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高圧ガス製造保安責任者の資格とは?取得するメリットや難易度を紹介

高圧ガス製造保安責任者は、高圧ガスの製造現場で設備の安定稼働に貢献できる資格です。高圧ガスを取り扱う事業所ごとに、必ず設置する必要があります。国家資格であり、受験資格はとくになく、誰でも受験可能です。

この記事では、高圧ガス製造保安責任者の概要やメリット、種類などを解説します。高圧ガス製造保安責任者の重要性や取得の方法などを理解し、ぜひ資格取得を目指してください。

目次

高圧ガス製造保安責任者とは?


高圧ガス製造保安責任者は、工場などで高圧ガスを正しく管理し、事故を未然に防ぐための役割を果たします。

ここでは、高圧ガス製造保安責任者の仕事内容や平均年収を見ていきましょう。

高圧ガス製造保安責任者仕事内容

高圧ガスを扱う現場で設備の維持や点検、調査などを行うのが高圧ガス製造保安責任者の主な仕事内容です。高圧ガスを扱う責任者としての役割を求められます。

幅広い分野で活用されている高圧ガスは、圧力が高く、爆発や可燃、窒息、中毒などさまざまな危険を伴うものです。正しい知識と技術を持って適正に管理する必要があり、法律で厳しく規制されています。そのため、高圧ガス製造保安責任者は、高圧ガスを扱う事業所ごとに設置しなければいけません。

高圧ガス製造保安責任者の平均年収

高圧ガス製造保安責任者には全部で9種類の資格が存在し、それぞれ平均年収は異なります。同じ資格を有していても、企業によって年収の幅は大きいのが特徴です。

一般的な年収の相場は400万円以上であり、さまざまな求人の条件を調べてみると、400~700万円程度が平均年収です。


高圧ガス製造保安責任者の資格の種類


高圧ガス製造保安責任者は国家資格であり、年齢や学歴を問わず受験が可能です。前述したように9種類に区分されており、それぞれ合格率は異なります。資格の種類によって試験内容や扱えるガスの種類が違うため注意しなければなりません。

ここでは、資格の概要や免除方法について紹介します。

高圧ガス製造保安責任者資格の概要

高圧ガス製造保安責任者資格の概要は、以下の表の通りです。

正式名称

高圧ガス製造保安責任者

受験資格

年齢、学歴、経験に関係なく誰でも受験可能

受験料

甲種化学・甲種機械・第一種冷凍機械 17,300円(書面申請は17,800円)

乙種化学・乙種機械・第二種冷凍機械 11,100円(書面申請は11,600円)

丙種化学(液石)・丙種化学(特別)・第三種冷凍機械 9,800円(書面申請は10,300円)

試験日

2023年11月12日(2023年度試験)

試験内容

法令・保安管理技術・学識

合格率

甲種化学:61.7%、甲種機械:56.3%、一種冷凍:64.0%、

乙種化学:44.2%、乙種機械:42.1%、

丙種化学:(液石):36.0%、丙種化学(特別):53.9%、

第二種冷凍機械:45.9%、第三種冷凍機械:32.4%

※2023年7月15日時点

資格区分により試験実施権者が異なります。甲種化学・甲種機械・第一種冷凍機械責任者の試験実施者は経済産業大臣で、開催地は札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、宜野湾市のみです。それ以外の区分は、各都道府県で受験できます。

受験料は資格区分によって異なり、2023年度の受験料は9,800~17,800円です。書面申請では受験料が500円上がるため注意してください。

高圧ガス製造保安責任者資格試験科目の免除 

同試験では、事前に講習を受けることで一部の試験科目が免除されます。資格の種類ごとに、試験科目の免除に必要な講習の種類や免除科目が異なるため注意してください。

講習費用は2~3万円で、1日7時間の講習を3日間受けなければいけません。オンライン講習が実施されているため、住んでいる場所に関係なく受講できます。ただし、事前の申込が必要なため、スケジュールを確認しておきましょう。

試験科目免除に必要な講習を受講して修了すれば、「保安管理技術」「学識」の2科目が免除されます。科目免除を適用することで、試験科目を「法令」のみにすることが可能です。

