半導体工場はきつい?やめとけと言われる理由は5つ!向いている人の特徴も解説
「半導体工場はきついからやめとけ」と耳にすることがありますが、なぜでしょうか。自分の適性を噂話で判断する前に、まずは半導体工場の現状や仕事内容をしっかりと把握することが大切です。
本記事では、半導体工場はやめとけと言われている理由や向いている人の特徴なども解説します。
半導体工場はやめとけと言われる理由
最初に、なぜ半導体工場はやめとけと言われているのか、その理由について詳しくチェックしていきましょう。
身だしなみなどのルールが厳しいから
半導体は非常に繊細なものなので、半導体を取り扱う工場ではルールが厳しく設けられています。特に厳しいのは、制服やヒゲ・化粧など身だしなみに関することです。
何の理由もなしにルールが厳しく設定されるとストレスを感じてしまいがちですが、ルールが厳しく設定されているのは半導体の不良原因となる小さなゴミやホコリを入れないようにするためであり、しっかりと理由があります。
生産ノルマを課せられることもあるから
半導体工場では、細かい製品を1日に万単位で製造する必要があるため、生産ノルマを課せられることがあります。生産ノルマを達成しないと、改善を求められたり、自身の評価やボーナスが下がったりする可能性があるでしょう。
生産ノルマがプレッシャーに感じることもありますが、ノルマをクリアしたときの達成感や評価されるとボーナスが上がるというメリットもあります。
単純作業が続くから
半導体工場で行う作業は、単純作業が基本です。同じ作業を繰り返すことになるので、しっかりとルールに基づいて作業できるか、そのルールを覚えられるかどうかが大切なポイントとなります。
同じことを続けるのが苦手な方は苦しく感じるかもしれませんが、苦手ではない方は逆に他の仕事よりも楽に感じるでしょう。
拘束時間が長い傾向にあるから
拘束時間が長い傾向にあることも、半導体工場がきついと言われている理由です。厚生労働省の職業情報提供サイト「Jobtag」によると、平均の労働時間は月164時間です。
月の労働平均時間は200〜220時間といわれているため、全体で考えると半導体工場の労働時間は少なめといえます。外が見えない工場の中で単純作業を行うため、他の仕事よりも拘束時間が長く感じることもあるでしょう。
※参考:厚生労働省「jobtag」|半導体製造
夜勤がある職場が多いから
半導体工場勤務は、夜勤があるのも大きな特徴です。夜勤になると昼夜が逆転するため、生活が不規則になり、健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。規則正しい生活を送っている方で夜勤が増えると体調を崩してしまいがちですが、夜に強く、夜勤に慣れている方ならそこまで影響を受けることはないでしょう。
半導体工場の仕事内容
上記の理由から、半導体工場はやめとけと言われていますが、半導体工場ならではのやりがいもたくさんあります。
そもそも、半導体はスマホやタブレットなど電子機器の基幹部品となるため、私たちの生活にも必要不可欠なものです。世の中の生活を豊かにするための部品を製造している半導体工場勤務は、世のため、人のための仕事と言えるでしょう。
なお、半導体工場の主な仕事内容としては、下記の3つの工程があります。
- 設計:フォトマスクを作成する工程、回路パターン、レイアウト設計を行う工程
- 前工程:シリコンウェーハ上に、半導体チップを作る工程
- 後工程:ウェーハからチップを切断して、製品として組み立てる工程
上記の工程で、主に担当するのはマシンオペレーター、組み立て、検査・検品、運搬・出荷作業となります。
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半導体工場の勤務が向いている人の特徴
以下のような特徴に当てはまる人は、半導体工場の勤務が向いているといえるでしょう。
- 同じ作業に黙々と取り組める人
- 何事にも責任感を持って取り組める人
- 細かい作業が得意な人
それぞれ、詳しく見ていきます。
同じ作業に黙々と取り組める人
半導体工場の勤務に向いている人は、同じ作業に黙々と取り組める人です。前述したように、半導体工場の仕事内容は単純作業が多く、それぞれの作業にルールが決まっています。ルールさえしっかりと把握しておけば、誰でもすぐに仕事ができるというわけです。
また、課せられているノルマを達成するには、高い集中力を維持しながら作業する必要があります。いろいろな人とコミュニケーションを取るよりも、1人で黙々と作業したい方には向いている仕事です。
何事にも責任感を持って取り組める人
何事にも責任感を持って取り組める人も、半導体工場の勤務に向いています。半導体の取り扱いや検査は非常に微細で、専用の顕微鏡を使って外観に違いがないかチェックしなければなりません。
