化粧品工場の仕事内容|やりがい・向いている人の特徴・必要なスキル・求人例
化粧品製造工場での仕事には主に機械オペレーター、検品、梱包の作業があります。どの仕事も基本的には簡単な作業を繰り返すことになるので、同じ作業でも楽しめる人が向いています。製品を作る達成感を得られることや需要が安定していることが、メリットです。本記事では化粧品製造工場で働くことのメリットや大変な部分、給与例や求人事例を紹介します。応募前に本記事を確認し、自分の希望に合った職場を見つけましょう。
化粧品工場の仕事内容
化粧品工場では、大きく分けて下記の三つの仕事が行われています。
- 機械オペレーター
- 検品作業
- 梱包作業
作業内容と、作業をする上で気を付けることを解説します。
機械オペレーター
機械オペレーターは、ライン上に設置されている機械を操作する仕事です。細かな作業内容は工場や扱う機械によって違いますが、作業の中心は材料を機械にセットしボタンを押すことです。完成した化粧品を容器に入れたり、手作業で作るのが難しいものや部品、小物を作製したりします。ただし、ボタンを押すだけではなく複雑な操作が求められたり、機械のメンテナンスをしたりする場合もあります。
ライン上に設置された機械を操作することになるので、遅れを出さないように丁寧かつ迅速な作業が要求されるでしょう。また、材料の設置忘れやボタンの押し間違いなど機械の操作をミスしないことも重要です。
検品作業
検品作業は、できあがった製品に不備がないかをチェックする仕事です。機械オペレーターと同様ライン上で作業をし、規定の項目に従って機械と目視で検査します。具体的なチェック項目は化粧品によって違いますが、定められた基準を満たしているか、色、粘り気、香りなどに異常がないか、容器が破損していないか、液漏れはないかなどです。
検品作業は、些細な異変も見逃さない注意力とそれを持続する集中力が求められます。また、ライン上での作業ですので、ゆっくりと時間をかけてチェックすることはできません。迅速さも必要です。この作業工程でミスを見つけられなければクレームやリコールなどにつながってしまうため、異変を見逃さないという責任感も要求されるでしょう。
梱包作業
梱包作業では、検査・検品で問題がなかった製品を箱詰めします。ライン上でいくつかの作業に分担して箱詰めをしていくことが多いです。箱を組み立てる作業、流れてくる製品に取扱説明書を入れる作業、シールを貼る作業などです。例えば、シールを貼る作業の担当になったらシール貼りだけを繰り返します。従って、同じ作業を続ける集中力と忍耐力が求められます。扱う製品は一日中同じこともあれば、複数の場合もあります。
化粧品工場の仕事のやりがい
化粧品工場は他の工場と比べて、どのようなやりがいがあるのでしょうか。特に下記の2点が挙げられます。
- 製品として完成させる達成感
- 成長が期待されている業界のため一定の需要があり、安定している
化粧品工場ならではのメリットともいえるのは、業界の成長度合いです。それぞれのやりがいについて、具体的に見てていきましょう。
製品として完成させる達成感
化粧品工場で働くメリットの一つは、製品を完成させる達成感を味わえることです。一つの化粧品ができあがる工程に関わり、完成した姿を見ることができるのは製造業ならではの魅力といえます。
機械オペレーターであれば、化粧品の一部分を作製する担当であり、消費者としてはなかなか出合えない化粧品の原点が見られます。検品作業は、安心・安全な化粧品を出荷するための要の作業であり、自分が好きな化粧品ブランドの工場で働いていたら「ここの化粧品は私が仕上げをしているんだ」と誇りに思えるでしょう。そして、梱包作業は消費者に届けるための最終工程です。ここで丁寧に梱包をしてようやく製品が完成するので、一番達成感が得られる工程でしょう。
成長が期待されている業界のため、一定の需要があり安定している。
化粧品業界は今後海外需要の伸びが期待されているため、化粧品製造の仕事も需要があり、安定しているといえます。中でも人口が増加傾向にあり、1人当たりの名目GDPの成長が見込まれるアジア圏での需要が高まることが予想されています。それに合わせて、化粧品工場での働き手もより求められるようになっていくでしょう。
化粧品工場に向いている人の特徴
化粧品製造の工場に向いているのは、下記のような人です。
- 集中力のある人