また、すでに別の種類の資格を取得していると「法令」も免除できるケースがあります。例えば、甲種化学の試験では甲種機械に合格していると「法令」の科目の免除が可能です。3科目が免除されれば、無試験で合格できる場合もあります。

全科目受験するよりも科目免除した人の合格率が高いため、事前講習はなるべく受けたほうが望ましいでしょう。


高圧ガス製造保安責任者を目指す資格取得の3つのメリット


高圧ガス製造保安責任者の資格取得のメリットは、以下の3点です。

  • 有資格者にしか認められない保安業務に携われる
  • 資格保有者のみを対象とした求人に応募できる
  • 資格保有していない人に比べると年収が高い


高圧ガス製造保安責任者を取得することで、有資格者にしか認められない保安業務に取り組めるのが大きなメリットです。資格保有者を必須条件とした求人にも応募できるようになります。資格を保有することで年収も増えるでしょう。

高圧ガス製造保安責任者を目指すメリットを、さらに詳しく解説します。

有資格者しか携われない業務がある

有資格者になることによって、高圧ガスの保安業務に携われるのがメリットの一つです。

資格を持っていなければできない業務なため、高圧ガスを扱う職場でスキルアップやキャリアアップを目指している人は、資格取得することをおすすめします。より専門的で責任のある業務に携われるようになるでしょう。

有資格者資格保有者のみを対象とした求人に応募できる
資格を保有することで、高圧ガス製造保安責任者を募集条件とした求人に応募できるようになるのがメリットです。

高圧ガス製造保安責任者の資格保有者のみを対象とした求人はたくさんあります。よりよい条件の求人に応募したいならば、高圧ガス製造保安責任者の取得は必然です。

資格保有していない人に比べ年収が高い

高圧ガス製造保安責任者の資格保有者は年収が高い傾向にあります。受験資格に実務経験は求められないため、資格取得だけで年収アップが見込めるでしょう。スキルアップ・キャリアアップを図ることができ、待遇も良くなります。資格手当を支給してくれる企業も多いのが特徴です。

ただし、資格の種類によって年収の増え方は異なります。役職や実務年数の違いも年収に影響する点に注意してください。


圧ガス製造保安責任者の資格分野は主に2つ


高圧ガス製造保安責任者の資格は、大きく2分野に分けられます。

  • 化学・機械分野
  • 冷凍機械分野


それぞれ資格保有者の活躍する現場が異なります。化学・機械分野は、高圧ガスの製造事業所で設備の点検や検査をするのが特徴です。

一方、冷凍機械分野の場合は、工場に設置された大型の冷蔵庫・冷凍庫やエアコンの空調設備などを扱います。

高圧ガス製造保安責任者の主な種類について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

化学・機械分野

化学・機械分野の資格を取得すれば、高圧ガス・LPガスなどを扱う製造現場で管理や指揮の業務を担当できます。

化学・機械分野に該当する資格は、「甲種化学・甲種機械責任者」「乙種化学・乙種機械責任者」「丙種化学(液化石油ガス)責任者」の4種類です。

甲種がもっともレベルが高く、次に乙種で、もっとも低いのが丙種として扱われています。甲種の資格を取得すれば、仕事の幅が広がり、条件の良い求人に応募できるようになるでしょう。

冷凍機械分野

冷凍機械分野の資格を取得すると、工場にある大型冷蔵庫・冷凍庫やエアコンの空調設備の稼働時に活躍できます。工場だけではなくオフィスビルや病院、学校、ショッピングセンターなどの冷凍設備の維持管理も担当できるのが特徴です。

冷凍機械分野に該当する資格には、「第一種冷凍機械責任者」「第二種冷凍機械責任者」「第三種冷凍機械責任者」の3種類があります。



【全9種類】高圧ガス製造保安責任者の資格内容 


大きく2分野に分かれる高圧ガス製造保安責任者ですが、資格の種類自体は全部で9種類です。それぞれの概要や試験科目、対応できる業務について紹介します。

1.甲種化学責任者

高圧ガスの製造現場で、設備の維持や検査、スタッフの指揮などができる資格です。扱える高圧ガスの種類や製造施設の規模に制限はありません。保安技術管理者や保安主任者、保安係員に制限なく就任できるのが特徴です。

