未経験でSE(システムエンジニア)になるには?適性や転職に有利な資格を解説
SEという職業は、近年ますます注目を集めています。IT技術の発展に伴い、様々な分野でSEが求められており、未経験からでも活躍できるチャンスが広がっています。
しかし、未経験からSEになるには、どのような道筋を辿ればいいのかわからない人もいるでしょう。
本記事では、未経験からSEになるための具体的な方法を紹介していきます。必要なスキルや資格、転職に向いている人の特徴などを紹介します。「SEの仕事に興味があるけど、一歩踏み出せない…」という方、未経験からSEになる方法を知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
SE(システムエンジニア)とは
SE(システムエンジニア)とは、情報システムやソフトウェアの企画、設計、開発、運用保守を行う専門職です。顧客のニーズを分析し、最適なシステムを提案・構築します。また、システムの運用保守や改修も行います。
仕事内容
SEの仕事内容は、主に顧客の要望を元にシステム設計を行い、プロジェクト管理や品質管理、さらには技術サポートも担当します。つまり、システム開発全般に携わるすべての職種です。
ひとくちにSEといってもさまざまな種類があり、Webサイト開発から組み込み、IoTなど業務も多岐にわたります。また、必ずしも取引先などクライアントの仕事を担うわけではなく、社内SEという職種もあります。
市場における需要
デジタル化の進展により、SEの需要は一層高まっています。これにはIT業界全体が人材不足であること、また、高い専門性が求められる職種であること、IT業界の拡大などが影響してのことです。
需要の高さから年収も比較的高く、平均年収は約550万円(出典:厚生労働省「jobtag」)と、国内の正社員の平均額458万円(出典:国税庁)よりも高くなっています。特に、クラウドコンピューティング、AI、IoTなどの新技術を取り入れたシステム開発が活発であり、これらを扱えるSEは高く評価される傾向です。
また、多くの企業がDXを進めている中で、業務効率化や顧客体験の向上を担う重要な役割を担っています。
詳細なニーズのヒアリングや、クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションなどは人間だからこそ提供できる価値ともいえ、AIがさらに普及したとしても、今後もSEの需要はなくならないと考えられます。
なお、SEの将来性については以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事:SEは将来性が高い!需要がある理由・おすすめの分野についてデータをもとに解説
未経験からSEになれる適性がある人の特徴
未経験でもSEを目指すことはできますが、向き・不向きはあります。
未経験でもSEになれる可能性の高い人の主な特徴は、以下のとおりです。
- コミュニケーション力がある
- プログラミングスキルを身につけている
- スケジュール・タスク管理スキルに長けている
- 論理的思考ができる
コミュニケーション力がある
SEにとって、コミュニケーション力は仕事を進める上で非常に重要な要素です。
SEは、顧客のシステムに関する課題や要望を正確に把握し、それを実現するためのシステムを開発する必要があります。そのためには、顧客と密にコミュニケーションを取り、丁寧なヒアリングを行うことが不可欠です。
また、システム開発は、SE一人で行うものではありません。多くの場合、プログラマー、デザイナー、テスターなど、様々な職種のメンバーがチームを組んで開発を行います。チームメンバーと円滑にコミュニケーションを取ることができなければ、情報共有が滞ったり、意思疎通のミスが発生したりして、プロジェクトが遅延したり、品質が低下したりするリスクがあります。
SEを目指すのであれば、技術力だけでなく、コミュニケーション力も磨いていくことが重要です。
プログラミングスキルを身につけている
SEにとってプログラミングスキルは、必須ではありません。とはいえ、SEの仕事においてプログラミングスキルは重要なので、あった方が有利と言えます。
SEは、システムの仕様書を読み解き、その内容を理解しなければなりません。仕様書にはシステムの機能や動作、設計などが詳細に記述されており、多くは専門用語や記号を用いて記述されているため、プログラミングスキルがないと理解するのが難しい場合があります。
プログラミングスキルがあれば、仕様書に書かれている内容を実際にコードで書いてみることで、より深く理解できます。また、プログラミング言語の基礎知識があれば、仕様書に書かれている内容の妥当性や実現可能性を判断することも可能です。
スケジュール・タスク管理スキルに長けている
SEの仕事において、スケジュール・タスク管理スキルはあった方が有利です。
システム開発プロジェクトは、要件定義、設計、開発、テスト、リリースなど、多くの工程から構成されています。それぞれの工程には、さらに細分化されたタスクが多数存在します。これらのタスクを漏れなく、かつ効率的に進めるためには、スケジュール・タスク管理スキルが不可欠です。
また、経験を積んでくると、複数のプロジェクトを同時並行で進めることも珍しくありません。そのような場合、それぞれのプロジェクトのスケジュールやタスクを混同することなく、漏れなく管理することが重要です。スケジュール・タスク管理スキルがあれば、複数のプロジェクトを効率的に進めながら、それぞれのプロジェクトを目標達成に向けて遂行できるでしょう。
論理的思考ができる
SEを目指すには、論理的思考力も必須と言えます。
SEの仕事は、顧客のニーズを分析し、それを実現するためのシステムを企画、設計、開発、運用、保守することです。これらの業務において、論理的思考力は様々な場面で求められます。
例えば、顧客の要望を聞き取るだけでは、真のニーズを理解することはできません。顧客は、必ずしも自分のニーズを明確に言語化できるとは限らないからです。SEは、顧客の言葉の裏にある真意を読み取り、潜在的なニーズを引き出すことが重要です。
論理的思考力があれば、顧客の話を客観的に分析し、矛盾や曖昧な点を整理することができます。また、顧客のニーズを多角的に捉え、最適なシステムを提案できるでしょう。
未経験でSEを目指すなら プログラマーからのキャリアアップがおすすめ
未経験からSEを目指す場合、まずはプログラミングの基本を学び、プログラマーとしての実務経験を積むことが有効です。
プログラマーの実務を通して、プロジェクトの流れや実際の開発現場において課題に直面するなど、さまざまな経験を積むことで将来的にSEとしてのスキルアップに直結します。
また、プログラミングスキルだけでなく、システム設計や顧客とのやり取りなど、SEとして必要なスキルを段階的に身につけることができます。
未経験者が初めてプログラミング言語を学ぶのなら何がおすすめ?
