セールスエンジニアとは?求められる3つのスキルを紹介!仕事内容や資格、年収も
近年、企業の営業スタイルが変化し、単に製品を売るだけではなく、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションを提供していく必要があります。そこで注目されているのが、セールスエンジニアという職種です。セールスエンジニアは、製品やサービスの技術的な説明や提案を行うことで、お客様のニーズに合わせた最適な提案を行います。
本記事では、セールスエンジニアについて詳しく解説します。この記事を読むことで、セールスエンジニアの仕事内容や資格、年収だけでなく、どのようなスキルが必要なのかを理解し、自身のキャリアアップに役立てられるでしょう。
セールスエンジニアとは?
セールスエンジニアは、製品やサービスの技術的な説明や提案を行うことで、お客様のニーズに合わせた最適な提案を行う営業職です。製品やサービスに関する高度な知識を持ち、お客様に最適なソリューションを提供しなければなりません。
また、営業スキルやコミュニケーション能力も必要とされています。セールスエンジニアは、企業のビジネスにとって欠かせない存在であり、高い年収を得ることができる職業の1つです。
仕事の概要:技術的な側面から営業をサポートする
セールスエンジニアは、技術的な側面から営業をサポートする仕事です。製品やサービスに関する高度な知識を持ち、お客様に最適なソリューションを提案するためにも、営業担当者や顧客と協力して行く必要があります。
セールスエンジニアは、製品の技術的な側面を理解してお客様にわかりやすく説明することができるため、企業の商品や製品の販売を促進できます。また、セールスエンジニアは、プレセールスやアフターサービスなどの業務も担当するため、製品やサービスに関する幅広い知識が求められるでしょう。具体的な業務内容については、次の章で詳しく解説します。
年収:約549万円
セールスエンジニアの平均年収は約549万円とされており、IT業界の中では平均以上の水準です。個人のスキルや経験、実績が豊富であれば、より高い年収を狙うことができるでしょう。
また、企業によっては、実績に応じたインセンティブやボーナスが支給される場合もあります。セールスエンジニアは高い技術力と営業力が求められるため、そのスキルに応じた適正な報酬を得られる魅力的な職業の1つです。
システムエンジニアや営業との違い
セールスエンジニアは、システムエンジニアや営業と比べてどのような違いがあるのでしょうか。
システムエンジニアは、プログラムの開発やシステムの設計・開発など、技術的な部分を担当することが多いです。一方、営業は商品・サービスの販売を行うため、顧客とのコミュニケーションや交渉、契約締結などがメインの業務となります。そして、セールスエンジニアは、その名前の通り営業と技術の両面を担当する職種です。
つまり、技術的な側面から営業をサポートし、顧客のニーズに合わせた提案を行うことが求められます。また、セールスエンジニアは営業の部署に所属していることが多く、商品・サービスの提供に関する知識が求められます。
セールスエンジニアがキツい職業だといわれている原因
セールスエンジニアは、エンジニアの中でも精神的にキツいといわれています。その理由は、以下の3つです。
- クライアントとエンジニア(自社スタッフ)の板挟みに合う立ち位置である
- 営業ノルマが課せられている場合がある
- 専門的なIT知識が求められる
セールスエンジニアは、顧客のニーズを理解し、自社製品やサービスを提案する役割があります。しかし、その提案内容がエンジニアリング的に不可能であったり、エンジニアリング的な解決方法としては非効率だったりする場合もあるでしょう。このような場合、セールスエンジニアは、クライアントとエンジニアとの間で板挟みに合うことがあります。
また、セールスエンジニアには営業ノルマが課せられている場合があります。営業ノルマを達成するためにはセールスエンジニア自身が積極的に営業活動を行う必要があり、その負担が精神的なストレスとなってしまうこともあるでしょう。
さらに、セールスエンジニアには専門的なIT知識が求められます。しかし、このような知識を習得するには継続的な勉強と技術力の向上が必要です。また、自社製品やサービスに関する専門知識を持ち合わせる必要があり、それを継続的に更新する必要もあるため、仕事にストレスを感じることもあるでしょう。
セールスエンジニアの仕事内容
ここでは、セールスエンジニアの仕事内容を解説します。
営業担当に同行してクライアントへのヒアリングを行う
セールスエンジニアは、営業担当と協力してクライアント企業に対して製品やサービスの提案を行います。その際、セールスエンジニアは技術的な側面からのサポートを担当し、クライアント企業が抱える課題やニーズをヒアリングします。ヒアリングを通じて、クライアント企業が抱える問題点や課題を正確に把握し、それに対する最適な提案を行うのが大切です。
また、提案内容に関する技術的な質問や疑問にも答えなければなりません。このように、セールスエンジニアは営業担当と協力して、クライアント企業の問題解決に貢献することが求められます。
営業部署とエンジニアの両方をサポートする
セールスエンジニアの仕事内容の一つに、営業部署とエンジニアの両方をサポートすることがあります。営業担当がクライアントとのミーティングを行う際に、技術的な質問に対する回答や、製品やサービスの技術的な説明を行うことで営業担当をサポートすることが主な役割です。
