製薬 会社の仕事内容とは?特徴や求められるスキルについても解説!
「製薬会社の仕事って具体的になに?」「就職先として人気があるの?」という疑問をもっている人に向けて、製薬会社の仕事内容を職種別に詳しく解説します。また、製薬会社で働く際に求められるスキルや向いている人の特徴についても紹介するので、ぜひ本記事を参考にしてください。
製薬会社について
製薬会社とは、医薬品の開発・生産を行なっている企業のことで、一般的に以下の3つに分類されます。
- 医薬品の開発・生産・販売を一手に引き受ける「医療用・一般用医薬品メーカー」
- 海外資本を取り入れた「外資系製薬会社」
- 主に後発医薬品を取り扱う「ジェネリック医薬品メーカー」
また、製薬会社は福利厚生が手厚い傾向にあるほか、柔軟な働き方ができることから、就職・転職先として高い人気があります。
事務職なら派遣社員も多い傾向にある
製薬会社の開発職には理系の正社員が多く在籍していますが、専門知識が少なくても活躍できる事務職であれば、派遣社員の採用もあります。
製薬会社の平均年収
製薬会社の平均年収は、おおむね500~600万円前後であり、国内企業よりも外資系の企業のほうが、給料面の待遇がよい傾向にあります。
外資系企業の開発規模の大きさが理由に挙げられますが、実力主義の傾向が強いため、年収の差は大きいでしょう。
製薬会社の職種と仕事内容
この章では、製薬会社の職種別に仕事内容を詳しく解説します。
研究職
研究職とは、新薬の開発・実験などを行う職種であり、製薬会社にとって臨床試験前の重要な役割を果たします。研究内容は、以下の2種類です。
- 基礎研究
- 応用研究
柔軟な発想力と、何度も試行錯誤を繰り返す忍耐力が求められるでしょう。
基礎研究職
医学に関する基礎知識や最新の研究成果をもとに、新薬の開発に向けて仮説を立て、実験や分析を繰り返し行うことが主な業務です。薬の製品化のためには、基礎研究だけではいたらないケースもありますが、基礎研究の内容が他の研究に活用されることもあるため、製薬会社にとって重要な職種であると言えるでしょう。
応用研究職
応用研究職は、基礎研究職が発見した研究成果や仮説をもとに、実際の製薬会社の製品としての薬を作る仕事です。動物などを利用した非臨床試験も行なっており、安全かつ製薬会社としての利益を生み出せるような薬の研究を担っています。
開発職
開発職は、研究職が開発・実験を行なって製作した医薬品の臨床試験を通じて、安全性を確認するのが主な仕事内容です。医薬品が販売されるまでに、開発職による臨床試験を複数回にわたって行う必要があるため、市場に出回るまでにはある程度の時間を要するでしょう。
医薬品の営業・販売
MRとも呼ばれる医薬品の営業職は、医療現場におもむき医薬品を販売するのが主な仕事内容です。医薬品に関する専門知識が求められますが、文系・理系問わず目指せる職種であり、求人数も多い傾向にあります。
生産
生産された医薬品の適切な品質管理・保証の業務を担い、安全性が確保された製品を市場に送り出します。品質管理・保証が適切でなければ、人体への影響や薬の効果が十分に発揮できない可能性があるため、生産職は責任の伴う重要な仕事と言えるでしょう。
薬事部門
薬事部門は、法的観点から自社製品の取り扱いが違反ではないか調査したり、厚生労働省へ報告書を提出したりすることが主な業務です。日頃から薬事法に関する高い関心をもち、改正された際には、迅速かつ適切に対処する必要があります。
事務職
事務職には、人事や総務、経理、広報など製薬会社の根幹を支える職種が該当します。応募条件のハードルが高い研究職や開発職に比べ、幅広い経歴から求人を募る企業が多い傾向にあるため、製薬業界を目指したい人にはおすすめです。
製薬会社で働く際に求められるスキル
製薬会社で働く際には、以下の2つのスキルが主に求められます。
現場ごとの医療・医薬品の専門知識
医療や医薬品の基礎的な知識はどの職種にも求められますが、現場ごとに知識の種類は異なります。
たとえば、研究・開発職の場合は特に高い専門知識が求められ、営業職の場合は一般的な専門知識に加え、医薬品を安全に届けるための知識も必要です。部署ごとに求められる知識が異なるため、入社後も勉強して、職種に合った知識を身につけましょう。
英語力
製薬会社は外資系の企業が多い傾向にあるため、英語力が求められます。また、いくつかの国の企業や、地域の医療機関が共同で行うグローバル治験への参加を希望する場合は、特に高い語学力が必要です。
情報収集が必要な生産部門は、日常的に英語に触れる機会が多いので、就職・転職を検討する際はTOEICのテストで700点程度を目安に勉強しておきましょう。
製薬会社で働くことに向いている人
ここでは、製薬会社で働くことに向いている人の特徴について解説します。
医療に興味がある人
医療・医薬品に関する情報は、日々アップデートされます。それに応じて研究・開発やお客様への対応を変更する必要があるため、日頃から興味をもって情報収集することが重要です。たとえば、臨床試験の現場において、担当する医薬品や治験に用いる薬の種類が変更された場合は、その都度新たな情報の収集が求められるでしょう。
真摯に取り組める人
製薬会社は、生命や健康に大きく影響する業界です。倫理観や責任感があり、さまざまな事柄に対して真摯(しんし)に対応できる人が向いています。
人の役に立ちたい人
製薬業界は医療業界と比べ、患者とかかわる機会が少ない傾向にありますが、携わった医薬品は将来的に多くの患者を助ける薬となるでしょう。直接的な感謝を受けることは少ないかもしれませんが、自らの仕事にやりがいや使命感をもって日々取り組める人は、製薬会社で働くことに向いています。
まとめ
今回は、製薬会社の仕事内容や基本的な特徴について紹介しました。製薬会社は平均年収が高く、福利厚生が整っている企業も多いため、就職・転職先としての人気が高い職業の一つです。ただし、職種によっては理系の知識や高い語学力が問われることもあり、TOEIC・調剤資格などが必要になることもあるでしょう。営業職や事務職であれば文系の人や専門知識が少ない人でも応募できるので、検討する際は応募基準をよく確認してみてください。