- 単純作業の得意な人
化粧品の工場ではどのような場面で上記の特徴が求められるのかを含めて、詳細を説明します。
集中力のある人
化粧品の製造工場では、集中力が求められます。化粧品を作る過程で一つでもミスがあれば、その化粧品を使用した顧客に損害を与えかねないからです。従って異物が混入しているのを見逃してしまったら、大きなクレームにつながるでしょう。そうした事態を防ぎ安心・安全な製品を消費者に届けるためにも、作り手はミスがないよう常時集中して仕事にあたらなければなりません。特に異常や不備がないかをチェックする検品作業では、ライン上で作業するため周りとスピードを合わせつつ自分のチェック項目を確認する素早さと正確さ、それを持続する集中力が求められます。
単純作業の得意な人
化粧品工場の仕事は、単純作業の繰り返しが得意な方に向いています。工場では、自分が任された一つの作業を繰り返すことになるからです。化粧品工場の仕事の多くは、ライン上で行いますので梱包作業であれば、箱を組み立てるだけの仕事、製品に説明書を入れるだけの仕事、パッケージシールを貼るだけの仕事のように、作業内容が限られていることが多いです。その分、覚えることは簡単ですが、慣れると飽きてしまいがちです。しかし単純作業が好きであれば、それを苦痛に感じずに仕事ができるでしょう。過去にコンビニエンスストアのアルバイトなどで次々と新しい要素が入ってきて、作業が覚えられずに苦労したという方は、工場での単純作業が向いているかもしれません。
化粧品工場の仕事はきつい?
化粧品という身近なものの製作に関われる魅力ある仕事ですが、大変な部分もあります。
- 立ち仕事であること
- 単純作業であること
実際にどのような場面できついのかも併せて、説明します。
立ち仕事であること
化粧品工場での仕事は、立ち仕事が大半です。直立や中腰など数時間以上同じような姿勢で立ったままで、休憩時間まで座れないケースも多々あります。腰痛や肩こりになりやすく、足のむくみも気になるでしょう。
立ち仕事で痛みやむくみが出てくるのは、同じ姿勢が長時間続くことによる血行不良が原因の場合もあります。休憩時間などに、軽くストレッチをすると予防できます。痛みが出ないよう肩や腰、足首、首をゆっくり回したり、ふくらはぎを軽く揉んでマッサージをしたりすると体への負荷が軽くなるでしょう。また、靴が合っていないと疲労がたまりやすくなるので、サイズが合っているものを選び、クッション性のある中敷きを入れると対策ができます。
単純作業であること
化粧品工場での仕事は、基本的に単純作業が続きます。だからこそ慣れやすいのですが、飽きてしまうこともあるでしょう。8時間同じ仕事を続けるというのは、精神的にも負担になります
製品を使ってくれる人を思い浮かべたり、作業の中で自分なりの目標を立てたりすると頑張りがいが出てきます。例えば、化粧品が店舗で並んでいるところをイメージしたり、自分の中で「今日の注意するところはここだ」と定めて作業したりしてみましょう。
化粧品工場で必要なスキル・資格
化粧品工場で働くにあたって、必須のスキルはありません。これまで見てきたように、作業自体は単純なものが多く、資格がないとできない仕事を任されることはないでしょう。
製造の現場ではなく、化粧品を扱う会社で化粧品の企画・開発・製作などをする場合には、下記の資格が必要とされています。
- 日本化粧品検定
- 薬剤師
それぞれの資格について内容や取得のメリット、難易度を解説します。
日本化粧品検定
文部科学省後援の資格で、美容の基礎知識から皮膚構造や肌タイプ、化粧品の原料まで化粧品に関する幅広い知識を得られる資格です。3級~1級まであり、1級では化粧品と医薬品医療機器等法や化粧品の広告やPRのための表示ルールなど専門的な知識も試験範囲に含まれています。日本化粧品検定は化粧品会社などで社員教育に導入されおり、昇格の条件にしている企業もあります。また仕事だけではなく、私生活でも自分に合った化粧品を自信を持って選べるようになるほか、メイク方法やスキンケアについても知識が得られるので、間違った情報に振り回されることもなくなります。取得すれば履歴書に記載できるので、企業に化粧品知識を持っていることをアピールできることも特徴です。試験を実施している協会によると3級の合格率は発表されていませんが、2級は71.3%、1級は67.5%ですので7割前後の合格率です。きちんと勉強すれば十分に合格できる難易度でしょう。