また、営業担当とクライアントとの間で要件定義を行う際に、エンジニアの立場から提案を行うことで、クライアントが必要とする機能やシステムの実現性を判断し、最適な提案を行う必要があります。このように、セールスエンジニアは営業担当とエンジニアの間に立って、双方のニーズを満たすように調整し、ビジネスチームの支援を行う必要があります。
クライアントへのアフターフォロー
セールスエンジニアは、クライアントから受注した案件が進行する中で、営業担当と共にクライアントに対してアフターフォローを行います。アフターフォローには、製品やサービスの仕様の説明やトラブルの解決などが含まれます。
また、クライアントからの要望や問題点を把握し、その改善策を提案することも重要な仕事の一つです。アフターフォローを通じて、クライアントとの信頼関係を構築し、長期的な関係を築きます。
クライアントの課題解決をサポートする
セールスエンジニアはクライアントが抱える課題を把握し、解決するための最適なソリューションを提案することが重要です。
また、提案後のフォローアップや課題の解決に向けた技術的なサポートも行います。セールスエンジニアは単に製品やサービスを売り込むだけではなく、クライアントの課題解決に貢献しなければなりません。このため、技術的な知識や経験が必要とされることが多いです。
セールスエンジニアが身に付けるべき3つのスキル
ここでは、セールスエンジニアが身に付けるべきスキルを3つ紹介します。
業界や製品・サービスに関する深い知識を身に付けるスキル
業界や製品・サービスに関する深い知識は、技術的な面から営業をフォローするために必要不可欠であり、自社の製品やサービスだけでなく、業界や他社の情報も知っておく必要があります。これにより、クライアントのニーズに合わせた最適な提案ができるだけでなく、競合他社との差別化も図ることができます。
そのため、セールスエンジニアは常に業界トレンドや最新技術を学び、製品やサービスに関する深い知識を身に付けていかなければなりません。
専門的な内容をわかりやすく説明する言語化スキル
セールスエンジニアは、製品やサービスに関する深い知識を持っていなければなりませんが、その知識を相手にわかりやすく伝えることができなければ、クライアントとの信頼関係を築くことはできません。
そのため、セールスエンジニアは専門的な内容をかみ砕いて説明する能力が求められます。相手が専門的な知識を持たない場合でも、分かりやすく説明することが大切です。
また、相手の立場に立って、どのようなことが必要でどのようなメリットがあるのかを明確に伝えなければなりません。セールスエンジニアは、わかりやすい説明を通して信頼関係を構築する必要があるため、専門的な内容を分かりやすく伝えるスキルを身に付けることが大切です。
製品の利点を魅力的に紹介できるプレゼンテーションスキル
製品の利点を魅力的に紹介できるプレゼンテーションスキルは、製品やサービスの魅力的な特徴を顧客に伝え、購入を促すためにも必要です。顧客のニーズを把握し、臨機応変に対応できる柔軟性も求められます。
また、プレゼンテーションを行うためには、コミュニケーション能力と説得力が必要です。セールスエンジニアは、製品やサービスの利点を説明することに加え、競合他社の製品と比較して優位性を強調する必要があります。これらのスキルを持ったセールスエンジニアは、顧客の信頼を得て、製品やサービスの売り上げを増やせるでしょう。
セールスエンジニアに役立つ3つの資格
セールスエンジニアは資格がなくてもなれる職業ではあるものの、取得しておくと便利な資格が3つあります。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験は、情報処理に関する基礎的な知識を問う試験で、コンピュータやネットワーク、データベース、プログラミングなどの基本的な知識が求められます。
一方、応用情報技術者試験はより実践的な問題を扱い、システム開発やプロジェクトマネジメントなど、実践的なスキルや知識が求められます。
これらの資格を取得することで、セールスエンジニアは情報処理技術やシステム開発に関する基礎知識を身に付けることができ、顧客とのコミュニケーションや製品やサービスの提案に役立てられるでしょう。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、企業のIT戦略策定に必要な知識やスキルを問う資格試験です。試験の難易度は高く、合格率は低いと言われています。
勉強期間としては、半年程度の勉強期間を確保しておく必要があるでしょう。試験範囲は、企業戦略との関連性を考慮したIT戦略の策定方法や情報システムの企画・設計・運用・保守など幅広く、深い知識が必要です。従って、ITストラテジスト試験に合格するためには、豊富な経験と知識を持つ人材や、長期間の勉強と実践経験を積むことが必要となります。
セールススキル検定
セールスエンジニアに役立つ資格の1つに「セールススキル検定」があります。営業に必要なスキルや知識を測定する資格で、特定非営利活動法人セールスキャリア開発機構が主催です。
