨く
• 専門性を高める
• 実務経験を積む
• キャリア戦略を立てる

1つずつ解説します。

基礎スキルを徹底的に磨く

まずは基礎的なスキルを徹底的に磨きましょう。基礎が身についていないと、応用的な仕事はできません。以下のようなスキルをきちんと身につけるのがおすすめです。

• プログラミングスキル
• 数学・統計学の知識
• 機械学習・深層学習の知識
• データ分析スキル

プログラミングは専門用語を扱うため、頻出用語や基礎的なものは必ず覚えてください。加えて数学・統計学や機械学習関連の知識があると、応用分野にも活かせます。
データ分析もAIの開発には欠かせないため、一定量はこなせるようになると安心です。

専門性を高める

基礎的なスキルを身につけたら、専門分野についても理解を深めておきましょう。具体的には以下のような知識の習得がおすすめです。

• 特定分野の専門知識
• クラウド技術
• ビッグデータ技術
• DevOps

特定分野の専門知識は、就職先やキャリアプランによって異なります。自分は何を学ぶのが年収アップへの近道なのかを考え、適切な分野を専攻しましょう。

クラウドやビッグデータ技術はAIとの関連性が高い分野のため、今後AI人材としてキャリアアップするならぜひ学んでおきたいところです。

DevOpsとはソフトウェア開発手法の1つで、開発担当と運用担当が密に連携を取り、柔軟かつスピーディーにシステム開発を行うためのものです。DevOps関連の知識があれば仕事の幅が広がり、キャリアアップが期待できます。

実務経験を積む

実務経験はできるだけ多く積みましょう。実務経験はスキルや積極性のアピールになるため、転職時やキャリアアップにおいて有利になる可能性があります。

• AIプロジェクトへの参加
• Kaggleなどのコンペティションへの参加
• 論文執筆・学会発表

社内公募のプロジェクトなどは原則誰でも参加できるため、積極的に関わる姿勢を見せるのがおすすめです。またコンペティションなどで成果を残せば、大きなアピールポイントになります。

キャリア戦略を立てる

年収1,000万円を目指すなら、AI人材としてのキャリアを長期スパンで考え、適切に行動するのが大切です。例えば年収1,000万円のモデルキャリアプランとしては、以下が挙げられます。

• マネージャーになりプロジェクトの指揮を取る
• AIのスペシャリストとしてより専門性の高い仕事に関わる
• 独立して自分の会社を立ち上げる

上流工程であるマネジメントや新システムの開発などの仕事はスキルが伴っていないと難しいため、対価として年収も上がりやすいです。
また独立して起業する、フリーランスとして仕事をすると、会社員よりも収入アップが期待できます。ただしスキルや実績がないと、仕事を取るのは難しいです。
キャリアを逆算して考え、今から必要なスキルをきちんと身につけておきましょう。

まとめ

AIエンジニアの平均年収は約558万円と、日本の平均年収よりも高水準です。さらに専門的なスキルや実績があれば、年収1,000万円も目指せます。
AIエンジニアをはじめとしたAI人材は今後も高需要が予想されるため、今からコツコツとスキルを身につけて活躍できる人材になりましょう。
 
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