薬剤師
薬剤師は薬局や製薬会社で活躍しているイメージが強いですが、化粧品メーカーでもその知識を活かせます。研究開発や製品の品質管理、製造管理、営業・販売で、薬剤師の薬学の知識が必要とされています。化粧品メーカーへの就職は、女性の薬剤師に人気があるものの求人は少ないです。薬剤師になるためには大学の薬学部で6年間学んだあと、年に1度の国家資格試験に合格しなければなりません。例年の合格率は70%~90%と高めです。しかし、大学で6年間学ばなければならないので、社会人になってから薬剤師を目指すのは少しハードルが高いかもしれません。
化粧品工場勤務の場合の給与
化粧品工場で働くときの給与例を、仕事ごとに下表にまとめました。
仕事内容 | 給与 | 雇用形態 | 勤務時間 |
箱詰め | 時給1,410円 | アルバイト・パート | 昼か夜の固定勤務(実働7時間程度) |
検品、箱詰め | 時給1,470円以上 | アルバイト・パート | 夕方から夜(実働7時間45分) |
検品、箱詰めなど | 時給1,250円 | 派遣社員 | 朝から夕方(実働8時間) |
機械オペレーター | 時給1,400円以上 | アルバイト・パート | 朝から夕方(実働8時間) |
機械オペレーター | 時給882円~1,000円 | アルバイト・パート | 朝から夕方(実働8時間) |
製造補助・オペレーター業務 | 時給1,300円~1,625円 | 派遣社員 | 朝から夕方(実働8時間) |
正社員以外の雇用形態だと給与は時給換算で、業務内容による差はあまりありません。だいたいは、時給1,200円~1,400円前後です。ただし同じような作業や、同一市内の勤務地であっても、時給が違うこともあるので複数社比較してみるのがよいでしょう。
化粧品工場の求人例
化粧品工場の求人例を詳しく見ていきましょう。
- 事例1:ボトルのキャップを取り付ける仕事、時給 1,400円~1,750円、土日祝休み
- 事例2:ライン作業(ボトルを機械にセット、キャップ締め、箱詰めなど)、時給1,000円、土日祝休み
上記2つの例で詳細を見てみます。
事例1
一つ目の事例は、ボトルのキャップを取り付ける仕事です。化粧品工場ではよくある作業ですので、その給与や待遇について確認してみましょう。
給与 | 時給1,400円~1,750円 |
休日 | 土・日・祝日、有給休暇あり |
残業 | あり(残業・休日出勤できる方歓迎) |
学歴 | 不問 |
必須・優遇される資格 | 特になし |
その他 | 従業員男性4:女性6の比率、3日間の研修あり、社会保険完備、食堂利用可能、無料駐車場あり、交通費別途支給 |
大手化粧品メーカーに関係する工場で、福利厚生などの待遇が手厚いことが特徴です。求人情報を探す際には、メーカーにも注目してみましょう。
事例2
二つ目の事例は、ライン作業で仕事の候補がいくつかあるパターンです。給与などの詳細を見ていきます。
給与 | 時給1,000円(年2回ボーナスあり) |
休日 | 土・日・祝日 |
残業 | なしも可 |
学歴 | 不問 |
必須・優遇される資格 | 特になし |
その他 | 各種保険制度あり、社員割引あり、交通費支給、車通勤可能、日勤専属、20代~50代が活躍中 |
普段の給料と併せて、ボーナスが支給されることが特徴です。求人情報の中には働き手の年齡が記載されていることもあるので、自分の年齡に近い人がいるかどうかも注目してみましょう。
まとめ
化粧品工場には機械オペレーターや、検品、梱包作業などの仕事があります。機械オペレーターは機械に材料を設置し、ボタンを押して機械を操作して製品を作ります。検品作業では、製造された化粧品に不備がないか、規定のチェック項目に照らし合わせて確認します。そして梱包作業では、箱の組み立てや説明書の同梱、製品の箱詰めなどを行います。
どれも単純な作業の繰り返しが多くなります。その分、必須の資格はありませんが、作業に慣れてしまうと飽きてしまい、仕事の時間が長く感じられるかもしれません。しかし、そのような作業の繰り返しが好きな方や、一つの化粧品ができあがる過程に携わりたい方には向いている職場です。時給も1,000円以上が多く、アルバイトやパート先にはぴったりでしょう。化粧品に関わる仕事がしてみたい人は、ぜひ求人情報を探してみてください。