問題数が多く難易度が高めですが、実務に即した内容で、実践的な知識を身につけることができます。また、等級は1~3級に分かれており、級が上がると合格率が下がっていく傾向があります。2級は、フォローアップセールス、テレセールス、訪問型セールスの3つに分かれており、それぞれのスキルを測定可能です。
セールスエンジニアに向いている人の特徴
ここでは、セールスエンジニアに向いている人の特徴を解説します。
次々と課題に取り組み解決するのが得意
セールスエンジニアには、常に新しい技術やトレンドについて学び、お客様の問題を解決するための製品やサービスを提案する能力が求められます。そのため、次々と課題に取り組み、解決策を探っていくことが得意な人が向いています。
また、このような人は問題解決に向けて必要な情報を収集し、分析して結論を出すスキルも持っていることが多く、長くセールスエンジニアとして活躍するために必要な能力です。
コミュニケーション能力が高い
セールスエンジニアは、顧客とのコミュニケーションを通じて製品やサービスの価値を伝えることが重要な役割です。そのため、コミュニケーション能力が高い人が向いています。営業の現場では、顧客との信頼関係を築くことが不可欠であり、トーク力や対応力などを含めたコミュニケーションスキルが求められます。また、人と関わることが好きで、相手のニーズを理解することが得意な人もセールスエンジニアに向いています。
柔軟な発想ができる
セールスエンジニアは、顧客のニーズを理解するために柔軟な発想をして、新たな視点からアプローチする必要があります。また、顧客に適した提案をするためには多様な解決策を考え、柔軟にアイデアを出すことが求められます。
さらに、製品やサービスの説明や提案の際にも、相手に合わせたアプローチをすることが重要です。このような柔軟な発想力がある人が、セールスエンジニアとして活躍できるでしょう。
アクティブに行動できる
セールスエンジニアは、顧客に製品やサービスを提供するため、積極的な営業活動が求められる職種です。そのため、アクティブに行動し、クライアントのもとに足を運ぶことができる人が向いています。また、営業の場に同席することも多いため、社交的であることも必要条件の一つです。セールスエンジニアには、自分から行動を起こし、積極的に取り組む姿勢が求められます。
セールスエンジニアになるための3つの準備
セールスエンジニアには、業界に詳しいほうがスムーズになれることが多いです。しかし、それだけでなく、セールスエンジニアになる前にしておいたほうがよい3つの準備があります。新卒からセールスエンジニアを目指すことは難しいため、可能な限り経験を積んでから挑戦することがおすすめです。
技術職を経験する
セールスエンジニアになるための重要な準備の1つは、技術職を経験することです。実際に製品やサービスを開発・設計する技術職での経験を通じて、製品やサービスに関する深い知識を身につけられるでしょう。
また、技術職で培ったスキルや知識をもとに、顧客の問題解決について的確なアドバイスができます。実際に製品・サービスを開発してきた経験があることで、顧客からの信頼度が高くなり、より良い提案ができるようになるため、セールスエンジニアになるためには技術職での経験は欠かせません。
営業職を経験する
セールスエンジニアになるための準備の1つは、営業職での経験です。営業職で培ったコミュニケーション能力や交渉力は、セールスエンジニアにとっても重要なスキルとなります。
営業職では顧客との信頼関係を築いていく必要があるため、顧客のニーズを把握する能力や、顧客との折衝や交渉を行うスキルを身につけられます。また、営業職での経験をもとに、顧客が抱える問題を解決するための提案を行うことも可能です。ただし、セールスエンジニアは技術的な知識も必要不可欠なため、営業職での経験に加えて、技術職での経験も必要となる場合があります。
派遣での業務経験を重ねる
派遣での業務経験は、様々な業界や企業での経験を積むことができるため、セールスエンジニアにとって有用です。
派遣での業務経験は企業にとってもメリットがあります。派遣社員として採用することで、企業側は労働力を臨時的に確保できるため、採用リスクを低減できます。
派遣での業務経験を重ねることで、セールスエンジニアに必要なスキルを磨けるでしょう。例えば、企業のニーズに合わせた提案や、技術的な知識を持った営業活動など、派遣での業務経験を通じて、セールスエンジニアに必要なスキルを身につけることができます。
さらに、派遣での業務経験を積むことで、自己アピール力やコミュニケーション力を向上させることもできます。派遣社員として、様々な企業や業界で働くことで、多様な人と接する機会があり、コミュニケーション能力を高められるでしょう。
まとめ
セールスエンジニアとは、技術的な側面から営業をサポートする仕事であり、クライアントの課題解決をサポートすることが主な任務です。
業界や製品・サービスに関する深い知識、専門的な内容をわかりやすく説明する言語化スキル、製品の利点を魅力的に紹介できるプレゼンテーションスキルが求められます。セールスエンジニアに向いている人の特徴として、次々と課題に取り組み解決するのが得意であること、コミュニケーション能力が高いこと、柔軟な発想ができること、アクティブに行動できることが挙げられます。
セールスエンジニアには将来性があり、今後も需要が高まると期待されるため、これから目指す人は今回の記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。