特に、検査の際に異常を見落とすと損失につながる恐れがあります。些細な異常でも見逃すことなく、責任感を持って検査が行える人や集中力が保てる人は半導体工場勤務がおすすめです。
細かい作業が得意な人
仕事内容の1つである「半導体の組み立て」を行う際は、小さな部品を扱うことになるので非常に繊細な作業になります。そのため、細かい作業が得意な人ほど効率的に作業でき、半導体工場の勤務に向いているといえるでしょう。
大雑把な性格の方や初めての方でも、マニュアルを元に部品の組み合わせや配置のコツを掴むと、業務に慣れてくるので不安に感じる必要はありません。
半導体工場で働くメリット
具体的に、半導体工場で働くメリットには何があるのでしょうか。
主なメリットを5つ紹介します。
- 収入が高い傾向にある
- 肉体を酷使することがない
- 専門知識や資格が必要ない
- きれいな工場で作業できる
- 将来性が期待できる
収入アップが期待できる
半導体工場勤務は、収入アップが見込めます。国税庁が発表している平均年収は461万円で、半導体製造工場の平均年収は412.7万円です。平均年収に比べるとやや低いものの、半導体は年々需要が高まってきているため、他の工場よりも収入が高い傾向にあります。実績とキャリアによっては、年収アップが期待できるでしょう。
※参考:国税庁|平均給与
※参考:厚生労働省「jobtag」|半導体製造
肉体を酷使することがない
半導体工場の基本業務は、「機械の管理」と「製品の検査」が中心となるため、肉体労働はほとんどありません。
半導体製造に必要な部品を運ぶ作業はありますが、重いものを持つことは少ないので体力に自信がない人でも働きやすい環境となっています。半導体工場は、肉体労働が苦手な方でも安心です。
専門知識や資格が必要ない
作業や仕事内容のルールがしっかりと決まっている半導体工場は、機械の操作などマニュアルを読めば未経験者でも難なく仕事をこなすことができます。専門知識や資格が必要な仕事だと思われがちですが、実際には必要ありません。
ただし、半導体技術者検定や衛生管理者、毒物劇物取扱者試験、危険物取扱者などの資格を取得すれば、より専門的な業務に携わることができます。
きれいな工場で作業できる
繊細な部品を扱うことが多い半導体工場は、チリやホコリが製品に入らないように、完全屋内&クリーンルームで作業を行います。クリーンルームとは、温度管理が厳重に行われ、冷暖房が完備されている空間のことです。そのため、綺麗で快適な作業環境で働けるのも、半導体工場に務めるメリットといえるでしょう。
将来性が期待できる
半導体は常に最新技術を取り入れているため、工場で勤務すると最新の技術と進化する製造プロセスに触れることができます。たとえば、AIを利用した産業用ロボットやIoTを導入した製造プロセスなどです。
また、設備の稼働データなどを可視化し、収集・分析することで事前に故障を予測し生産性を向上できるDXの導入も注目されています。最先端技術に興味がある人にとっては、日々の作業にやりがいを感じられるでしょう。
半導体工場で働く際の注意点
半導体工場で働くメリットだけでなく、注意点もしっかりとチェックしておきましょう。半導体工場で働く際の注意点は、以下の2点です。
人によってはクリーンルームが合わない
半導体工場での勤務中は、大半を工場内やクリーンルーム内で過ごすことになります。基本的に外の様子が見えない無機質な空間で、温度・気流・気圧は製品に合わせているため、人によっては居心地が悪く感じることもあるでしょう。閉鎖的な空間が苦手で息が詰まるという方は注意が必要です。
高価な精密機器を触るプレッシャーがある
半導体は電子部品の貴重な部品で、半導体を製造する装置は数億円するものもあります。誤った手順で操作すると誤作動を起こしたり、故障の原因になったりするので要注意です。
たとえ、小さな部品でも、破損すると生産に大きなダメージを与えてしまう恐れがあります。高価な精密機器を触るプレッシャーがあり、慎重に取り扱う必要があるのも注意点の1つです。
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半導体工場で働いてみよう
半導体工場勤務は「大変」「きついからやめとけ」などと言われることがありますが、これには身だしなみのルールが厳しく設定されていることや、生産ノルマが課せられていることなど、さまざまな理由が挙げられます。半導体という繊細な部品を扱う仕事の性質上、細かく制限が設けられているのは仕方ないでしょう。
とはいえ、半導体工場は最先端技術に触れられるほか、単純作業なので仕事を覚えやすい点、未経験者でも働きやすい点などのメリットもあります。ワールドインテックのFC事業部では、未経験者OKの求人を多く扱っているので、半導体業界に興味がある方はぜひチェックしてください。