試験では、化学・応用化学を中心に出題されます。大学レベルの高度な知識を問われるため、難易度は高いです。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術
  • 学識


2.甲種機械責任者

高圧ガスを扱う現場で、設備の維持管理や点検、検査員の指揮などができる資格です。扱える高圧ガスや製造施設の規模に制限はありません。高圧ガスを扱うすべての製造施設で保安業務を行えます。

施設の規模に関係なく保安技術管理者に就任できるため、将来のキャリア形成の幅が広がるのがメリットです。

試験は機械工学を中心とした内容で出題されます。大学レベルの機械工学の知識が求められ、記述式の出題があるため、しっかりとした対策が必要です。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術
  • 学識


3.乙種化学責任者

高圧ガスの製造現場で、設備の維持や点検、検査員の指揮などを行える資格です。

扱える高圧ガスの種類について制限はありません。乙種化学責任者で保安技術管理者に選任できるのは、処理能力が100万㎥/日未満の事業所に限定されます。

試験は化学を中心に出題され、高校レベルの知識で解答できる問題が多い傾向にあります。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術
  • 学識


4.乙種機械責任者

高圧ガスの製造現場で、設備の維持や点検、検査員の監督などができる資格。資格保有者は保安主任者や保安係員、販売主任者などに就任できるのが特徴です。

ただし、保安技術管理者に就任できるのは、処理能力が100万㎥/日未満の事業所に限定されます。

試験は、機械工学が中心です。工業高校レベルの知識があれば合格を目指せるでしょう。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術
  • 学識


5.丙種化学(液化石油ガス)責任者

LPガスの製造事業所で、設備点検や検査などを担当するのに必要な資格です。保安主任者や保安係員などは制限なく就任できます。

保安技術管理者は、処理能力が100万㎥/日未満のLPガス事業所に限り就任可能です。

試験では、液化石油ガスの製造に関する知識や管理技術について問われます。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術
  • 学識


6.丙種化学(特別試験科目)責任者

丙種化学(特別試験科目)責任者は、LPガスを扱う事業所で点検や検査などを担当できる資格です。

資格を取得すると、保安係員にのみ就任できます。試験内容は、基礎的なレベルが中心です。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術
  • 学識


7.第一種冷凍機械責任者

高圧ガスを利用した大型の冷凍設備の調査や点検などの管理を行う専門資格です。第一種であれば、施設規模に関係なく冷凍設備の管理ができます。

第一種冷凍機械責任者を保有する者は、冷凍装置検査員になれるのがメリットです。冷凍装置検査員は、冷凍装置の製造について、材料試験や耐圧試験、気密試験の検査業務に携われます。

近年は、冷凍機械責任者を必要としない冷凍機の導入が増えました。そのため、冷凍機械責任者の資格は、知識や技術を証明する検定試験として位置づける企業が多くなっています。

試験は、大学工学部卒業程度の高度な知識が問われるのが特徴です。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術
  • 学識


8.第二種冷凍機械責任者

主に中型の冷凍機械の点検や検査などの業務を担当できる資格です。

化学工場や食品工場、冷凍倉庫などで重宝されます。1日の冷凍能力が300t未満の施設でしか働けません。試験は工業高校卒業程度のレベルとされています。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術
  • 学識


9.第三種冷凍機械責任者

主に小型の冷凍機械のある現場で、設備点検や検査、監督業務などを行える資格です。1日の冷凍能力100t未満の製造施設のみで働けます。

オフィスビルや病院、ショッピングセンターなどで空調設備のメンテナンスをするのに重宝される資格です。また、小規模な食品工場や化学工場などでは、第三種でも十分なケースもあります。試験のレベルは、第二種よりもやや易しいレベルです。

<試験科目> 

  • 法令
  • 保安管理技術



まとめ


高圧ガス製造保安責任者を持っていると、高圧ガスを扱う専門家として設備の維持や点検、指導などの仕事ができるようになります。応募できる求人の幅が広がるため、年収アップも実現できるでしょう。

高圧ガスを扱う職場で働いていて、スキルアップ・キャリアアップを目指す方は高圧ガス製造保安責任者の取得をぜひ検討してみてください。


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