未経験者が初めてプログラミング言語を学ぶなら、以下の3つの言語がおすすめです。
- Python
- JavaScript
- Go
Python
Pythonは、初心者向けのプログラミング言語としてよく推奨されています。
特徴は以下のとおりです。
- 文法がシンプルで読みやすい
- 様々な用途に使える豊富なライブラリが用意されている
- 学習教材が多い
JavaScript
JavaScriptは、Webページに動きやインタラクティブ性をもたせるために使われる言語です。
以下のような特徴があります。
- 比較的短期間で成果を実感できる
- WebサイトやWebアプリケーションの開発に必須の言語なので需要が高い
- フレームワークが豊富にある
Go
Goは、Googleが開発した比較的新しい言語です。
以下のような特徴があります。
- 高速で実行効率が高い
- 文法がシンプルでわかりやすい
- 並行処理や分散処理に優れている
SEへの転職に有利な資格
ここからは、SEへの転職に有利な資格を紹介していきます。
ただし、以下で紹介する資格の取得が全てのSEにとって必須というわけではありません。
基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験(FE)は、経済産業省が実施する国家試験で、情報処理技術者試験の中でも基礎的な知識・技能を問う試験です。合格者は「基本情報技術者」の称号が付与されます。
令和4年度(2022年)の合格率は25.3%で、近年は合格率が上昇傾向にあります。
参考:基本情報技術者試験
応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験(AP)は、経済産業省が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の一区分で、高度IT人材に必要な応用的知識・技能を問う試験です。合格者は「応用情報技術者」の称号が付与されます。
令和4年度(2022年)の合格率は21.9%でした。
参考:応用情報技術者試験
システムアーキテクト試験(SA)
システムアーキテクト試験(SA)は、経済産業省が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の一区分で、情報システムの企画、設計、開発、運用および保守に係る高度な知識及び、技能を有する者を認定する試験です。
高度IT人材育成のための試験であり、基本情報技術者試験 (FE) 、応用情報技術者試験 (AP) に続く、上級試験となります。
令和4年度(2022年)の合格率は6.1%と、情報処理技術者試験の中でも最も低い合格率となっています。
参考:システムアーキテクト試験
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークスペシャリスト試験(NW)は、経済産業省が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の一区分で、高度なネットワーク技術に関する知識と技能を認定する試験です。
高度IT人材育成のための試験であり、情報処理技術者試験の中でも上位試験に位置付けられます。
令和4年度(2022年)の合格率は8.4%と、情報処理技術者試験の中でも比較的低い合格率となっています。
参考:ネットワークスペシャリスト試験
その他基礎スキル資格
プロジェクトマネジメントの資格や、特定のプログラミング言語に関する認定試験など、SEとしてのキャリアを強化するために役立つ資格は多岐にわたります。
代表的な資格は、以下のとおりです。
- マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS):マイクロソフト社が認定する、Word、Excel、PowerPointなどのマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明する国際資格
- オラクルマスター(ORACLE MASTER):Oracle Databaseの管理スキルを証明するための日本オラクル社が実施するデータベース認定試験
- Linux技術者認定試験(LinuC):一般社団法人LPIジャパン(LinuC)が実施する、Linux技術に関する知識と技能を認定する試験
- シスコ技術者認定:米国のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が提供する、ネットワーク技術に関する知識と技能を証明するベンダー資格
- DB2エンジニア:主にIBMのデータベース製品であるDB2を扱うITエンジニア
まとめ
未経験からSEになる道は、適性と学びの意欲があれば決して遠いものではありません。基本的なITスキルを身につけ、適切な資格を取得することで、その可能性を広げることができます。SEとしてのキャリアを築きたい方は、この記事で紹介したステップを踏み、転職活動に備えましょう。
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